宝塚ボーガン殺傷事件 通称: 宝塚クロスボウ4人殺傷事件

結末 2025年11月、神戸地裁の無期懲役判決(求刑は死刑)が、検察・弁護側とも控訴せず確定

発生日 2020年6月4日(令和2年) 2020年(令和2年)の事件 / 6月4日に起きた事件
経過 発生から6年4か月 2025年11月17日の確定から11か月
発生場所 兵庫県 宝塚市
種別 殺人
状態 判決確定
被害 死者 3人  負傷者 1人
  • 事件が変えた法律・制度本事件を機に兵庫県が全国初のボーガン適正管理条例を施行し、2021年の改正銃刀法でクロスボウが許可制となった。
2020年(令和2年)6月4日午前10時15分ごろ、兵庫県宝塚市のアパートで、当時23歳の男が同居する祖母・弟・別居中の母をクロスボウ(ボーガン)で射殺し、駆け付けた伯母にも重傷を負わせた。男は殺人未遂の現行犯で逮捕された。事件を受け兵庫県は同年12月、ボーガンの所有に届出を義務付ける条例を施行し、2022年には所持を都道府県公安委員会の許可制とする改正銃刀法が施行された。神戸地裁は2025年10月31日に無期懲役を言い渡し、同年11月17日に判決が確定した。
宝塚ボーガン殺傷事件を象徴する概念イラスト
※イメージ画像(生成AIによる概念イラストであり、実際の現場・関係者を写したものではありません)
スポンサーリンク

事件の経過

2020年(令和2年)6月4日午前10時15分ごろ、兵庫県宝塚市のアパートで、当時23歳の男(自称大学4年生)が、同居していた祖母(75)と弟(22)、別居中の母(47)をクロスボウ(ボーガン)で射殺し、駆け付けた伯母(50)にも矢を放って重傷を負わせた。近隣住民は男について「普段はおとなしいが、スイッチが入ると気性が激しくなった」と話していたと伝えられている。兵庫県警は現場に駆け付け、殺人未遂の現行犯で男を逮捕した。矢は市販のクロスボウから発射されたもので、当時ボーガンは銃刀法の規制対象外であり、通信販売等で誰でも入手できる状態だった。
スポンサーリンク

クロスボウ規制と銃刀法改正

事件翌日の6月5日、兵庫県はボーガンを青少年愛護条例の有害玩具類に緊急指定した。さらに、弦を引く力が30ポンド以上のボーガンの所有に届出を義務付け、違反に罰則を科す「ボーガンの安全な使用及び適正な管理の確保に関する条例」を制定し、同年10月6日に公布、12月1日に施行した。国も対応を急ぎ、警察庁は有識者検討会を設置してクロスボウと洋弓・和弓との威力比較や規制のあり方を検討した。検討会資料には、兵庫県の地域安全まちづくり審議会が2020年8月6日付でまとめた答申の中で「ボーガンは元々は武器で殺傷能力があり、それを凶器とした事件が全国で発生しているものの、銃刀法の規制対象にはなっていない」と指摘した経緯が記録されている。これを踏まえ2021年6月16日に銃砲刀剣類所持等取締法の一部を改正する法律が公布され、2022年3月15日に施行、クロスボウの所持は都道府県公安委員会の許可制となった。無許可所持は3年以下の懲役または50万円以下の罰金の対象となる。

裁判の経過

男は鑑定留置を経て、2021年1月22日に殺人などの罪で起訴された。2022年10月11日に予定されていた初公判を含む公判日程は、被告の心身の状態が悪化して治療が必要と診断されたため、同年9月28日にすべて取り消された。初公判直前に日程が白紙になるのは異例とされる。その後、裁判員裁判の初公判は2025年9月25日に開かれ、10月15日の論告求刑公判で検察側は死刑を求刑、弁護側は懲役25年を主張して結審した。同年10月31日、神戸地方裁判所は無期懲役を言い渡した。判決は、被告に自閉スペクトラム症の診断があり動機の形成に一定の影響を及ぼしたと認めつつ、完全な刑事責任能力を認定した。検察・弁護側とも控訴期限までに控訴せず、判決は2025年11月17日に確定した。

審理・経過の流れ

  1. 事件・事故 2020年6月4日
  2. 逮捕 2020年6月4日 +0日
  3. 起訴 2021年1月22日 +232日
  4. 判決 2025年10月31日 +1,743日

経過

  1. 2020年6月4日
    令和2年

    事件・事故 宝塚市のアパートで家族3人が殺害される

    男が同居する祖母・弟・別居中の母をクロスボウで殺害し、伯母にも重傷を負わせた。

  2. 2020年6月4日
    令和2年

    逮捕 兵庫県警が殺人未遂の現行犯で男を逮捕

  3. 2020年12月1日
    令和2年

    その他 兵庫県のボーガン条例が施行

    弦を引く力30ポンド以上のボーガンの所有に届出を義務付けた(10月6日公布)。

  4. 2021年1月22日
    令和3年

    起訴 神戸地検が殺人などの罪で起訴

  5. 2022年3月15日
    令和4年

    その他 改正銃刀法が施行、クロスボウの所持が許可制に

  6. 2025年10月31日
    令和7年

    判決 神戸地裁が無期懲役を言い渡す

    発達障害が動機形成に影響したと考慮しつつ完全責任能力を認定し、求刑の死刑を回避した。

    神戸地方裁判所

  7. 2025年11月17日
    令和7年

    その他 無期懲役判決が確定

    検察・弁護側とも控訴せず判決が確定した。

出典・公的資料

一次資料 1件 判決文・白書・調査報告書・法令など、原典にあたれる資料を掲載しています。

さらに調べるには

資料の探し方や引用の書き方は調べ学習・レポートでの使い方にまとめています。

関連する法律用語

この記事を引用する

レポート・記事などで本ページを参照する際は、以下の表記をご利用ください。一次資料までたどる方法は調べ学習・レポートでの使い方をご覧ください。

「宝塚ボーガン殺傷事件」事件JP、2026年10月28日閲覧。https://jiken.jp/cases/2020-takarazuka-crossbow-incident/
スポンサーリンク

更新履歴

  • 2026年9月30日 事実精度監査:兵庫県条例の公布・施行日と内容、取り消された初公判の日程を訂正、男の身分と近隣の証言の記述を修正、条例施行と改正銃刀法施行を年表に追加
  • 2026年8月20日 初版公開

本ページは公的資料に基づいて作成しています。情報の誤りにお気づきの場合や、掲載内容の削除・訂正のご依頼は お問い合わせ・削除依頼よりご連絡ください。