令和元年佐賀豪雨 通称: 令和元年8月の前線に伴う大雨

発生日 2019年8月27日(令和元年) 〜 2019年8月28日 2019年(令和元年)の事件 / 8月27日に起きた事件
経過 発生から7年2か月
発生場所 佐賀県 武雄市、杵島郡大町町ほか
種別 災害
状態 終結
被害 死者 4人  負傷者 2人
  • 事故・災害が変えた安全対策浸水した鉄工所から焼き入れ油が流出したことを受け、消防庁は全国の危険物施設に風水害時の流出防止対策の徹底を通知した。
2019年8月27日から28日にかけて、停滞した前線の影響で佐賀県を中心に降った記録的な大雨。8月28日早朝には佐賀・福岡・長崎の3県に大雨特別警報が出され、六角川や牛津川の流域で広い範囲が浸水した。死者は佐賀県で3人、全体で4人にのぼった。杵島郡大町町では浸水した鉄工所から焼き入れ油が流出して住宅や農地に広がり、近くの病院が入院患者を抱えたまま孤立した。この事故を受けて消防庁は全国の危険物施設に風水害対策の徹底を求めた。
令和元年佐賀豪雨を象徴する概念イラスト
※イメージ画像(生成AIによる概念イラストであり、実際の現場・関係者を写したものではありません)
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名称について

佐賀県は、この大雨を「令和元年佐賀豪雨」と呼んでいる。県がまとめた災害の記録や知事の記者会見の資料でもこの名前が使われ、県は「令和元年佐賀豪雨災害復旧・復興推進本部」を設けた。気象庁はこの大雨に名前を付けておらず、内閣府は「令和元年8月の前線に伴う大雨」、国土交通省は「令和元年8月豪雨」と呼んでいる。
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記録的な大雨と大雨特別警報

気象庁によると、対馬海峡付近に停滞した前線に向かって暖かく湿った空気が流れ込み、佐賀県を中心に記録的な大雨となった。28日明け方には1時間に100ミリ以上の雨が相次いで観測され、佐賀市の佐賀で110.0ミリ、白石町の白石で109.5ミリを記録した。白石の3時間降水量245.0ミリなど、各地で観測史上1位の値を更新した。気象庁は8月28日午前5時50分、佐賀県、福岡県、長崎県に大雨特別警報を出し、最大級の警戒を呼びかけた。警報は同日午後2時55分にすべて解除された。

被害の状況

内閣府の最終報によると、死者は佐賀県武雄市で3人、福岡県八女市で1人の計4人だった。佐賀県知事の記者会見資料によると、県内の犠牲者3人のうち2人は早朝5時ごろから車で外出していた。佐賀県の住家被害は、全壊87棟、半壊853棟、床上浸水759棟、床下浸水4,290棟にのぼった。牛津川などが氾濫し、武雄市、多久市、小城市では浸水によって住民が孤立した。国土交通省によると、六角川流域の浸水面積は5,759ヘクタール、床上浸水家屋は1,209戸だった。佐賀県内の全20市町に災害救助法が適用され、この大雨は激甚災害に指定された。

大町町の油流出

杵島郡大町町では、浸水した佐賀鉄工所大町工場から焼き入れ油が流出した。消防庁の検討会資料によると、工場は浸水想定区域にあり、河川の氾濫に伴って焼き入れ油を貯めたピットの中に水が流れ込み、油があふれ出た。工場に出資する会社の発表によると、熱処理用の8つの油槽が浸水し、約5万リットルの油が流出した。防災白書は、油が六角川流域に広く拡散し、住家などに被害が出たと記している。

油と浸水の中で孤立した病院

工場の近くにある病院は、入院患者110人と併設の介護施設の入所者69人を抱えたまま、浸水した地域の中で孤立した。病院の発表資料によると、油の流出で排水が止まり、孤立は3日間に及んだ。駆けつけた災害派遣医療チームは、患者を移す必要があるかを確認したうえで、病院にとどまる方針をとった。国土交通省は、油の拡散を防ぐことと浸水を早く解消することの両方に配慮して、オイルフェンスの設置や延べ約900人での油の回収を行い、最大16台の排水ポンプ車を24時間体制で動かした。8月30日午後6時に病院の孤立は解消し、9月10日には農地などに残った油を取り除く緊急対策が終わった。

危険物施設の風水害対策と流域治水

消防庁は、大雨の翌日の8月29日、この事故を挙げて全国の危険物施設の風水害対策を徹底するよう通知し、浸水想定区域などにある施設では重点的に流出防止を図るよう求めた。9月20日には内閣府、経済産業省、国土交通省と連携して、ハザード地区にある危険物施設の流出防止対策を促す通知を出した。佐賀県も、製造業者の油などの流出防止対策の研究会を設けて報告書をまとめた。国は2019年12月、約418億円をかけて堤防や遊水地を整備する「六角川水系緊急治水対策プロジェクト」を始めた。六角川流域は2021年8月にも大きな浸水被害を受け、2023年3月、六角川水系の33河川が九州で初めて特定都市河川に指定された。

審理・経過の流れ

  1. 事件・事故 2019年8月27日
  2. 事件・事故 2019年8月28日 +1日
  3. 事件・事故 2019年8月28日 +0日

経過

  1. 2019年8月27日
    令和元年

    事件・事故 佐賀県に猛烈な雨、県が災害警戒本部を設置

  2. 2019年8月28日
    令和元年

    事件・事故 佐賀・福岡・長崎に大雨特別警報

    午前5時50分に発表

  3. 2019年8月28日
    令和元年

    事件・事故 大町町の鉄工所から焼き入れ油が流出

  4. 2019年8月29日
    令和元年

    その他 消防庁が危険物施設の風水害対策の徹底を通知

  5. 2019年8月30日
    令和元年

    その他 大町町の病院の孤立が解消

  6. 2019年9月10日
    令和元年

    その他 農地などの油除去の緊急対策が終わる

  7. 2019年9月20日
    令和元年

    その他 ハザード地区の危険物施設の流出防止対策を通知

  8. 2019年12月20日
    令和元年

    その他 六角川水系緊急治水対策プロジェクトが始まる

    約418億円

  9. 2023年3月28日
    令和5年

    その他 六角川水系の33河川が特定都市河川に指定される

    九州で初

出典・公的資料

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「令和元年佐賀豪雨」事件JP、2026年10月27日閲覧。https://jiken.jp/cases/2019-saga-heavy-rain/
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更新履歴

  • 2026年10月15日 初版公開

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