長野一家3人殺害事件 通称: 長野一家3人強盗殺人事件

結末 2016年4月、最高裁が主導役の上告を棄却し、元従業員2人の死刑と1人の無期懲役が確定することになった

発生日 2010年3月24日(平成22年) 2010年(平成22年)の事件 / 3月24日に起きた事件
経過 発生から16年7か月 2016年4月26日の確定から10年6か月
発生場所 長野県 長野市(真島町の会長宅)
種別 殺人
状態 判決確定
被害 死者 3人  負傷者 0人
2010年(平成22年)3月24日、長野県長野市真島町の住宅で、高利貸しや建設業などを営む事業グループの会長(当時62歳)と、息子の専務(当時30歳)、専務の妻(当時26歳)の3人がロープで首を絞められて殺害され、現金約416万円が奪われた強盗殺人事件。遺体は翌日、愛知県西尾市の資材置場に埋められた。男4人が起訴され、3人が殺害された事件として初の裁判員裁判となった。長野地裁は元従業員3人に死刑を言い渡したが、東京高裁は1人を無期懲役に減刑した。最高裁で元従業員2人の死刑と1人の無期懲役が確定した。
長野一家3人殺害事件を象徴する概念イラスト
※イメージ画像(生成AIによる概念イラストであり、実際の現場・関係者を写したものではありません)
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事件の経過

2010年(平成22年)3月24日、長野市真島町にある事業グループの会長宅で、グループの従業員だった男たちが、会長の息子で専務の男性(当時30歳)に睡眠導入剤を混ぜた雑炊を食べさせ、昏睡状態にした。グループは高利貸しを本体とし、建設や水道設備工事などを営んでいた。 男たちは、その様子に不審を抱いた専務の妻(当時26歳)をロープで絞めて殺害した。続いて、昏睡状態の専務と、就寝中だった会長(当時62歳)も同じように絞殺し、現金合計約416万円を奪った。翌25日、3人の遺体を愛知県西尾市の資材置場まで運び、土中に埋めた。 最高裁は、専務の妻の殺害は当初の計画に含まれていなかったが、犯行を成し遂げる障害を取り除くために、あえて行ったものだと認定している。
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発覚と逮捕・起訴

3月下旬、親類が長野南署に3人の捜索願を出した。警察が関係者の供述に基づいて西尾市で捜索したところ、4月14日夜に遺体3体が見つかった。翌15日には、関係者4人について死体遺棄容疑の逮捕状が取られた。5月5日、捜査本部は強盗殺人の疑いで男4人を再逮捕した。 長野地検は5月26日、男4人を強盗殺人と死体遺棄の罪で起訴した。地検によると、3人は会長の会社で働いており、もう1人は会長と仕事上の知人だった。この知人の男が睡眠導入剤を用意し、殺害は3人が実行したとされた。遺体を埋めた資材置場も、この男が借りていたものだった。3人が殺害された事件として初めての裁判員裁判となり、強盗殺人罪の法定刑が死刑か無期懲役であることから、死刑が求刑される可能性が注目された。

動機と背景(判決の認定)

最高裁の判決によると、事件を主導した男は、長年会長宅に住み込みで働いていた。かねて会長親子から頻繁に暴力的な扱いを受け、専務からは逃げたら命を奪うかのような脅しを繰り返し受けながら、長時間の労働を強いられていた。そのため心身ともに疲れ果て、会長親子の束縛から解放されたいとの思いを募らせて殺害を決意した。死体の運搬・保管役への報酬の原資などを得るため、現金も奪うことにした。 死刑が確定したもう1人の元従業員についても、最高裁は、会長親子による給料の不当な天引きや暴力的な扱いに我慢を強いられてきた事情を認めている。 そのうえで最高裁は、こうした動機・経緯には酌むべき事情として考慮すべき点もあるとした。一方で、他の解決策を何ら試みておらず「安易かつ短絡的」であり、専務の妻の殺害については何ら酌量すべき事情にならないと判断した。

長野地裁の裁判員裁判

長野地裁(高木順子裁判長)の裁判員裁判は、2011年3月25日、元従業員の1人に求刑どおり死刑を言い渡した。裁判員裁判での死刑判決は5例目だった。弁護側は、被害者からの借金による「奴隷的拘束」から逃れることが動機だったとして、極刑の回避を求めていた。判決は「いかに言い分があれ、3人の命を奪った結果の重大性は容認し難い」とした。 12月6日には、2人目の元従業員にも死刑を言い渡した。同じ事件の裁判員裁判で、複数の被告に死刑判決が出たのは初めてだった。12月27日には、事件を主導した男にも死刑を言い渡した。高木裁判長は「3名の尊い命が奪われた結果は重大」と述べた。 殺害に加わらなかった4人目の男について、長野地裁は2012年3月27日に判決を言い渡した。遺体の遺棄と睡眠薬の提供が重要だったとして、強盗殺人罪の共謀を認めた。そのうえで「殺害を実行しておらず、追従したにすぎない」として、懲役28年(求刑無期懲役)とした。

