武富士弘前支店強盗殺人・放火事件 通称: 武富士弘前支店放火強盗殺人事件

結末 2007年、最高裁が上告を棄却し、男の死刑が確定した。2014年8月29日に執行された

発生日 2001年5月8日(平成13年) 2001年(平成13年)の事件 / 5月8日に起きた事件
経過 発生から25年5か月
発生場所 青森県 弘前市(武富士弘前支店)
種別 殺人
状態 判決確定
被害 死者 5人  負傷者 4人
2001年(平成13年)5月8日午前、青森県弘前市の消費者金融「武富士」弘前支店で、男が店内にガソリンを主成分とする混合油約4リットルをまいて金を要求し、支店長が応じずに通報したことに憤激して火を放った事件。ビル3階の店舗はほぼ全焼し、従業員9人のうち5人が焼死、4人が重いやけどなどを負った。男は強盗殺人、同未遂、現住建造物等放火の罪に問われ、2007年に最高裁が上告を棄却して死刑が確定し、2014年8月に執行された。
武富士弘前支店強盗殺人・放火事件を象徴する概念イラスト
※イメージ画像(生成AIによる概念イラストであり、実際の現場・関係者を写したものではありません)
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事件の発生

2001年(平成13年)5月8日午前、青森県弘前市にある消費者金融「武富士」弘前支店に、男が入ってきた。店舗はビルの3階のフロア全体(約96.3平方メートル)を占め、ビル1階からの階段に通じる出入口は1か所だけだった。管理室の窓の一部は非常口になっていたが、非常階段にはつながっておらず、避難器具を使わなければ地上に降りられなかった。 最高裁判決によると、男は借金の返済資金などに困り、営業中のこの店舗から金を奪おうと考えて、前日に下見をし、混合油やライター、点火用の紙を用意していた。仙台高裁判決の認定によると、男はガソリンが95パーセント強を占める混合油約4リットルを、カウンター内側の床にまいた。そして「金を出せ。」「出さねば火を付けるぞ。」と叫び、ライターとねじった紙を見せて脅した。支店長は「金は出せない。」と答え、机の下のボタンで警備会社に緊急通報したうえ、午前10時49分ごろ110番通報した。
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放火と被害

男は憤激し、午前10時51分ごろ、火を付けたねじり紙をカウンター越しに混合油の上へ投げ入れた。男は階段を駆け下り、駐車場に止めていた車で逃げた。店内には支店長を含む従業員9人がいた。 3人は外部の人が掛けたはしごを伝って非常口から脱出し、支店長は西側の窓から自力で脱出した。残る5人は店内で焼死した。最初の消防車は午前10時57分ごろに到着し、午前11時16分に鎮火した。最高裁判決によると、亡くなったのは当時20歳から46歳の男女5人で、ほかの4人も加療約4週間から入院加療約7か月の熱傷などを負い、店舗はほぼ全焼した。男は犯行直後にテレビ局へ電話し、その後、捜査をかく乱する目的で挑戦的な内容の手紙をテレビ局に送り付けた。

起訴と裁判

男はすぐには捕まらなかった。仙台高裁判決によると、男は2002年(平成14年)3月20日以降、混合油に火を付けた動機や理由を捜査官に供述しており、同年、強盗殺人、同未遂、現住建造物等放火の罪で起訴された。男は元タクシー運転手で、判決は動機について「競輪に耽溺して借金に追われ」、消費者金融からの強盗を考えたと認定した。 公判での争点は殺意の有無だった。男は、従業員は非常口などから逃げたと思っていたとして殺意を否認し、より軽い強盗致死傷罪にとどまると主張した。弁護側は、従業員が非常口の存在や避難器具の使い方を知らされていなかったとも主張したが、仙台高裁は、仮に知っていたとしても、それを使って避難することは極めて困難だったと推察できるとした。青森地裁は一審で死刑を言い渡した。2004年2月19日、仙台高裁は、支店長とほかの8人の従業員に対する未必の殺意があったと認めて控訴を棄却した。判決は、手口が人命に大きな危険を伴いながら模倣されやすく、同様の強盗事件を連鎖的に生むおそれがあるとも指摘した。

死刑の確定と執行

2007年3月27日、最高裁第三小法廷(上田豊三裁判長)は裁判官全員一致で上告を棄却した。判決は、放火が現場でのとっさの決意によるもので、殺意が未必のものにとどまることや前科がないことを考慮しても、死刑はやむを得ないとした。死刑は同年4月に確定した。 男は2008年11月、殺意はなかったとして強盗致死傷罪の適用を求め、青森地裁に再審を請求した。地裁は2011年6月に請求を棄却し、仙台高裁も2012年9月10日付で即時抗告を棄却した。2014年8月29日、谷垣禎一法務大臣の命令により、男の死刑が仙台で執行された。執行時、男は56歳だった。 事件の翌月の国会では、この事件のあと放火で金を奪おうとする事件が何件か増えたとの発言があった。本件をきっかけとした法改正や制度の変更は確認されていない。

審理・経過の流れ

  1. 事件・事故 2001年5月8日
  2. 判決 2003年 +603日
  3. 判決 2004年2月19日 +414日
  4. 判決 2007年3月27日 +1,132日

経過

  1. 2001年5月8日
    平成13年

    事件・事故 武富士弘前支店で男が混合油をまいて放火、従業員5人が死亡

    支店長が金の要求を拒んで通報したため放火した。4人が重傷、店舗はほぼ全焼

  2. 2002年3月20日
    平成14年

    捜査 男が放火の動機などを捜査官に供述(この日以降)

    仙台高裁判決の認定。男は同年、強盗殺人などの罪で起訴された

  3. 2003年
    平成15年

    判決 青森地裁が一審で死刑判決

    男は殺意を否認して控訴した

    青森地方裁判所 (事件番号: 平成14年(わ)第49号)

  4. 2004年2月19日
    平成16年

    判決 仙台高裁が控訴を棄却

    支店長と従業員8人に対する未必の殺意を認め、一審の死刑を維持した

    仙台高等裁判所 (事件番号: 平成15年(う)第48号)

  5. 2007年3月27日
    平成19年

    判決 最高裁が上告を棄却

    裁判官全員一致。死刑は同年4月に確定した

    最高裁判所第三小法廷 (事件番号: 平成16年(あ)第727号)

  6. 2012年9月10日
    平成24年

    その他 仙台高裁が再審請求棄却に対する即時抗告を棄却

    2008年11月の再審請求は2011年6月に青森地裁が棄却していた

    仙台高等裁判所

  7. 2014年8月29日
    平成26年

    その他 男の死刑が執行される

    谷垣禎一法務大臣の命令。執行時56歳

出典・公的資料

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「武富士弘前支店強盗殺人・放火事件」事件JP、2026年10月31日閲覧。https://jiken.jp/cases/2001-takefuji-hirosaki-arson-murder/
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更新履歴

  • 2026年10月31日 初版公開

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