冤罪と再審 — 無罪が確定した事件と再審請求 13件/1948〜2003年
- 収録件数
- 13件
- 対象期間
- 1948〜2003年
- 死者数の合計
- 21人
- 最多の種別
- 殺人
表1 冤罪と再審 — 無罪が確定した事件と再審請求の一覧
| 発生年 | 事件 | 判決の経過・再審の状況 |
|---|---|---|
| 1948年 | 免田事件 | 1952年に死刑が確定。1983年の再審で無罪となり、死刑確定者として初めて再審無罪が確定した。 |
| 1949年 | 弘前大学教授夫人殺し事件 | 服役を終えた後に真犯人が名乗り出て、白鳥決定の基準を引用した再審開始決定を経て無罪となった。有罪の柱だった血痕鑑定に、再審判決は強い疑問を示した。 |
| 1949年 | 松川事件 | 一審で5人に死刑。最高裁の差戻しを経て1963年に被告人全員の無罪が確定し、真犯人は不明のまま公訴時効を迎えた。 |
| 1950年 | 財田川事件 | 死刑確定から約27年後に再審無罪となった。最高裁の財田川決定は、白鳥決定の「疑わしいときは被告人の利益に」の原則を適用し、その後の再審の判断の基準となった。 |
| 1952年 | 白鳥事件 | 有罪が確定し再審請求は退けられたが、その際に最高裁が示した「白鳥決定」(1975年)が、後の再審開始の道を開いた。 |
| 1953年 | 徳島ラジオ商殺し事件 | 懲役13年が確定した元被告の死後、1985年の再審で無罪となった。死後再審で無罪が確定した初の事件。 |
| 1961年 | 名張毒ぶどう酒事件 | 一審無罪から逆転で死刑が確定。元被告は再審請求を続けたまま2015年に医療刑務所で病死し、その後の請求も退けられている。 |
| 1966年 | 袴田事件 | 1980年に死刑が確定。第2次再審請求を経て2024年の再審で無罪が確定し、判決は「5点の衣類」など3つの証拠を捜査機関による捏造と認定した。 |
| 1967年 | 布川事件 | 別件逮捕後の自白で無期懲役が確定した男性2人が、2011年に再審で無罪となった。国家賠償訴訟では、偽計を用いた取調べ、録音テープをめぐる偽証、証拠の不開示などが違法とされた。 |
| 1981年 | みどり荘事件 | 一審で無期懲役とされたが、1995年に控訴審で逆転無罪が確定。真犯人は不明のまま公訴時効を迎えた。 |
| 1995年 | 東住吉事件 | 母親と内縁の夫に無期懲役が確定。自白の信用性が争われ、2016年の再審で自然発火の可能性が残るとして両名の無罪が確定した。 |
| 2003年 | 志布志事件 | 買収会合の自白をもとに住民らが起訴されたが、2007年に全員の無罪が確定した。2015年の国家賠償判決は、警察の取調べと検察の起訴の違法を認めた。 |
| 2003年 | 湖東記念病院事件 | 看護助手の女性が取調官への好意や迎合的な傾向を利用されて自白し、服役した。2020年の再審判決は自白を証拠から排除し、事件性すら証明されていないとして無罪を言い渡した。 |
図1 年代別の収録件数
収録している事件
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免田事件
1948年(昭和23年)12月29日深夜から30日未明にかけて、熊本県人吉市の祈祷師夫婦宅に押し入り、夫婦を殺害し娘2人に重傷を負わせ、現金を奪った強盗殺人事件。近隣の男性・免田栄が逮捕され自白により死刑が確定したが、6次にわたる再審請求の末、1983年に再審無罪が確定した。
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松川事件
1949年(昭和24年)8月17日未明、福島県信夫郡金谷川村(現・福島市松川町金沢)の東北本線松川駅〜金谷川駅間で、旅客列車が脱線転覆し、機関車の乗務員3人が死亡した。線路のレールと継目板が外されていたことから、何者かによる列車妨害と判断された。
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白鳥事件
1952年(昭和27年)1月21日夜、札幌市(現在の中央区)の路上で、自転車で帰宅途中の札幌市警察本部警備課長・白鳥一雄警部(36歳)が背後から拳銃で撃たれ死亡した。警察は日本共産党による組織的犯行とみて捜査し、同年10月、党札幌市委員会委員長の男を共謀共同正犯として逮捕・起訴した。
