熊谷連続殺人事件

結末 2019年12月、東京高裁が責任能力の低下を認めて一審の死刑を破棄し、無期懲役とした判決がその後確定

発生日 2015年9月14日(平成27年) 2015年(平成27年)の事件 / 9月14日に起きた事件
経過 発生から11年1か月 2019年12月5日の確定から6年10か月
発生場所 埼玉県 熊谷市
種別 殺人
状態 判決確定
被害 死者 6人  負傷者 0人
2015年(平成27年)9月14日と16日の2日間、埼玉県熊谷市で、任意同行先から逃走したペルー国籍の男(当時30歳)が、住宅3軒を襲い、夫婦や高齢女性、母子ら6人を殺害した。男は一審で死刑判決を受けたが、控訴審で統合失調症による責任能力の低下が認められ、無期懲役が確定した。
熊谷連続殺人事件を象徴する概念イラスト
※イメージ画像(生成AIによる概念イラストであり、実際の現場・関係者を写したものではありません)
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事件の経過

2015年9月13日、群馬県伊勢崎市の工場で働いていたペルー国籍の男(当時30歳)が、埼玉県熊谷市内の民家の敷地に侵入したとして住民から通報を受け、任意同行された熊谷警察署で事情聴取を受けていたが、休憩中に警察官の隙をついて逃走した。男は逃走翌日の9月14日、熊谷市内の住宅で50代の夫婦(男性55歳・女性53歳)を殺害したのを皮切りに、9月16日には84歳の女性を、続けて同日、41歳の母親とその娘(10歳・7歳)を殺害し、2日間で計6人が犠牲になった。同日午後5時半すぎ、住宅の2階から転落したところを埼玉県警の捜査員が身柄を確保した。
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裁判の経過

男は殺人罪などに問われ、2018年3月9日、さいたま地方裁判所は求刑通り死刑を言い渡した。しかし弁護側の控訴を受けた東京高等裁判所は2019年12月5日、男が犯行当時、統合失調症の影響により是非弁別能力や行動制御能力が著しく低下していたと認定し、刑事責任能力が限定的だったとして一審判決を破棄し、無期懲役を言い渡した。この判決はその後確定した。任意同行中の容疑者を取り逃がしたことが被害拡大につながったとして、警察の身柄管理の甘さが批判の対象となり、遺族からは長年にわたり経済的支援や見守りの継続を求める声が上がっている。男の家庭環境は複雑で、父親による暴力や兄からの虐待を受けて育ったとされ、母国ペルーでは実の兄が2000年代に多数の殺人を重ねた凶悪犯として服役していることも明らかになった。男自身も来日後に精神的な不調を訴えるようになっていたと関係者は証言しており、裁判では、こうした生育環境や精神状態が犯行に与えた影響の程度が大きな争点となった。二審判決では、統合失調症の発症時期や犯行との因果関係について複数の精神科医の鑑定意見が対立し、最終的に責任能力の限定を認める判断が示されたことで、量刑が死刑から無期懲役へと大きく変わる結果となった。一審と二審で結論が分かれたこと自体が、精神鑑定の評価をめぐる裁判所の判断の難しさを社会に印象づけ、重大事件における責任能力の認定基準のあり方を考えさせる事例として、その後も法曹関係者の間で参照され続けている。

警察の情報提供をめぐる国家賠償訴訟

事件で妻と娘2人を殺害された男性は、埼玉県警が男を不審人物として把握し、最初の夫婦殺害事件の犯人である疑いも持っていたのに、地域住民に適時に情報を提供する義務を怠ったため事件を防げなかったとして、埼玉県に国家賠償を求めて提訴した。男性は控訴審で、男が9月13日に財布やパスポート、携帯電話などを置いたまま熊谷警察署から逃走し、その後約2時間以内に警察署から約500メートルの地点などで住居侵入事件が起きていたことなどから、県警は男の危険性を把握しており、防災無線やパトカーでのアナウンスで住民に知らせるべきだったと主張した。しかし一審のさいたま地裁は請求を棄却し、2023年6月27日、東京高等裁判所(森英明裁判長)も控訴を棄却した。

審理・経過の流れ

  1. 事件・事故 2015年9月14日
  2. 逮捕 2015年9月16日 +2日
  3. 判決 2018年3月9日 +905日
  4. 判決 2019年12月5日 +636日
  5. 判決 2023年6月27日 +1,300日

経過

  1. 2015年9月14日
    平成27年

    事件・事故 住宅で夫婦らが殺害される

    2日間で計6人が死亡。

  2. 2015年9月16日
    平成27年

    逮捕 身柄を確保

  3. 2018年3月9日
    平成30年

    判決 さいたま地方裁判所が死刑判決

    さいたま地方裁判所

  4. 2019年12月5日
    令和元年

    判決 東京高等裁判所の無期懲役判決が確定

    責任能力の限定を認め一審破棄。

    東京高等裁判所

  5. 2023年6月27日
    令和5年

    判決 遺族の国家賠償請求で東京高裁が控訴棄却

    埼玉県警の情報提供義務違反を主張した遺族の請求を退けた一審判決を維持した。

    東京高等裁判所

出典・公的資料

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「熊谷連続殺人事件」事件JP、2026年10月31日閲覧。https://jiken.jp/cases/2015-kumagaya-serial-murder/
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更新履歴

  • 2026年10月3日 一次資料補強:遺族による国家賠償訴訟の東京高裁判決(裁判所ウェブサイト)を出典に追加し、警察の情報提供をめぐる訴訟の経過と結果(2023年6月27日控訴棄却)を追記
  • 2026年9月24日 本文の殺害日付を訂正(夫婦殺害9/13→9/14、84歳女性殺害9/14→9/16)、出典type分類を訂正
  • 2026年7月17日 初版公開

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