熊本地震(2026年) 通称: 令和8年熊本地震
この災害は被害状況の調査が続いています。
記述は2026年10月16日時点で確認できた公的資料・報道に基づいており、今後の被害調査により数値などが変わる可能性があります。
2026年(令和8年)7月28日16時27分、熊本県熊本地方を震源とするマグニチュード7.1の地震が発生し、宇城市・八代郡氷川町で最大震度7を観測した。熊本県内での震度7観測は2016年の熊本地震以来10年3か月ぶり。地震直後には嘉島町のイオンモール熊本で爆発が起き、八代市の日本製紙八代工場では煙突が倒壊して建物を直撃するなど、大規模な施設での犠牲が相次いだ。内閣府のまとめ(2026年10月5日時点)では、災害関連死の可能性がある2人を含め死者38人、負傷者376人、住家の全壊2,408棟・半壊7,802棟にのぼり、政府は激甚災害と特定非常災害に指定した。
※イメージ画像(生成AIによる概念イラストであり、実際の現場・関係者を写したものではありません)
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地震の発生
2026年7月28日16時27分、熊本県熊本地方を震源とする深さ16キロ(暫定値)、マグニチュード7.1の地震が発生した。宇城市と八代郡氷川町で震度7を観測したほか、熊本市・八代市・宇土市・美里町・益城町・嘉島町で震度6強を観測するなど、熊本県内の広い範囲で強い揺れとなり、有明・八代海には一時津波注意報が発表された。熊本県内で震度7が観測されたのは、2016年の熊本地震以来10年3か月ぶりで、国内では2024年の能登半島地震以来であった。地震活動はその後も続き、10月5日9時時点で震度3以上の地震が107回(震度5弱が5回、震度4が25回)発生している。地震調査委員会は10月9日公表の9月の地震活動の評価で、平常時より地震発生数の多い状態は当分続くと考えられるとしている。
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被害の規模とインフラへの影響
内閣府のまとめ(2026年10月5日12時時点、消防庁情報)によれば、死者は熊本県で38人(八代市20人、嘉島町7人、氷川町5人、宇城市3人、甲佐町1人、災害による負傷の悪化などで死亡した可能性のある2人)、負傷者は4県で376人(うち重傷43人)、住家被害は全壊2,408棟、半壊7,802棟、一部破損59,394棟にのぼった。9月9日時点(全壊2,249棟・半壊5,535棟・一部破損36,468棟)から、被害の把握が進むにつれて大きく増えている。地震直後には最大約4万8千戸が停電し、4県14自治体で最大約10万8千戸が断水した(水道本管の応急復旧は8月28日に完了)。避難者は最大で9,931人に達し、10月5日時点でも28か所に1,288人が避難していた。交通では、九州新幹線の熊本駅〜新水俣駅間が高架橋の損傷などで不通となり、9月18日に約50日ぶりに全線で運転を再開した。鹿児島本線の宇土駅〜八代駅間について、JR九州は9月24日、10月10日の始発列車から運行を再開すると発表した。八代駅構内ではJR貨物の貨物列車の機関車と貨車が脱線・横転したが、けが人はなかった。
イオンモール熊本の爆発事故
地震発生から約1時間20分後の17時50分ごろ、上益城郡嘉島町のショッピングセンター「イオンモール熊本」で爆発が発生し、建物内に取り残された人の救助活動が陸上自衛隊や消防などによって夜を徹して行われた。この爆発で従業員7人が死亡し、5人が軽傷を負った。イオンモール熊本にはLPガスが供給されており、8月3日・4日に経済産業省や消防などが行った現地調査では、LPガスを起因とする爆発である可能性が高いとの認識で一致した。8月5日にはガスの供給事業者から高圧ガス保安法に基づく事故報告が提出され、経済産業省は、地震で建物内のLPガス配管が損傷してガスが漏れ、滞留したガスに着火した可能性があるものの、原因の特定には至っていないと公表した。イオンは8月20日、外部専門家のみで構成する事故調査委員会を発足させた。経済産業省も原因の究明と再発防止策の検討を高圧ガス保安協会に委託し、同協会の事故調査委員会が9月3日に開かれた。経済産業省は9月11日、不特定多数の人が出入りする建物にガスを供給する事業者に対し、ガス漏れ警報器などを自主的かつ速やかに設置するよう業界団体を通じて要請した。10月5日時点の内閣府のまとめでも、爆発の原因は特定されていない。
日本製紙八代工場の煙突倒壊事故
八代市の日本製紙八代工場では、高さ約80メートルの煙突が中央部分から折れ、隣接する2階建ての建物を直撃した。建物内にいた11人が閉じ込められ、7月30日夕までに全員が救出されたが、日本製紙の社員6人と協力会社の社員3人の計9人が死亡した。この煙突は2016年の熊本地震の後に補強されていた。経済産業省はこれを人的被害を伴う重大な事故とし、関係機関が原因を調べている。日本製紙は9月10日、煙突の損傷・倒壊に至ったメカニズムと原因を科学的・技術的な視点から究明するため、社外の有識者と専門家による被害調査委員会を設置した。9月3日には、同工場で110メートル煙突の撤去作業中に火災が発生したが、人的被害はなかった。
産業・サプライチェーンへの影響
ホンダは、二輪車を生産する熊本製作所(大津町)で地震当日の夕方から生産を休止し、完成車の生産再開は8月24日となった。さらに部品の取引先の工場が被災して部品調達に支障が出たことから、埼玉製作所(埼玉県)と鈴鹿製作所(三重県)の四輪車工場も8月5日・6日から生産を止め、当初は7日までとしていた休止期間を19日まで延長した。
2016年熊本地震との関連
