米子市会計事務所社長殺害事件

結末 2012年7月、最高裁が上告を棄却し、強盗殺人罪などで無期懲役が確定した

発生日 2009年2月21日(平成21年) 2009年(平成21年)の事件 / 2月21日に起きた事件
経過 発生から17年8か月 2012年7月2日の確定から14年3か月
発生場所 鳥取県 米子市(日ノ出町)
種別 殺人
状態 判決確定
被害 死者 2人
2009年(平成21年)2月21日、鳥取県米子市日ノ出町の会計事務所のビルと隣の自宅で、事務所の社長で税理士の男性(当時82歳)と同居の女性(当時74歳)が、事務所の経理担当役員の男に殺害された事件。男は2人のキャッシュカードなどを奪い、口座から計1210万円を引き出した。被害者が複数の強盗殺人事件を裁く全国初の裁判員裁判となり、裁判員裁判で初めて死刑が求刑されるかが注目されたが、検察の求刑は無期懲役だった。鳥取地裁は2010年3月に求刑どおり無期懲役を言い渡し、2012年7月に最高裁が上告を退けて確定した。
米子市会計事務所社長殺害事件を象徴する概念イラスト
※イメージ画像(生成AIによる概念イラストであり、実際の現場・関係者を写したものではありません)
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事件の経過

2009年(平成21年)2月21日、鳥取県米子市日ノ出町で、会計事務所の社長で税理士の男性(当時82歳)と、男性と同居していた女性(当時74歳)が殺害された。逮捕容疑によると、事務所の会計担当役員だった男は同日午前11時半ごろ、事務所ビルの5階の空き部屋で男性を殺害し、約30分後、同じ敷地にある男性の自宅で女性を殺害した。 控訴審判決によると、男は電気コードなどを使って2人を絞殺するなどした。男は現金約7万円やキャッシュカードを奪い、遺体を事務所ビル内に隠した。さらにキャッシュカードなどを使って、口座から計1210万円を引き出した。 捜査本部によると、男は4月上旬、男性の携帯電話を使って男性の家族に電話をかけ、2人が生きているように装うなどしていた。2人はその後、事務所ビルで遺体で見つかった。
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逮捕と起訴

鳥取県警は男を死体遺棄の疑いで逮捕し、2009年6月24日、米子署の捜査本部が強盗殺人の疑いで再逮捕した。男は弁護人を通じて、殺害してカードなどを盗んだことは認めたが、金銭目的ではないと話していた。 男は強盗殺人、死体遺棄、窃盗、有印私文書偽造、同行使、詐欺の六つの罪で起訴された。強盗殺人罪の法定刑は死刑か無期懲役しかない。

全国初の複数被害者の強盗殺人を裁いた裁判員裁判

鳥取地裁(小倉哲浩裁判長)の裁判員裁判は、2010年2月22日に裁判員の選任手続きがあり、男性4人、女性2人の裁判員が選ばれた。被害者が複数の強盗殺人事件を裁判員裁判で審理するのは全国で初めてで、制度が始まってから初めて死刑が求刑される可能性があるとして、全国で報じられた。 2月23日の初公判で、男は殺害を認めたが、「強盗目的で殺害したというのは事実と違います」と述べた。検察は、男が事務所の資金繰りのために自分の資金をつぎ込んで借金をふくらませ、長年の恨みを晴らし、預金を引き出すために殺害を決めたと主張した。弁護側は、男が給料を全額は支払われず、日常的に叱責されていたなどの事情を挙げ、強盗目的はなかったと主張した。女性の息子は被害者参加制度を利用して公判に出席した。 2月26日、検察は「追い詰められた末の犯行で、一定の同情の余地は否定できない。遺族は積極的には極刑を望んでいない」として、無期懲役を求刑した。男性の遺族は公判で死刑を求めていなかったが、女性の遺族は被害者参加人として死刑を求めた。 鳥取地裁は3月2日、強盗殺人罪の成立を認め、求刑どおり無期懲役を言い渡した。判決は「命をもって償わねばならない事案とまでは言い難い」と判断した。判決後に記者会見した裁判員経験者は「人間の尊厳を問う裁判。重い役割だった」と述べた。

控訴審と確定

男は控訴した。広島高裁松江支部(古川行男裁判長)は2010年9月13日、「殺害後に預金を引き下ろした客観的事実を踏まえると強盗目的と認められる」として、強盗目的はなかったとする男の主張を退け、控訴を棄却した。 男は上告したが、最高裁第2小法廷(小貫芳信裁判長)は2012年7月2日付で上告を棄却する決定をし、無期懲役が確定した。 裁判員裁判で初めて死刑が求刑されたのは、同じ2010年に東京地裁で審理された耳かき店員殺害事件だった。島根大学の紀要に載った論文は、本件を「死刑求刑第1号事件となるか注目を集めた」事件として取り上げている。

審理・経過の流れ

  1. 事件・事故 2009年2月21日
  2. 逮捕 2009年6月24日 +123日
  3. 公判 2010年2月23日 +244日
  4. 公判 2010年2月26日 +3日
  5. 判決 2010年3月2日 +4日
  6. 判決 2010年9月13日 +195日
  7. 判決 2012年7月2日 +658日

経過

  1. 2009年2月21日
    平成21年

    事件・事故 米子市の会計事務所ビルと隣の自宅で、社長ら2人が殺害される

    死者2人。事務所の経理担当役員の男がキャッシュカードなどを奪い、口座から計1210万円を引き出した

  2. 2009年6月24日
    平成21年

    逮捕 強盗殺人の疑いで男を再逮捕

    米子署の捜査本部による

  3. 2010年2月23日
    平成22年

    公判 鳥取地裁で裁判員裁判の初公判

    男は殺害を認め、強盗目的を否認した。被害者が複数の強盗殺人事件の裁判員裁判は全国初

    鳥取地方裁判所

  4. 2010年2月26日
    平成22年

    公判 検察が無期懲役を求刑

    裁判員裁判で初の死刑求刑になるかが注目されていた

    鳥取地方裁判所

  5. 2010年3月2日
    平成22年

    判決 鳥取地裁が強盗殺人罪の成立を認め、求刑どおり無期懲役

    鳥取地方裁判所

  6. 2010年9月13日
    平成22年

    判決 広島高裁松江支部が控訴を棄却

    強盗目的を認めた一審の判断を支持

    広島高等裁判所松江支部

  7. 2012年7月2日
    平成24年

    判決 最高裁が上告を棄却し、無期懲役が確定

    最高裁判所第二小法廷

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「米子市会計事務所社長殺害事件」事件JP、2026年10月28日閲覧。https://jiken.jp/cases/2009-yonago-accounting-office-murder/
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更新履歴

  • 2026年10月27日 初版公開

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