控訴審・上告審と刑の確定

最初に死刑判決を受けた元従業員について、東京高裁は2012年3月22日、控訴を棄却した。弁護側は「裁判員裁判は国民に死刑判断への加担を強いており違憲」と主張したが、高裁は「裁判員制度は苦役に当たらず、死刑の判断を伴っていたとしても違憲ではない」とした。最高裁第三小法廷も2014年9月2日に上告を棄却し、この元従業員の死刑が確定した。 2人目に死刑判決を受けた元従業員について、東京高裁(村瀬均裁判長)は2014年2月27日、一審判決を破棄して無期懲役を言い渡した。事件当日に首謀者から急きょ呼び出され、「突発的に犯行に巻き込まれた」と認定し、「死刑は重すぎる」とした。裁判員裁判の死刑判決が破棄されたのは3例目で、犠牲者が複数の事件では初めてだった。最高裁は2015年2月9日付で被告側の上告を棄却した。検察側が上告しなかったため、死刑の適否について具体的な判断は示されず、無期懲役が確定した。 事件を主導した男については、東京高裁が2014年2月20日に控訴を棄却した。最高裁第三小法廷は2016年4月26日に上告を棄却し、自首や反省の態度などを十分に考慮しても、死刑はやむを得ないと判断した。 4人目の男について、東京高裁は2013年5月28日、「強盗殺人を手助けしただけだった」として一審判決を破棄し、懲役18年を言い渡した。

審理・経過の流れ

  1. 事件・事故 2010年3月24日
  2. 逮捕 2010年5月5日 +42日
  3. 起訴 2010年5月26日 +21日
  4. 判決 2011年3月25日 +303日
  5. 判決 2011年12月6日 +256日
  6. 判決 2011年12月27日 +21日
  7. 判決 2012年3月22日 +86日
  8. 判決 2012年3月27日 +5日
  9. 判決 2013年5月28日 +427日
  10. 判決 2014年2月20日 +268日
  11. 判決 2014年2月27日 +7日
  12. 判決 2014年9月2日 +187日
  13. 判決 2015年2月9日 +160日
  14. 判決 2016年4月26日 +442日

経過

  1. 2010年3月24日
    平成22年

    事件・事故 長野市の会長宅で会長と息子夫婦の3人が絞殺され、現金約416万円が奪われる

    死者3人。遺体は翌25日、愛知県西尾市の資材置場に埋められた。

  2. 2010年4月14日
    平成22年

    捜査 関係者の供述に基づき、愛知県西尾市で遺体3体を発見

  3. 2010年5月5日
    平成22年

    逮捕 捜査本部が男4人を強盗殺人の疑いで再逮捕

    4人は死体遺棄の疑いで逮捕されていた。

  4. 2010年5月26日
    平成22年

    起訴 長野地検が男4人を強盗殺人と死体遺棄の罪で起訴

    3人が殺害された事件で初の裁判員裁判に。

  5. 2011年3月25日
    平成23年

    判決 長野地裁の裁判員裁判が元従業員の1人に死刑判決

    裁判員裁判で5例目の死刑判決。

    長野地方裁判所

  6. 2011年12月6日
    平成23年

    判決 長野地裁が2人目の元従業員に死刑判決

    同じ事件の裁判員裁判で、複数の被告に死刑が出たのは初めて。

    長野地方裁判所

  7. 2011年12月27日
    平成23年

    判決 長野地裁が事件を主導した男に死刑判決

    長野地方裁判所

  8. 2012年3月22日
    平成24年

    判決 東京高裁が1人目の死刑判決を支持し、控訴を棄却

    裁判員制度は違憲だとする弁護側の主張を退けた。

    東京高等裁判所

  9. 2012年3月27日
    平成24年

    判決 長野地裁が殺害に加わらなかった4人目の男に懲役28年の判決

    求刑は無期懲役。

    長野地方裁判所

  10. 2013年5月28日
    平成25年

    判決 東京高裁が4人目の男の一審判決を破棄し、懲役18年

    「強盗殺人を手助けしただけだった」と判断。

    東京高等裁判所

  11. 2014年2月20日
    平成26年

    判決 東京高裁が主導した男の死刑判決を支持し、控訴を棄却

    東京高等裁判所

  12. 2014年2月27日
    平成26年

    判決 東京高裁が2人目の死刑判決を破棄し、無期懲役

    裁判員裁判の死刑判決の破棄は3例目。

    東京高等裁判所

  13. 2014年9月2日
    平成26年

    判決 最高裁が上告を棄却し、元従業員1人の死刑が確定

    最高裁判所第三小法廷 (事件番号: 平成24年(あ)第646号)

  14. 2015年2月9日
    平成27年

    判決 最高裁が被告側の上告を棄却し、元従業員1人の無期懲役が確定

    検察側は上告しなかった。

    最高裁判所第三小法廷

  15. 2016年4月26日
    平成28年

    判決 最高裁が上告を棄却し、事件を主導した男の死刑が確定

    最高裁判所第三小法廷 (事件番号: 平成26年(あ)第477号)

出典・公的資料

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「長野一家3人殺害事件」事件JP、2026年11月8日閲覧。https://jiken.jp/cases/2010-nagano-family-three-murders/
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更新履歴

  • 2026年11月6日 初版公開

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