地震調査委員会は地震翌日の7月29日、今回の地震活動は日奈久断層帯の3つの区間(高野-白旗区間、日奈久区間、八代海区間)のうち主に高野-白旗区間と日奈久区間に沿って分布しており、M7.1の震源断層(長さ約30キロ)は日奈久区間の北東部と高野-白旗区間の一部に及んでいると考えられるとの評価を公表した。8月12日の評価では、震源断層は長さ30〜40キロ程度の横ずれを主とする北西傾斜の断層と推定され、日奈久断層帯の高野-白旗区間や日奈久区間の北東部などで地表地震断層が確認されて、氷川町付近では最大約2メートルの右横ずれ変位が生じたとされた。同委員会は以前から、日奈久区間の30年以内の地震発生確率を「S*ランク(高い)」と評価していた。今回の地震活動域の北東には2016年の熊本地震の地震活動域があり、熊本県阿蘇地方から今回の活動域を含む領域では、2016年の地震以前に比べて地震活動が活発な状態が続いていたとしている。
政府の対応
政府は地震当日、熊本県の21市町村に災害救助法の適用を決定した。高市早苗首相は8月3日に被災地を視察し、激甚災害と特定非常災害に指定する方針と、2026年度予算の予備費から200億円を超える支出を行う方針を表明した。激甚災害と特定非常災害の指定はいずれも8月7日に閣議決定され、同日公布・施行された。激甚災害については、9月15日に公共土木施設の災害復旧事業への特別の財政援助など新たな措置を追加指定する政令が閣議決定された(9月17日公布・施行)。予備費は8月4日に242億円、8月28日には「被災者の生活となりわい支援のためのパッケージ」の実行のため1,478億円の使用が閣議決定された。9月4日には首相官邸で第1回の令和8年熊本地震非常災害復旧復興本部が開かれた。防衛省は陸上自衛隊第8師団を中心に災害派遣を行い、7月31日時点で約5,100人態勢で活動した。イオンモール熊本での捜索には海上自衛隊の災害救助犬も投入されたほか、避難所向けにクーラー約300台を輸送し、防衛省がPFI方式で確保している民間船舶「はくおうⅡ」を八代港に入れて医療提供や入浴支援を行った。自衛隊は9月13日、熊本県知事からの撤収要請を受けてすべての活動を終えた。
経過
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2026年7月28日
令和8年
事件・事故
本震(M7.1)が発生
宇城市・氷川町で最大震度7を観測した。
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2026年7月28日
令和8年
その他
イオンモール熊本で爆発
嘉島町のイオンモール熊本で爆発が起き、従業員7人が死亡した。
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2026年7月28日
令和8年
その他
日本製紙八代工場で煙突が倒壊
高さ約80メートルの煙突が2階建て建物を直撃した。
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2026年7月30日
令和8年
その他
日本製紙八代工場での救助完了
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2026年8月3日
令和8年
その他
政府が激甚災害・特定非常災害指定の方針を表明
首相が被災地を視察し、予備費から200億円超を支出する方針も示した。
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2026年8月7日
令和8年
その他
激甚災害・特定非常災害に指定(閣議決定)
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2026年8月28日
令和8年
その他
予備費1,478億円の使用を閣議決定
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2026年9月4日
令和8年
その他
第1回非常災害復旧復興本部を開催
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2026年9月13日
令和8年
その他
自衛隊が災害派遣の活動を終了
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2026年9月17日
令和8年
その他
激甚災害の追加指定の政令を公布・施行
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2026年9月18日
令和8年
その他
九州新幹線が全線で運転再開
不通となっていた熊本駅〜新水俣駅間が約50日ぶりに再開した。
出典・公的資料
一次資料 6件
判決文・白書・調査報告書・法令など、原典にあたれる資料を掲載しています。
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◆調査報告書
気象庁 2026年8月10日発行
発生日時・震源・マグニチュード・震度を確認
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◆調査報告書
内閣府(防災情報のページ) 2026年7月29日発行
被害状況の速報値を確認(数値は今後変わりうる旨の記載あり)
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その他
NHK 2026年7月28日発行
イオンモール熊本(嘉島町)での爆発の第一報を確認
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その他
共同通信 2026年8月5日発行
日本製紙八代工場の煙突倒壊と死者9人の内訳を確認
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公的発表・広報
首相官邸 2026年7月29日発行
首相会見(7月29日時点の被害状況と救命・救助の方針)を確認
