加古川7人殺害事件 通称: 加古川7人刺殺事件

結末 2015年6月に死刑が確定し、2021年12月21日に大阪拘置所で執行された

発生日 2004年8月2日(平成16年) 2004年(平成16年)の事件 / 8月2日に起きた事件
経過 発生から22年3か月 2015年6月10日の確定から11年4か月
発生場所 兵庫県 加古川市(西神吉町)
種別 殺人
状態 判決確定
被害 死者 7人  負傷者 1人
2004年(平成16年)8月2日未明、兵庫県加古川市西神吉町で、近隣に住む無職の男(当時47歳)が、自宅の東西に隣接する2軒の家に相次いで押し入り、親族を含む8人を包丁で刺すなどして7人を殺害、1人に重傷を負わせた後、母親と暮らす自宅にガソリンなどをまいて放火し全焼させた事件。男は本家筋の親族や近隣住民から見下されていると恨みを募らせていた。裁判では妄想性障害による責任能力の低下が争われたが、神戸地裁・大阪高裁・最高裁はいずれも完全責任能力を認めて死刑とし、2015年6月に確定、2021年12月に執行された。
加古川7人殺害事件を象徴する概念イラスト
※イメージ画像(生成AIによる概念イラストであり、実際の現場・関係者を写したものではありません)
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事件の経過

2004年(平成16年)8月2日の未明、兵庫県加古川市西神吉町の田園地帯の住宅地で、近隣に住む無職の男(当時47歳)が、自宅の東西に隣接する2軒の家に相次いで押し入った。男は骨すき包丁などで住人を次々に刺し、東隣の家では伯母(当時80歳)とその次男(同46歳)、駆けつけた長男(同55歳)の3人を殺害し、長男の妻(同50歳)に約3か月の治療を要する重傷を負わせた。西隣の家では、夫婦(いずれも当時64歳)と長男(同27歳)、長女(同26歳)の一家4人を殺害した。 男はその後、母親と2人で暮らしていた自宅にガソリンや灯油などをまいて火を付け、木造2階建ての家屋を全焼させた。母親にけがはなかった。神戸新聞は当初、民家火災として取材を始めたが、時を追うごとに付近で複数の人が刺されていることが判明した。男が逃走に使った軽乗用車は、現場から約700メートル南の加古川バイパスの橋脚に衝突して炎上し、近くにいた警察官が男の身柄を確保した。警察庁の資料によると、男は8月31日に検挙された。男は殺人、殺人未遂、現住建造物等放火の罪で起訴された。
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動機と事件前の経緯

判決によると、東隣の家族は男の親族で、男の家族から見て本家筋(地元の言葉で「母屋」)に当たる。男は子どものころから、母屋の家族が自分の家族を見下していると感じて反感を抱き、母屋の家族を殺すために一斗缶5本分のガソリンを買って保管するようになった。西隣の家族とは、2002年ごろに車の駐車をめぐって怒鳴り合いのけんかになっていた。 事件前夜の8月1日夜、男は自宅北側に住む別の隣人と口論になり、これをきっかけに、母屋の家族や西隣の家族をまとめて殺害しようと決意した。一審判決は、自宅に放火した理由を「自分の古い家の外観が報道されるのが恥である」という身勝手なものだったと指摘している。 近隣住民は事件前から男の暴言や投石などの迷惑行為に悩んでおり、警察に4件、加古川健康福祉事務所(保健所)に1件の相談が寄せられていた。加古川署は周辺のパトロールを強化するなどして対応したが、犯行を防げなかった。

一審・神戸地裁の死刑判決

公判では男の責任能力が最大の争点になった。弁護側は、男は妄想性障害(パラノイア)の影響で心神喪失か心神耗弱の状態にあったと主張した。一審では精神鑑定が2回行われ、妄想性障害とする鑑定と、人格の偏りはあるが精神障害はないとする鑑定に分かれた。 神戸地裁(岡田信裁判長)は2009年5月29日、求刑どおり死刑を言い渡した。判決は、男は妄想性障害に罹患しておらず、犯行は形成してきた人格障害の影響のほか、被害者らへの憎悪などを原因とするものだとして、完全責任能力を認めた。そのうえで「犯罪史上稀に見る凶悪,重大事案である」とし、極刑をもって臨むしかないと結論づけた。

