和歌山小5男児殺害事件 通称: 紀の川市小5殺害事件

結末 2019年7月、大阪高裁が完全責任能力を認めたうえで改めて懲役16年とし、刑が確定した

発生日 2015年2月5日(平成27年) 2015年(平成27年)の事件 / 2月5日に起きた事件
経過 発生から11年8か月 2019年7月1日の確定から7年3か月
発生場所 和歌山県 紀の川市(後田)
種別 殺人
状態 判決確定
被害 死者 1人
2015年(平成27年)2月5日午後、和歌山県紀の川市の住宅街の空き地で、市立小学校5年の男児(当時11歳)が、近所に住む男(当時22歳)に刃物で刺されて死亡した事件。男は殺人などの罪で起訴された。和歌山地裁の裁判員裁判は2017年3月、心神耗弱を認めて懲役16年とした。大阪高裁は2019年7月、一審判決を破棄して完全責任能力を認めたうえで、改めて懲役16年を言い渡し、同月に確定した。遺族への約4400万円の賠償を命じた民事判決も確定しているが、支払われていないと報じられている。
和歌山小5男児殺害事件を象徴する概念イラスト
※イメージ画像(生成AIによる概念イラストであり、実際の現場・関係者を写したものではありません)
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事件の経過

2015年(平成27年)2月5日午後4時14分ごろ、和歌山県紀の川市後田の住宅街の空き地で、紀の川市立名手小学校5年の男児(当時11歳)が、近所に住む男(当時22歳)に刃物で襲われた。現場はJR和歌山線名手駅の南約800メートルで、男児の自宅の近くだった。 「男に胸を刺された」と近所の住民から110番があり、男児は病院に運ばれたが、死亡した。大阪高裁の判決によると、男は持っていた鉈(なた)のような刃物(刃の長さ約48.2センチ)で男児を刺すなどし、同日午後7時5分ごろ、搬送先の病院で心臓の刺し傷による失血で死亡させた。 和歌山県警は約100人の態勢で捜査を始め、通学路の警備も強めた。紀の川市教育委員会は5日夜に緊急の校長会を開き、市内の小学校は6日以降、集団登校などの対応を取った。
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逮捕と起訴

県警岩出署の捜査本部は翌6日、現場の近くに住む男を殺人の疑いで逮捕し、8日に送検した。男は当初、容疑を否認していた。 男は殺人と銃砲刀剣類所持等取締法違反の罪で起訴された。起訴の前には精神鑑定が行われ、検察は公判前の段階で、男が犯行当時に心神耗弱の状態だったと主張していた。

一審:心神耗弱を認めて懲役16年

和歌山地裁の裁判員裁判は2017年3月6日に始まった。男は初公判で「違います。全部違います。」と述べたが、弁護人との打ち合わせのための休廷をはさんで「認めます。」と述べた。その後の公判でも、否認と認める発言を繰り返した。 3月21日の論告で、検察は懲役25年を求刑した。和歌山地裁は同年3月、男が統合失調症または妄想性障害による被害妄想の影響で心神耗弱の状態にあったと認め、懲役16年を言い渡した。検察と男の双方が控訴した。

控訴審:完全責任能力を認めて改めて懲役16年

大阪高裁は控訴審で改めて精神鑑定を行った。その結果、男は自閉スペクトラム症(重症度はレベル1)と診断された。結審後の2019年6月3日に男が控訴取下書を出したが、高裁は「自己の権利を守る能力が著しく制限された状態で行われた疑いが否定できず」として、取り下げは無効と判断した。 2019年7月16日、大阪高裁(和田真裁判長)は一審判決を破棄した。判決は、男が自閉スペクトラム症の影響で、男児を自分に嫌がらせをする悪人と思い込み、その憤りを晴らすために殺害したと認定した。そのうえで、殺害が違法だと理解する能力も、自分の行動を制御する能力も保たれていたとして、完全責任能力を認めた。 量刑については、「被害者に落ち度は認められず」、抵抗しない男児を大型の刃物で何度も刺し、切り付けた態様は残忍だと指摘した。一方、同種の事件の量刑傾向や、一審が裁判員を含む判断だったことも考え、改めて一審と同じ懲役16年を言い渡した。この判決は2019年7月に確定した。判決後、男児の父親は「完全責任能力を認めたことには感謝したい」としつつ、「量刑には納得できない」と述べた。

支払われない賠償

遺族は男に損害賠償を求めて提訴し、和歌山地裁は2018年8月末、約4400万円の支払いを命じた。この判決は確定したが、報道によると賠償金は支払われていない。2019年の関西テレビの報道は、犯罪被害者の遺族に賠償金を立て替える兵庫県明石市のような条例は、和歌山県にも紀の川市にもないと伝えている。 男は服役している。父親は、刑務所を通じて受刑者に思いを伝える「心情伝達制度」を使って気持ちを伝え、その後、受刑者との面会や手紙のやり取りにつながったと報じられている。事件から11年が過ぎた2026年8月の時点でも、納得のいく謝罪はなく、賠償金も支払われていないという。

審理・経過の流れ

  1. 事件・事故 2015年2月5日
  2. 逮捕 2015年2月6日 +1日
  3. 判決 2017年3月 +754日
  4. 公判 2017年3月6日 +5日
  5. 公判 2017年3月21日 +15日
  6. 判決 2019年7月16日 +847日

経過

  1. 2015年2月5日
    平成27年

    事件・事故 紀の川市の住宅街の空き地で小学5年の男児が刺され死亡

    死者1人。近所に住む男が刃物で刺すなどした(大阪高裁の認定)

  2. 2015年2月6日
    平成27年

    逮捕 近所に住む男を殺人の疑いで逮捕

    県警岩出署の捜査本部が逮捕。8日に送検

  3. 2017年3月
    平成29年

    判決 和歌山地裁が心神耗弱を認めて懲役16年の判決

    検察と男の双方が控訴

    和歌山地方裁判所

  4. 2017年3月6日
    平成29年

    公判 和歌山地裁で裁判員裁判の初公判

    男は否認したあと、休廷をはさんで起訴内容を認めた

    和歌山地方裁判所

  5. 2017年3月21日
    平成29年

    公判 検察が懲役25年を求刑

    和歌山地方裁判所

  6. 2018年8月
    平成30年

    その他 民事訴訟で和歌山地裁が約4400万円の賠償を命じる

    判決は確定したが、賠償金は支払われていないと報じられている

    和歌山地方裁判所

  7. 2019年7月
    令和元年

    その他 懲役16年の判決が確定

  8. 2019年7月16日
    令和元年

    判決 大阪高裁が一審判決を破棄し、完全責任能力を認めて改めて懲役16年

    男が出した控訴の取り下げは無効と判断した

    大阪高等裁判所 (事件番号: 平成29年(う)第547号)

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「和歌山小5男児殺害事件」事件JP、2026年10月28日閲覧。https://jiken.jp/cases/2015-wakayama-kinokawa-boy-murder/
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更新履歴

  • 2026年10月27日 初版公開

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