令和7年台風第15号

発生日 2025年9月5日(令和7年) 2025年(令和7年)の事件 / 9月5日に起きた事件
経過 発生から1年1か月
発生場所 静岡県 牧之原市、吉田町、焼津市ほか
種別 災害
状態 終結
被害 死者 1人  負傷者 90人
2025年(令和7年)9月4日に発生した台風第15号は、5日に四国、紀伊半島、東海地方に次々と上陸し、西日本から東日本の太平洋側に大雨をもたらした。5日昼過ぎ、静岡県では線状降水帯が発生し、竜巻などの激しい突風が相次いだ。牧之原市から吉田町にかけての竜巻は風速約75メートル(JEF3)と推定され、気象庁は1961年以降に国内で起きた竜巻として最大級だとした。静岡県のまとめでは死者1人、負傷者90人、住家の全壊76棟。牧之原市には被災者生活再建支援法が適用された。
令和7年台風第15号を象徴する概念イラスト
※イメージ画像(生成AIによる概念イラストであり、実際の現場・関係者を写したものではありません)
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四国から関東まで沿岸を進んだ台風

東京管区気象台の災害時気象報告によると、台風第15号は2025年9月4日3時に奄美大島の東で発生した。北へ進んで4日夜にかけて九州にかなり接近し、5日は進路を東よりに変えて西日本の太平洋側の沿岸を進んだ。5日1時半ごろに愛媛県愛南町付近に上陸し、8時過ぎに和歌山県北部、12時過ぎに愛知県豊橋市付近に再上陸した。14時前に静岡県の伊豆半島を通過し、16時半ごろには千葉県館山市付近に再上陸した。台風は6日3時、日本の東で温帯低気圧に変わった。 台風本体や周辺の暖かく湿った空気が流れ込み、大気の状態が非常に不安定になった。4日は宮崎県で、5日は静岡県と神奈川県で線状降水帯が発生した。宮崎県では4日の日降水量が都農町で459.0ミリとなり、観測史上1位を更新した所があった。5日は静岡県で350ミリ、神奈川県で150ミリを超える大雨となった。東日本の太平洋側では最大瞬間風速30メートル以上を観測した所もあった。
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静岡県で相次いだ竜巻

台風の中心が東海地方の沿岸を進んでいた9月5日の昼過ぎ、静岡県では活発な積乱雲が通過した。気象庁が現地調査をもとに2026年8月にまとめた報告書では、この日に県内7か所で突風が起きたとしている。12時30分ごろには掛川市浜野から大坂にかけて、竜巻の可能性が高い突風(JEF2)が起きた。12時50分ごろには牧之原市から吉田町にかけて竜巻(JEF3)が発生した。13時ごろには焼津市でも竜巻(JEF2)が起きた。このほか、菊川市で竜巻2件とダウンバーストまたはガストフロント1件、14時10分ごろには伊東市吉田から川奈にかけて竜巻(JEF2)が確認された。 静岡県には5日7時13分から14時36分までに、竜巻注意情報が10回発表された。12時12分の第7号は中部・伊豆・西部が対象だった。13時45分の第9号には「目撃情報あり」と付けられた。牧之原市には12時44分に大雨警報と洪水警報、13時に土砂災害警戒情報、13時25分に暴風警報が出された。県内では13時5分から14時45分までに記録的短時間大雨情報が6回発表された。牧之原市周辺のアメダス菊川牧之原では、この日の最大1時間降水量が127.0ミリとなり、観測史上1位を記録した。

国内最大級と評定されたJEF3

気象庁は9月6日から10日にかけて、気象庁機動調査班(JMA-MOT)を派遣して現地を調べた。9月8日の発表では、牧之原市静波から吉田町大幡にかけての突風を竜巻と認め、強さを風速約75メートルと推定した。日本版改良藤田スケールではJEF3にあたる。評定の根拠は、鉄骨系の店舗の外壁材が飛び散った被害だった。JEF3は風速67〜80メートルの階級である。 報告書によると、牧之原市から吉田町にかけての被害は、東西約6キロ、南北約7キロの範囲に広がった。竜巻の被害は一般に帯状になるが、今回は曲線の帯がいくつも重なる複雑な形だった。気象庁は、親となる渦の中を複数の小さな渦が回る「多重渦竜巻」を含め、複数の竜巻が起きたことが示唆されるとした。こうした複雑な被害分布は国内で前例がないという。気象研究所の解析では、レーダーで竜巻より大きな直径0.6〜2キロほどの渦が確認された。気象庁は2026年8月28日、この竜巻の強さは1961年以降に国内で発生した竜巻として最大級だったと公表した。

人的被害と住宅の被害

静岡県の最終報(2025年11月28日14時時点)によると、県内の人的被害は死者1人、重傷15人、軽傷75人だった。亡くなったのは吉田町の50代の男性で、竜巻で車が横転したとされる。負傷者は牧之原市が重傷11人、軽傷64人と最も多かった。住家の被害は全壊76棟、半壊319棟、一部破損1,752棟、床上浸水22棟、床下浸水191棟の計2,360棟だった。このうち牧之原市は全壊73棟、半壊268棟、一部破損993棟だった。県は、竜巻と大雨のどちらが原因かの内訳はわからないとしている。なお、消防庁の11月14日時点の報告では、静岡県の重傷者は13人と、集計の時点によって数字に差がある。 停電は県内で最大約2万2,950戸にのぼったが、9月9日朝までに全戸で復旧した。牧之原市の一部では停電で送水ポンプが止まり、断水も起きた。消防庁は台風第15号を含む「9月3日からの大雨」として全国の被害をまとめたが、9月12日の報告からは東京都などその後の大雨による被害も同じ表に加わっている。