控訴審・上告審と死刑の確定

控訴審の大阪高裁が職権で実施した精神鑑定では、鑑定医が、男は妄想性障害によって判断能力に著しい障害を受けていたとの見解を示した。大阪高裁は2013年4月26日、男が妄想性障害に罹患していなかったとする一審の判断は是認できないとしつつ、責任能力が著しく低下していたとは認められないとして控訴を棄却した。 最高裁第二小法廷(千葉勝美裁判長)は2015年5月25日、裁判官全員一致で上告を棄却した。判決は、妄想性障害のために男が被害者意識を過度に抱き怨念を強くしたとはいえても、障害の影響はその限度にとどまると判断した。そのうえで、8人を襲撃して7人を殺害した結果は極めて重大だとし、障害が犯行に一定の影響を与えたことや前科がないことを考慮しても、死刑を是認せざるを得ないとした。男の判決訂正の申し立ては6月10日付で棄却され、死刑が確定した。

死刑の執行と地域の対応

2021年12月21日、法務省は男を含む死刑囚3人の死刑を執行した。男は大阪拘置所で執行され、65歳だった。執行は約2年ぶりで、古川禎久法相が12月17日に執行命令書に署名した。古川法相は会見で、いずれの事件も「誠に身勝手な理由から,被害者の尊い人命を奪うなどした極めて残忍な事案」だと述べた。 事件後の2004年9月、加古川健康福祉事務所と加古川市、加古川署は、精神障害が疑われる相談や事案を共有する連絡会を設置し、連携して事例に応じた解決策を探る取り組みを続けている。被害者の家の跡地は更地となり、太陽光パネルが並んでいる。

審理・経過の流れ

  1. 事件・事故 2004年8月2日
  2. 逮捕 2004年8月31日 +29日
  3. 判決 2009年5月29日 +1,732日
  4. 判決 2013年4月26日 +1,428日
  5. 判決 2015年5月25日 +759日

経過

  1. 2004年8月2日
    平成16年

    事件・事故 加古川市西神吉町で男が両隣の2軒を襲い7人を殺害、1人に重傷を負わせ自宅に放火

    東隣の親族3人と西隣の一家4人が死亡。自宅は全焼した

  2. 2004年8月31日
    平成16年

    逮捕 兵庫県警が男を検挙

    警察庁『平成16年の犯罪情勢』による

  3. 2004年9月
    平成16年

    その他 加古川健康福祉事務所・加古川市・加古川署が連絡会を設置

    精神障害が疑われる相談や事案を共有する

  4. 2009年5月29日
    平成21年

    判決 神戸地裁が死刑判決(求刑死刑)

    妄想性障害を否定し、完全責任能力を認めた

    神戸地方裁判所 (事件番号: 平成16年(わ)第1064号ほか)

  5. 2013年4月26日
    平成25年

    判決 大阪高裁が被告側の控訴を棄却

    妄想性障害の罹患は認めたが、責任能力の著しい低下は否定した

    大阪高等裁判所 (事件番号: 平成21年(う)第967号)

  6. 2015年5月25日
    平成27年

    判決 最高裁第二小法廷が上告を棄却

    裁判官全員一致。死刑の量刑を維持した

    最高裁判所第二小法廷 (事件番号: 平成25年(あ)第729号)

  7. 2015年6月10日
    平成27年

    その他 判決訂正の申し立てが棄却され、死刑が確定

    最高裁判所第二小法廷

  8. 2021年12月21日
    令和3年

    その他 大阪拘置所で死刑が執行される

    古川禎久法相が12月17日に執行命令書に署名した

出典・公的資料

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「加古川7人殺害事件」事件JP、2026年11月3日閲覧。https://jiken.jp/cases/2004-kakogawa-seven-murders/
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更新履歴

  • 2026年11月3日 初版公開

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