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徳島ラジオ商殺し事件
徳島市のラジオ商店主が殺害され、店主の内縁の妻が誤って有罪とされたが、死後の再審で日本初の無罪が確定した事件。
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名張毒ぶどう酒事件
1961年(昭和36年)3月28日夜、三重県名張市葛尾の集会所で開かれた懇親会で、農薬(テップ)が混入したぶどう酒を飲んだ女性17人が中毒症状を訴え、5人が死亡した。参加者の一人だった奥西勝が逮捕され、一審は無罪としたが名古屋高裁が逆転死刑判決を言い渡し、…
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みどり荘事件
1981年(昭和56年)6月27日深夜から28日未明にかけて、大分県大分市六坊町のアパート「みどり荘」で、18歳の女子短大生が自室で殺害された。隣室に住んでいた男性が翌年1月に逮捕・起訴され、大分地方裁判所は1989年に無期懲役を言い渡したが、…
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東住吉事件
1995年7月22日、大阪市東住吉区の住宅駐車場で火災が発生し、入浴中だった当時11歳の女児が死亡した。学資保険金目的の放火殺人の疑いで女児の母親と内縁の夫が同年に逮捕・起訴され、1999年に無期懲役判決が確定した。
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袴田事件
1966年(昭和41年)6月30日未明、静岡県清水市(現・静岡市清水区)の味噌製造会社の専務の自宅で火災が起き、焼け跡から刺し傷のある一家4人の遺体が見つかった事件。同社の従業員だった袴田巖さんが強盗殺人などの罪で起訴され、1980年に死刑判決が確定した。
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財田川事件
1950年2月28日、香川県三豊郡財田村(現在の三豊市財田町)で、一人暮らしの男性が自宅で殺害され現金を奪われた強盗殺人事件。別の事件で勾留中だった当時19歳の男性が自白し、公判で否認したものの、1957年に死刑が確定した。
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弘前大学教授夫人殺し事件
1949年8月6日夜、青森県弘前市で、弘前医科大学教授の妻(当時30歳)が就寝中に刃物で首を刺されて殺害された事件。近所に住む男性が逮捕・起訴され、一審の無罪判決が控訴審で覆されて、1953年に懲役15年が確定した。男性が刑期を終えた後の1971年、別の男が真犯人であると名乗り出た。
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布川事件
1967年8月、茨城県北相馬郡利根町布川で、一人暮らしの男性が自宅で殺害された強盗殺人事件。別件で逮捕された男性2人が自白し、公判で否認したものの、1978年に無期懲役が確定した。2人は仮釈放後に再審を求め、2005年の再審開始決定を経て、2011年5月24日、水戸地裁土浦支部の再審で無罪となった。
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湖東記念病院事件
2003年5月22日、滋賀県愛知郡湖東町(現在の東近江市)の湖東記念病院で、人工呼吸器を付けていた入院患者の男性(当時72歳)が死亡し、看護助手の女性が人工呼吸器の管を外して殺害したと自白して、懲役12年の判決が確定した冤罪事件。
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志布志事件
2003年4月の鹿児島県議会議員選挙をめぐり、鹿児島県警が、曽於郡志布志町(現在の志布志市)の山あいの集落の住民らを、買収の会合を開いて現金を配ったとする公職選挙法違反の容疑で逮捕・起訴した事件。
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「冤罪と再審 — 無罪が確定した事件と再審請求」事件JP、2026年10月28日閲覧。https://jiken.jp/theme/wrongful-convictions/