中野市4人殺害事件 通称: 長野4人殺害事件

現在 2025年10月、長野地裁が求刑どおり死刑を言い渡したが、弁護側が心神耗弱を理由に控訴し、東京高裁で審理を待っている

この事件は公判中です。 判決が確定していない被告人・被疑者は、有罪判決が確定するまで無罪と推定されます。記述は2026年10月23日時点で確認できた公的資料・報道に基づいており、今後の審理により変わる可能性があります。

発生日 2023年5月25日(令和5年) 〜 2023年5月26日 2023年(令和5年)の事件 / 5月25日に起きた事件
経過 発生から3年5か月
発生場所 長野県 中野市
種別 殺人
状態 公判中
被害 死者 4人
  • 事件が変えた法律・制度所持許可を受けたハーフライフル銃が使われたことを受け、2024年の銃刀法改正でハーフライフル銃の所持許可がライフル銃並みに厳格化された。
2023年5月25日夕、長野県中野市江部で、近くに住む女性2人がナイフで刺されて殺害され、通報を受けて駆け付けた中野警察署の警察官2人もハーフライフル銃で撃たれるなどして殺害された事件。男は自宅に立てこもり、翌朝に投降して逮捕された。長野地裁は2025年10月、完全責任能力を認めて死刑を言い渡し、弁護側が控訴した。事件は、ハーフライフル銃の所持許可を厳しくした2024年の銃刀法改正の理由の一つになった
中野市4人殺害事件を象徴する概念イラスト
※イメージ画像(生成AIによる概念イラストであり、実際の現場・関係者を写したものではありません)
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事件の発生

長野地裁の判決によると、2023年5月25日午後4時20分ごろ、長野県中野市江部の市道と畑で、農業の男(当時31歳)が、市道を歩いてきた近くに住む70歳と66歳の女性2人をナイフで刺して殺害した。畑にいた近隣住民がこれを目撃し、午後4時26分ごろ110番通報した。 午後4時37分ごろ、男は、通報を受けて駆け付け、現場近くに止めた車両の中にいた中野警察署地域課の警察官2人に向けて、所持許可を受けていたハーフライフル銃を発砲した。運転席の巡査部長(61歳)は撃たれて死亡し、助手席の警部補(46歳)も撃たれたうえナイフで刺されて死亡した。2人はいずれも殉職により2階級特進した。
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立てこもりと逮捕

男は犯行後、自宅の敷地に戻って立てこもった。自宅には母親とおばがいたが、2人とも25日夜から未明にかけて逃げ出し、警察に保護された。長野県警は中野署に約100人態勢の捜査本部を置き、警視庁も立てこもり事件の対処に詳しい捜査1課の特殊班を派遣した。 判決によると、男は翌26日午前4時37分ごろ、自宅を出て投降し、任意同行に応じたあとに逮捕された。逮捕の直後、男は「被害者の女性に悪口を言われたと思って殺した。射殺されると思ったので駆けつけた警察官も殺した」という趣旨の供述をしていたと、NHKが捜査関係者への取材として報じた。

猟銃の所持許可

判決によると、男は2014年に狩猟免許を取得し、2015年以降に散弾銃などの所持許可を受けたうえ、2019年2月に事件で使ったハーフライフル銃の所持許可を受け、2021年7月に更新していた。免許や許可の取得・更新の際には、合計7回、3人の精神科医の診察を受け、そのたびに精神疾患はないと診断されていた。 警察庁は国会で、事件に使われた猟銃は2年以上使われていなかったと説明した。ハーフライフル銃は散弾銃より射程が長く、国家公安委員長は、男がこの銃を持って立てこもったため警察の対処が非常に困難になったと答弁している。

