広島小1女児殺害事件

結末 2010年8月、差し戻し後の広島高裁が一審を維持した男の無期懲役判決が、上告期限の経過により確定

発生日 2005年11月22日(平成17年) 2005年(平成17年)の事件 / 11月22日に起きた事件
経過 発生から20年11か月 2010年8月12日の確定から16年2か月
発生場所 広島県 安芸区
種別 殺人
状態 判決確定
被害 死者 1人
広島市で小学1年の女児が下校途中に殺害され、遺体が段ボール箱に入れられた状態で発見された事件。
広島小1女児殺害事件を象徴する概念イラスト
※イメージ画像(生成AIによる概念イラストであり、実際の現場・関係者を写したものではありません)

事件の経過

2005年11月22日、広島市安芸区で、下校途中の小学1年の女児(7歳)が行方不明になり、同日、段ボール箱に入れられた遺体が見つかった。広島地裁の判決によれば、男は同日午後0時50分ごろから1時40分ごろまでの間、自分が住んでいたアパートとその付近で、女児にわいせつな行為をするとともに、殺意をもって首を片手で絞めるなどして窒息死させた。そのうえで遺体を段ボール箱に入れて黒いビニールテープで梱包し、近くの空き地まで運んで放置した。

逮捕までの経緯

同月30日、ペルー国籍の30歳の男が逮捕された。判決によれば、男は2004年4月18日に有効な旅券を持たずに名古屋空港から入国し、事件当時まで広島市内に不法に在留していた。子どもが日常的な通学路で犠牲になったことから、登下校時の子どもの安全確保をめぐり、全国的に大きな議論を呼んだ。

裁判とその後の影響

男は強制わいせつ致死、殺人、死体遺棄、出入国管理及び難民認定法違反の罪に問われ、殺害については無罪を主張した。2006年7月4日、広島地方裁判所(岩倉広修裁判長)は検察側の死刑求刑に対し、無期懲役を言い渡した。検察・被告の双方が控訴し、広島高等裁判所は2008年12月9日、犯行場所を明らかにするために必要な検察官調書を一審が取り調べなかったことは訴訟手続の法令違反にあたるとして、一審判決を破棄して広島地裁に差し戻した。しかし最高裁判所は2009年10月16日、この高裁判決を破棄して広島高裁に審理を差し戻し、2010年7月28日、差し戻し後の広島高裁は検察・被告双方の控訴を棄却して、無期懲役の一審判決が維持された。この事件は、通学路の防犯対策や地域住民による見守り活動、学校と保護者・警察の連携強化など、子どもの安全対策を全国的に見直す契機となった。

相次いだ児童対象の事件と社会の反応

事件から間もない同年12月には栃木県今市市(現・日光市)でも小学1年の女児が殺害される事件が発生し、児童を狙った事件が相次いだことへの不安が全国に広がった。当時、複数の自治体首長が「どのまちで起きてもおかしくない」といった趣旨の発言をするなど、地方自治体の間でも防犯意識が急速に高まった。事件から20年が経過した現在も、地域では見守り活動や安全教育が継続されている。

在留資格をめぐる問題

逮捕された男は、有効な旅券を持たずに入国し、不法に在留したまま国内で生活していたことが判明した。外国人の入国・在留管理のあり方も、事件後の議論の中で取り上げられた。

見守り活動の広がり

事件後、地域住民による登下校時の見守り活動やパトロールが全国的に広がり、防犯ボランティアの取り組みが各地で活発化した。

審理・経過の流れ

  1. 事件・事故 2005年11月22日
  2. 逮捕 2005年11月30日 +8日
  3. 判決 2006年7月4日 +216日
  4. 判決 2008年12月9日 +889日
  5. 判決 2009年10月16日 +311日
  6. 判決 2010年7月28日 +285日
  7. 判決 2010年8月12日 +15日

経過

  1. 2005年11月22日
    平成17年

    事件・事故 小学1年の女児が下校途中に殺害される

    遺体は段ボール箱に入れられた状態で発見された。

  2. 2005年11月30日
    平成17年

    逮捕 殺人容疑で男が逮捕される

  3. 2006年7月4日
    平成18年

    判決 広島地裁が無期懲役の判決(求刑死刑)

    広島地方裁判所

  4. 2008年12月9日
    平成20年

    判決 広島高裁が一審判決を破棄し差し戻し

    検察官調書を取り調べなかった一審の手続を違法とした。

    広島高等裁判所

  5. 2009年10月16日
    平成21年

    判決 最高裁が高裁判決を破棄し広島高裁に差し戻し

    最高裁判所

  6. 2010年7月28日
    平成22年

    判決 差し戻し後の広島高裁が双方の控訴を棄却

    無期懲役の一審判決が維持された。

    広島高等裁判所

  7. 2010年8月12日
    平成22年

    判決 差し戻し控訴審(広島高裁)の無期懲役判決が確定

    2010年7月28日、広島高裁は差し戻し控訴審で一審の無期懲役判決を支持し、検察・被告側双方の控訴を棄却。上告期限経過により2010年8月12日に確定した。

    広島高等裁判所

出典・公的資料

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「広島小1女児殺害事件」事件JP、2026年11月2日閲覧。https://jiken.jp/cases/2005-hiroshima-girl-murder/

更新履歴

  • 2026年10月3日 一次資料補強:広島地裁・広島高裁の判決文3件(裁判所ウェブサイト)を出典に追加し、犯行の時刻・場所・態様、遺体の遺棄場所(路上→空き地)、入国の経緯(有効な旅券を持たない不法入国)を判決に基づき訂正、差し戻しを重ねた裁判の経過と日付を追記
  • 2026年9月26日 無期懲役確定の審級・裁判所名を訂正(最高裁が確定させたとする誤りを修正、実際は広島高裁の差し戻し控訴審)

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