2025年青森県東方沖地震 通称: 令和7年青森県東方沖を震源とする地震

発生日 2025年12月8日(令和7年) 2025年(令和7年)の事件 / 12月8日に起きた事件
経過 発生から10か月
発生場所 青森県 八戸市ほか
種別 災害
状態 終結
被害  負傷者 46人
2025年12月8日23時15分、青森県東方沖で起きたM7.5の地震。青森県八戸市で震度6強を観測し、北海道から岩手県の太平洋沿岸に津波警報が出た。消防庁の最終報では負傷者は46人で、死者はいなかった。翌9日未明、気象庁は2022年12月の運用開始以来初めて「北海道・三陸沖後発地震注意情報」を発表し、北海道から千葉県までの7道県の市町村に1週間の「特別な備え」を呼びかけた。住民アンケートで対応に濃淡があったことなどがわかり、内閣府は2026年7月に防災対応ガイドラインを改訂した。
2025年青森県東方沖地震を象徴する概念イラスト
※イメージ画像(生成AIによる概念イラストであり、実際の現場・関係者を写したものではありません)
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深夜の青森県東方沖でM7.5

2025年12月8日23時15分、青森県東方沖の深さ54kmでM7.5の地震が起きた(いずれも気象庁の暫定値)。モーメントマグニチュードはMw7.4(暫定)とされた。青森県八戸市で震度6強、同県おいらせ町と階上町で震度6弱を観測し、北海道から近畿地方にかけて震度5強から1を観測した。青森県三八上北では長周期地震動階級3を観測した。緊急地震速報(警報)は、最初の地震波を検知してから4.1秒後に出された。気象庁は23時17分に北海道太平洋沿岸中部、青森県太平洋沿岸、岩手県に津波注意報を出し、23時23分に津波警報へ切り替えた。警報は9日2時45分に注意報に下げられ、6時20分に解除された。観測された津波は、気象庁の地震・火山月報では岩手県の久慈港で64cm、北海道の浦河で50cmだった。地震調査委員会の評価資料では、久慈港0.7m、浦河0.5m(いずれも速報値)とされている。気象庁はこの地震に名称を付けておらず、内閣府は「令和7年青森県東方沖を震源とする地震」と呼んでいる。
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負傷者46人と八戸市を中心とした被害

消防庁の最終報(12月16日)によると、負傷者は46人(重傷2人、軽傷44人)で、内訳は北海道11人、青森県31人、岩手県4人だった。死者はいなかった。負傷者の数は資料によって少し違い、内閣府の12月15日の資料では47人、青森県の集計(2026年3月25日時点)では県内だけで32人とされている。住家の被害は、消防庁の最終報では全壊1棟、一部破損47棟だった。その後に調査が進み、青森県の集計では住家の全壊8件、半壊54件、一部損壊807件となった。全壊のうち7件は八戸市だった。防災白書によると、最大約4,370戸が停電し、青森県と岩手県で最大約1,595戸が断水した。JR八戸線は本八戸〜小中野駅間の高架橋が大きな被害を受けて全区間が運休し、12月30日に全線で運転を再開した。八戸市では、NTT青森八戸ビルの鉄塔が損傷したため、12月11日に35世帯へ避難指示が出された(23日に解除)。災害救助法は青森県と岩手県の24市町村に適用された。

初めての北海道・三陸沖後発地震注意情報

12月9日2時、気象庁は「北海道・三陸沖後発地震注意情報」を発表し、内閣府と気象庁が合同で記者会見を開いた。防災白書は、2022年(令和4年)12月の運用開始以降、初めての発表だったと記している。この情報は、日本海溝・千島海溝沿いの巨大地震の想定震源域に影響を与える場所でMw7.0以上の地震が起きたときに出される。気象庁は、震源の位置や規模を精査した結果、この基準を満たしたと説明した。内閣府の資料は、今後1週間に大規模地震が起きる可能性を数字で示した。平常時は約0.1%(千回に1回程度)だが、注意情報の発表時は約1%(百回に1回程度)になるという。この1%は、世界で起きたMw7.0以上の地震1,477回のうち17回で、7日以内に近くでMw7.8以上の地震が続いたという統計にもとづく。気象庁の資料は、特定の期間中に大規模地震が必ず起きると知らせるものではないとも付け加えている。

「特別な備え」を求めた1週間

防災対応をとるべき地域は、北海道、青森県、岩手県、宮城県、福島県、茨城県、千葉県の7道県の市町村だった。内閣府はこれらの地域に、12月16日0時までの1週間、日頃からの備えを再確認したうえで「すぐに逃げられる態勢の維持」「非常持出品の常時携帯」などの「特別な備え」をとり、社会経済活動は続けるよう求めた。この期間中の12月12日11時44分には、青森県東方沖の深さ17kmでM6.9(暫定値)の地震が起き、北海道と東北地方で最大震度4を観測した。北海道太平洋沿岸中部、青森県太平洋沿岸、岩手県、宮城県に津波注意報が出され、14時5分に解除された。大規模な後発地震は起きず、呼びかけの期間は16日0時に終わった。内閣府と気象庁は、大規模地震が起きる可能性がなくなったわけではないとして、日頃からの備えを続けるよう求めた。防災白書はこの1週間について、大きな混乱もなく冷静に対応してもらえたと評価し、観光施設や宿泊施設が避難誘導の手順を確かめた例などを挙げている。

