宮崎家族3人殺害事件 通称: 宮崎の家族3人殺害事件

結末 2014年10月、最高裁が上告を棄却し、翌11月に男の死刑が確定。確定後の再審請求も退けられた

発生日 2010年3月1日(平成22年) 2010年(平成22年)の事件 / 3月1日に起きた事件
経過 発生から16年7か月 2014年11月1日の確定から11年11か月
発生場所 宮崎県 宮崎市
種別 殺人
状態 判決確定
被害 死者 3人
2010年(平成22年)3月1日早朝、宮崎市の自宅で、建設会社社員の男(当時22歳)が、同居していた生後5か月の長男、妻(当時24歳)、義母(当時50歳)の3人を殺害し、長男の遺体を勤務先の資機材置場に埋めた事件。宮崎地裁の裁判員裁判は2010年12月に求刑通り死刑を言い渡した。裁判員裁判での死刑判決は全国で3例目だった。福岡高裁宮崎支部も一審を支持し、2014年10月に最高裁が上告を棄却して、同年11月に死刑が確定した。
宮崎家族3人殺害事件を象徴する概念イラスト
※イメージ画像(生成AIによる概念イラストであり、実際の現場・関係者を写したものではありません)

事件の概要

2010年(平成22年)3月1日午前5時ごろ、宮崎市の自宅で、建設会社社員の男(当時22歳)が、同居していた長男(生後5か月)、妻(当時24歳)、義母(妻の実母、当時50歳)の3人を殺害した。男は事件の約1年前に妻と結婚し、当初から義母とも同居していた。前科はなかった。 男は長男の遺体を勤務先の資機材置場に穴を掘って埋めた。埋めきれなかった妻と義母については、強盗に殺害されたように装うため部屋を荒らし、貴重品を持ち出して草むらに隠すなどした。同日午後9時半すぎ、110番通報で駆けつけた警察官が、自宅で妻と義母が死亡しているのを見つけた。

逮捕と動機

宮崎北署は3月2日、長男の死体遺棄の疑いで男を逮捕した。男は殺人と死体遺棄の罪で起訴された。 最高裁判決が認定した動機によれば、男は義母から説教や叱責、非難を繰り返されることに嫌気がさし、義母との同居生活から逃れたいと思い悩んだ末、その手段として義母の殺害を考えた。そして、逮捕を免れるためには妻も殺害するほかなく、乳児の長男も妻と一体だと考えて、家族3人の殺害を決意したとされる。男は事件の数日前に殺害を決意して方法を考え、犯行の前夜には職場の倉庫からハンマーを持ち帰っており、判決は「相当に計画的な犯行」と認めた。

裁判員裁判の死刑判決

宮崎地裁の裁判員裁判は2010年11月17日に始まり、男は起訴内容を認めた。争点は量刑だった。検察側は11月25日の論告で「冷酷で執拗、残虐な犯行だ」として死刑を求刑した。裁判員裁判での死刑求刑は5例目だった。弁護側は、動機の背景に同情の余地があり「当然死刑」ではないと訴えた。 12月7日、高原正良裁判長は「自己中心的で冷酷な犯行。責任は重大で極刑に値する」として、求刑通り死刑を言い渡した。判決は、長男を浴槽に沈めたうえで土に埋めたことを「わが子への情愛は感じられず無慈悲で悪質だ」と指摘した。永山基準の要素に触れ、若年であることなどから更生の可能性は否定できないとしつつ、「極刑を回避すべき決定的な事情とは認められない」と述べた。裁判員裁判での死刑判決は3例目で、殺害された被害者の数は最も多かった。弁護側は控訴した。

控訴審と最高裁

控訴審では動機を解明するため、男の心理鑑定が行われた。福岡高裁宮崎支部は2012年3月22日、「動機は身勝手で自己中心的。残虐で冷酷な犯行だ」として一審の死刑判決を支持し、控訴を棄却した。妻と子の殺害については「いわば理由なき殺人に匹敵する」と述べた。 最高裁第一小法廷(山浦善樹裁判長)は2014年10月16日、裁判官全員一致で上告を棄却した。判決は、義母から逃れたいと思い悩んだこと自体には同情の余地があるとしつつ、妻子まで殺害したことは「余りに短絡的」で身勝手だと指摘し、強固な殺意に基づく執拗で残虐な犯行だとして、死刑を維持した原判断を「是認せざるを得ない」と結論づけた。上告審では、一審の裁判員裁判で極刑を求める意見を述べた遺族が「1審に差し戻し、もう一度深く審理してほしい」とする上申書を提出していたが、判例上、上告審で新たな証拠は採用できないとされる。裁判員裁判の死刑判断を最高裁が支持したのは2例目と報じられた。死刑は2014年11月に確定した。

確定後の再審請求

死刑の確定後、男は2017年3月24日付で宮崎地裁に再審を請求した。新たな証拠としたのは、「生きて償ってほしい」として刑の軽減を求める遺族の男性の上申書だった。宮崎地裁は同年9月1日付で、「量刑に関する情状は再審の理由に当たらない」として請求を棄却した。男は即時抗告したが、福岡高裁宮崎支部も2018年3月15日付で再審開始を認めない決定をし、男は最高裁に特別抗告した。

審理・経過の流れ

  1. 事件・事故 2010年3月1日
  2. 逮捕 2010年3月2日 +1日
  3. 公判 2010年11月17日 +260日
  4. 公判 2010年11月25日 +8日
  5. 判決 2010年12月7日 +12日
  6. 判決 2012年3月22日 +471日
  7. 判決 2014年10月16日 +938日
  8. 判決 2014年11月 +16日

経過

  1. 2010年3月1日
    平成22年

    事件・事故 宮崎市の自宅で、男が長男・妻・義母の3人を殺害

    長男の遺体は勤務先の資機材置場に埋められた。同日夜、警察官が妻と義母の遺体を発見

  2. 2010年3月2日
    平成22年

    逮捕 宮崎北署が長男の死体遺棄の疑いで男を逮捕

  3. 2010年11月17日
    平成22年

    公判 宮崎地裁で裁判員裁判の初公判

    男は起訴内容を認めた

    宮崎地方裁判所

  4. 2010年11月25日
    平成22年

    公判 検察側が死刑を求刑

    裁判員裁判での死刑求刑は5例目

    宮崎地方裁判所

  5. 2010年12月7日
    平成22年

    判決 宮崎地裁が求刑通り死刑判決

    裁判員裁判での死刑判決は3例目

    宮崎地方裁判所

  6. 2012年3月22日
    平成24年

    判決 福岡高裁宮崎支部が控訴を棄却

    一審の死刑判決を支持

    福岡高等裁判所宮崎支部

  7. 2014年10月16日
    平成26年

    判決 最高裁第一小法廷が上告を棄却

    裁判官全員一致

    最高裁判所第一小法廷 (事件番号: 平成24年(あ)第736号)

  8. 2014年11月
    平成26年

    判決 死刑判決が確定

  9. 2017年3月24日
    平成29年

    その他 宮崎地裁に再審を請求

    同年9月1日付で棄却。2018年3月15日付で福岡高裁宮崎支部も即時抗告を棄却

    宮崎地方裁判所

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「宮崎家族3人殺害事件」事件JP、2026年10月28日閲覧。https://jiken.jp/cases/2010-miyazaki-family-murders/

更新履歴

  • 2026年10月20日 初版公開

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