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その他
日本経済新聞 2026年8月3日発行
ホンダの四輪車工場の停止(部品取引先の被災による)を確認
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◆調査報告書
内閣府 2026年10月5日発行
人的・住家被害(10月5日時点)、停電・断水、避難者数、地震回数、鉄道の被害と再開予定、イオンモール熊本の爆発原因の調査状況、激甚災害(追加指定を含む)・特定非常災害の指定、自衛隊の活動と撤収を確認
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◆調査報告書
地震調査研究推進本部 地震調査委員会 2026年7月29日発行
震源断層(日奈久断層帯の日奈久区間北東部・高野-白旗区間の一部、長さ約30キロ)の評価を確認
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その他
日本経済新聞 2026年8月3日発行
激甚災害・特定非常災害の指定方針と予備費の支出方針を確認
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公的発表・広報
本田技研工業 2026年8月20日発行
熊本製作所の生産休止と再開、四輪車工場の停止期間(8月19日まで)を確認
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その他
日本経済新聞 2026年9月18日発行
九州新幹線の全線での運転再開を確認
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公的発表・広報
経済産業省 2026年8月5日発行
イオンモール熊本の爆発の発生時刻(17時50分頃)、死傷者数、LPガス配管の損傷による可能性と原因が未特定であることを確認
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◆調査報告書
地震調査研究推進本部 地震調査委員会 2026年8月12日発行
震源断層の長さ(30〜40km程度)と地表地震断層・氷川町付近の右横ずれ変位を確認
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◆調査報告書
地震調査研究推進本部 地震調査委員会 2026年10月9日発行
9月の地震回数と、地震発生数の多い状態が当分続くとの評価を確認
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その他
日本製紙 2026年7月31日発行
八代工場の死者9人の内訳(社員6人・協力会社社員3人)を確認
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その他
日本製紙 2026年9月10日発行
煙突倒壊の原因究明のための被害調査委員会の設置を確認
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その他
日本製紙 2026年9月3日発行
9月3日の煙突撤去作業中の火災と人的被害なしを確認
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その他
九州旅客鉄道 2026年9月24日発行
10月10日始発からの運行再開の発表を確認
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公的発表・広報
財務省 2026年8月28日発行
総額1,478億円の予備費使用の閣議決定を確認
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公的発表・広報
財務省 2026年8月4日発行
総額242億円の予備費使用の閣議決定を確認
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公的発表・広報
首相官邸 2026年9月4日発行
9月4日の第1回非常災害復旧復興本部の開催を確認
この記事を引用する
レポート・記事などで本ページを参照する際は、以下の表記をご利用ください。一次資料までたどる方法は調べ学習・レポートでの使い方をご覧ください。
「熊本地震(2026年)」事件JP、2026年10月27日閲覧。https://jiken.jp/cases/2026-kumamoto-earthquake/
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更新履歴
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2026年10月16日
被害状況を内閣府の10月5日時点のまとめに更新。イオンモール熊本の爆発時刻を訂正し、日本製紙八代工場の死者の内訳を会社発表に合わせた。原因調査・激甚災害の追加指定・予備費・自衛隊の撤収などを追記
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2026年10月1日
事実精度監査:イオンモール熊本の所在地(宇城市→嘉島町)と爆発時刻を訂正、被害数値を内閣府の9月9日時点のまとめに更新、震源断層について地震調査委員会の評価と異なっていた「割れ残り」の記述を訂正、ホンダの生産停止期間を訂正、特定非常災害の指定と九州新幹線の再開を追記
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2026年8月11日
初版公開
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