建物被害の調査

国土交通省国土技術政策総合研究所と建築研究所は、9月12日に牧之原市細江地区で建物の被害を調べ、10月3日に報告をまとめた。1990年に建てられた鉄骨造2階建ての店舗では、外壁に使われていたALCパネルが、木の下地に打たれた釘から抜けて飛び散っていた。鉄骨造の集合住宅でも、窯業系サイディングの外壁材が同じように釘留めの部分から抜けて飛散していた。 屋根では、2001年の「瓦屋根標準設計・施工ガイドライン」の工法に当たらない粘土瓦で、緊結不足によると思われる広い範囲の脱落が見られた。ガイドラインの工法に当たる瓦でも一部で脱落や浮き上がりがあったが、被害のない屋根もあった。木造住宅では屋根を支える小屋組の垂木や母屋が飛ばされた例があり、集合住宅では軒天井の脱落も確認された。このほか、飛んできた物による太陽光パネルや車のガラスの破損、石灯籠の倒壊、樹木の折損も見られた。報告は、記述は学術的な調査によるもので、自治体の罹災証明の判定には関係しないと断っている。

救助と生活再建の支援

静岡県は9月5日、静岡市、伊東市、島田市、焼津市、掛川市、藤枝市、御前崎市、菊川市、牧之原市、吉田町の9市1町に災害救助法の適用を決めた。9月10日には、牧之原市と吉田町の全域を、壊れた建物の応急修繕などに建築基準法の規定を適用しない区域とした。9月30日には、全壊した世帯が10以上となった牧之原市に被災者生活再建支援法を適用した(適用日は9月5日)。9月22日時点の全壊世帯は35だった。同法が適用されなかった市町には、県独自の事業で同じ額の支援金を出すとした。 11月28日時点で、災害救助法による住宅の応急修理の受付は緊急修理385件、部分修理281件、借上げ型の応急住宅は62件の受付があり51件が入居した。牧之原市と菊川市は、瓦屋根の復旧に使える耐風改修の事業を実施した。県の災害対策本部は、235か所の避難所がすべて閉じたことなどから、11月28日に廃止された。政府は11月11日、8月5日から9月21日までの豪雨と暴風雨による災害を激甚災害に指定する政令を閣議決定した。静岡新聞によると、牧之原市などの竜巻被害も対象に含まれる。発生から1年となる2026年9月、静岡新聞は、牧之原市で70世帯がみなし仮設住宅での暮らしを続けていると報じた。

審理・経過の流れ

  1. 事件・事故 2025年9月4日
  2. 事件・事故 2025年9月5日 +1日
  3. 事件・事故 2025年9月5日 +0日

経過

  1. 2025年9月4日
    令和7年

    その他 台風第15号が奄美大島の東で発生

    3時に発生

  2. 2025年9月4日
    令和7年

    事件・事故 宮崎県で線状降水帯、記録的な大雨

    都農町で日降水量459.0ミリ

  3. 2025年9月5日
    令和7年

    事件・事故 愛媛・和歌山・愛知に上陸、千葉にも再上陸

    1時半ごろ愛南町付近に上陸、16時半ごろ館山市付近に再上陸

  4. 2025年9月5日
    令和7年

    事件・事故 牧之原市から吉田町にかけて竜巻が発生

    12時50分ごろ。風速約75メートル(JEF3)。県内では計7か所で突風

  5. 2025年9月5日
    令和7年

    その他 静岡県が9市1町に災害救助法を適用

  6. 2025年9月6日
    令和7年

    捜査 気象庁機動調査班が現地調査を開始

    10日まで。静岡・名古屋・横浜・東京の各気象台から派遣

  7. 2025年9月8日
    令和7年

    捜査 気象庁が牧之原市などの突風を竜巻と発表

    牧之原市〜吉田町はJEF3、掛川市はJEF2

  8. 2025年9月10日
    令和7年

    その他 建築基準法の適用除外区域を決定

    牧之原市と吉田町の全域。応急修繕などが対象

  9. 2025年9月12日
    令和7年

    捜査 国総研・建築研究所が建物被害を現地調査

    牧之原市細江地区。報告は10月3日に公表

  10. 2025年9月30日
    令和7年

    その他 牧之原市に被災者生活再建支援法を適用

    適用日は9月5日

  11. 2025年11月11日
    令和7年

    その他 激甚災害を指定する政令を閣議決定

    8月5日から9月21日までの豪雨及び暴風雨による災害

  12. 2025年11月28日
    令和7年

    その他 静岡県が災害対策本部を廃止

    235か所の避難所がすべて解消

  13. 2026年8月28日
    令和8年

    捜査 気象庁などが突風の調査報告書を公表

    1961年以降に国内で発生した竜巻として最大級と評価

出典・公的資料

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豪雨や台風は、気象情報である程度前もって備えられる災害です。自宅周辺の浸水・土砂災害の危険をハザードマップで確かめておくことが勧められています。

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「令和7年台風第15号」事件JP、2026年10月27日閲覧。https://jiken.jp/cases/2025-typhoon-15/
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更新履歴

  • 2026年10月17日 初版公開

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