地震調査委員会の評価

政府の地震調査委員会は12月9日に臨時会を開き、この地震を評価した。発震機構は西北西―東南東方向に圧力軸を持つ逆断層型で、陸のプレートと太平洋プレートの境界で起きた地震と考えられるとした。2019年に公表した日本海溝沿いの長期評価は、「青森県東方沖及び岩手県沖北部」で起きる「ひとまわり小さいプレート間地震」(M7.0〜M7.5程度)を想定し、30年以内の発生確率をⅢランク(高い)としていた。今回の地震はこれにあたるという。震源域は1968年十勝沖地震の震源域の北部にあり、南側は1994年の三陸はるか沖地震の震源域と隣り合う。委員会は、1943年の青森県東方沖の地震(M7.1)の約2日後にM6.6の地震が起きた例を挙げ、1週間程度は最大震度6強程度の地震に注意するよう求めた。12月25日の定例会では、12日のM6.9の地震は続発しやすい領域の中で起きたとし、活動域の南東には1896年の明治三陸地震の震源域が広がっていると指摘した。

住民アンケートとガイドラインの改訂

2026年2月13日、八戸市で10以上の世帯の住宅が全壊したことから、同市に被災者生活再建支援法が適用された。消防庁の最終報(12月16日)の全壊1棟はその時点の数字で、その後の調査で全壊の数は増えた。支援法の適用は棟ではなく世帯の数で判断されている。八戸市への災害救助法の適用は、2026年2月末の時点でも続いていた。2026年4月20日には、三陸沖でM7.7の地震が起き、2度目の北海道・三陸沖後発地震注意情報が出された。翌21日、あかま防災担当大臣は記者会見で、12月の注意情報について住民へのアンケートを行った結果、防災対応に濃淡があり、十分に浸透していないという課題があると述べた。内閣府は7月28日、2度の発表で各地の対応や反応から得た知見を取り入れて、防災対応ガイドラインを改訂した。揺れの強かった地域への呼びかけと後発地震注意情報の呼びかけを混同しないよう目的や対象地域の違いを書き加え、住民と自治体へのアンケートの結果を載せた。南海トラフ地震臨時情報の事例集と統合した新しい事例集も作った。

審理・経過の流れ

  1. 事件・事故 2025年12月8日
  2. 事件・事故 2025年12月12日 +4日

経過

  1. 2025年12月8日
    令和7年

    事件・事故 青森県東方沖でM7.5の地震、八戸市で震度6強

    23時15分発生、深さ54km(暫定値)。長周期地震動階級3

  2. 2025年12月8日
    令和7年

    その他 津波注意報を出し、6分後に津波警報へ切り替え

    23時23分、北海道太平洋沿岸中部・青森県太平洋沿岸・岩手県に津波警報

  3. 2025年12月8日
    令和7年

    その他 官邸対策室を設置

    23時16分。首相が3項目を指示

  4. 2025年12月9日
    令和7年

    その他 初の北海道・三陸沖後発地震注意情報を発表

    2時。内閣府と気象庁が合同記者会見

  5. 2025年12月9日
    令和7年

    その他 青森・岩手の24市町村に災害救助法を適用

    3時に公表。法の適用日は12月8日

  6. 2025年12月9日
    令和7年

    その他 津波注意報をすべて解除

    6時20分

  7. 2025年12月9日
    令和7年

    捜査 地震調査委員会が臨時会で評価を公表

    長期評価が想定した「ひとまわり小さいプレート間地震」にあたると評価

  8. 2025年12月11日
    令和7年

    その他 NTTビル鉄塔の損傷で八戸市が避難指示

    35世帯。12月23日に解除

  9. 2025年12月12日
    令和7年

    事件・事故 青森県東方沖でM6.9の地震、最大震度4

    11時44分発生(暫定値)。津波注意報は14時5分に解除

  10. 2025年12月16日
    令和7年

    その他 後発地震注意情報に伴う特別な注意の期間が終了

    0時。消防庁災害対策本部は15時に廃止

  11. 2025年12月25日
    令和7年

    捜査 地震調査委員会が定例会で改めて評価

    12日の地震は続発しやすい領域の中で起きたと指摘

  12. 2025年12月30日
    令和7年

    その他 JR八戸線が全線で運転を再開

    本八戸〜小中野駅間の高架橋が被害を受けていた

  13. 2026年2月13日
    令和8年

    その他 八戸市に被災者生活再建支援法を適用

    10以上の世帯の住宅が全壊

  14. 2026年4月20日
    令和8年

    その他 三陸沖の地震で2度目の後発地震注意情報

    M7.7、最大震度5強

  15. 2026年7月28日
    令和8年

    その他 内閣府が後発地震注意情報の防災対応ガイドラインを改訂

    2度の発表で得た知見を反映

出典・公的資料

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「2025年青森県東方沖地震」事件JP、2026年10月27日閲覧。https://jiken.jp/cases/2025-aomori-toho-oki-earthquake/
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更新履歴

  • 2026年10月16日 初版公開

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