起訴と一審の死刑判決

長野地検は3か月の鑑定留置を経て、2023年11月16日、男を殺人と銃刀法違反(許可銃砲の発射制限違反)の罪で起訴した。2025年9月4日に長野地裁で始まった裁判員裁判で、男は起訴内容について「黙秘します」と述べ、弁護側は心神耗弱を主張して刑事責任能力を争った。検察側は死刑を求刑した。 長野地裁(坂田正史裁判長)は2025年10月14日、求刑どおり死刑を言い渡した。判決は、起訴前の精神鑑定を採用し、男は近所の女性2人から悪口を言われているという妄想を抱いていたが、妄想は殺害の動機を形成する要因になったにとどまり、警察官2人の殺害には直接影響していないと判断した。そのうえで、善悪を判断し行動をコントロールする能力を問題なく保っており、完全責任能力があったと認定した。弁護側が依拠した起訴後の鑑定は「信頼性がなく、判断の基礎とし得るものではない」とした。

銃刀法の改正と警察の対策

事件を受け、ハーフライフル銃の規制が強められた。2024年6月7日に全会一致で成立した改正銃刀法(令和6年法律第48号)は、ハーフライフル銃にライフル銃と同じ所持許可の基準を適用し、許可を受けた用途に2年以上使っていない猟銃の許可を取り消せるようにした(従来は3年)。令和6年版の警察白書は、この事件を通じて射程の長いハーフライフル銃が犯罪に悪用された場合の危険性が明らかになったと記している。改正は、自作の銃が使われた安倍元首相の銃撃事件も踏まえたもので、ハーフライフル銃の規制などは2025年3月1日に施行された。 長野県警本部長は2024年2月の県議会で、事件を受けて、訓練の実施、防弾盾などの対銃器装備と通信指令の強化、交番の安全対策の3点を強化していると答弁した。

控訴審

弁護人は2025年10月27日、被告に心神耗弱があったことを理由に東京高裁へ控訴した。時事通信によると、被告は判決の直後には控訴しない意向を示していたが、控訴には賛同したという。2026年5月の時点で、控訴審の公判期日は決まっていなかった。死刑判決は確定していない。

審理・経過の流れ

  1. 事件・事故 2023年5月25日
  2. 逮捕 2023年5月26日 +1日
  3. 起訴 2023年11月16日 +174日
  4. 公判 2025年9月4日 +658日
  5. 公判 2025年9月24日 +20日
  6. 判決 2025年10月14日 +20日
  7. 公判 2025年10月27日 +13日

経過

  1. 2023年5月25日
    令和5年

    事件・事故 中野市江部で女性2人と警察官2人が殺害され、男が自宅に立てこもる

    女性2人はナイフで、警察官2人はハーフライフル銃などで殺害された

  2. 2023年5月26日
    令和5年

    逮捕 男が自宅を出て投降し、殺人の疑いで逮捕

    午前4時37分ごろ投降

  3. 2023年8月9日
    令和5年

    捜査 刑事責任能力を調べるため鑑定留置

    11月8日まで

  4. 2023年11月16日
    令和5年

    起訴 長野地検が殺人と銃刀法違反の罪で起訴

  5. 2024年6月7日
    令和6年

    その他 改正銃刀法が成立、ハーフライフル銃の所持許可を厳格化

    令和6年法律第48号。ハーフライフル銃の規制などは2025年3月1日施行

  6. 2025年9月4日
    令和7年

    公判 長野地裁で裁判員裁判の初公判

    被告は「黙秘します」と述べ、弁護側は責任能力を争った

    長野地方裁判所 (事件番号: 令和5年(わ)第164号)

  7. 2025年9月24日
    令和7年

    公判 検察側が死刑を求刑

    長野地方裁判所 (事件番号: 令和5年(わ)第164号)

  8. 2025年10月14日
    令和7年

    判決 長野地裁が死刑判決、完全責任能力を認定

    求刑どおり

    長野地方裁判所 (事件番号: 令和5年(わ)第164号)

  9. 2025年10月27日
    令和7年

    公判 弁護側が東京高裁に控訴

    心神耗弱を理由とする

出典・公的資料

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「中野市4人殺害事件」事件JP、2026年10月28日閲覧。https://jiken.jp/cases/2023-nakano-four-murders/
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更新履歴

  • 2026年10月23日 初版公開

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