山梨キャンプ場殺人事件 通称: 都留市キャンプ場殺人事件

結末 2012年12月、最高裁が上告を棄却し死刑が確定。男は2020年2月、刑が執行されないまま東京拘置所で病死した

発生日 2000年5月14日(平成12年) 2000年(平成12年)の事件 / 5月14日に起きた事件
経過 発生から26年5か月 2012年12月11日の確定から13年10か月
発生場所 山梨県 都留市(朝日曽雌のキャンプ場)
種別 殺人
状態 判決確定
被害 死者 3人
2000年(平成12年)5月14日、山梨県都留市で、作業員を工事現場に派遣する会社を経営していた男らが、雇っていた男性2人(当時51歳・50歳)をキャンプ場に連れて行き、車内で首を絞めて殺害した事件。男は1997年にも雇っていた身元不詳の男性を木刀で殴って死亡させていた。2003年10月、キャンプ場の土中から3人の遺体が見つかって発覚した。男は殺人を否認したが、甲府地裁は2006年に死刑を言い渡し、東京高裁も支持。最高裁は結審後に弁論を再開して共犯者の陳述書を調べる異例の審理を経て、2012年12月に上告を棄却した。男は2020年、東京拘置所で病死した。
山梨キャンプ場殺人事件を象徴する概念イラスト
※イメージ画像(生成AIによる概念イラストであり、実際の現場・関係者を写したものではありません)
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キャンプ場で見つかった3遺体

2003年(平成15年)、山梨県都留市内では、キャンプ場に遺体が埋められているといううわさが広がっていた。同年8月、キャンプ場を経営していた会社の元従業員で重機のオペレーターだった男性が、県警に事件について証言した。 県警は9月26日、同社の元社長の男らを、元従業員の交通事故の損害保険金を着服した横領の疑いで逮捕した。10月6日にはオペレーターを立ち会わせて都留市朝日曽雌のキャンプ場の捜索を始め、7日までに証言通りの2か所から成人男性3人の遺体を見つけた。いずれも死後1年から数年が経っており、2人は同じ時期に殺害されて埋められたとみられた。 甲府地裁の判決は、キャンプ場から3体もの遺体が見つかったことが大きく報道され、近隣住民や地域社会に大きな衝撃を与えたと指摘している。
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確定判決が認定した事件の経緯

確定判決によれば、男は1994年ごろまでに、東京都内や大阪府内などから集めた路上生活者を寮に住まわせ、山梨県内の工事現場などに作業員として派遣する事業を始めた。会社は作業員に対し、見せしめとして暴力で制裁を加えていた。 1997年3月ごろ、男は会社の事務所で、作業員として雇っていた身元不詳の男性が反抗的な態度をとったことに激高し、木刀で多数回殴って死亡させた(傷害致死)。 2000年5月14日には、飲酒した作業員らが酒店の車に当て逃げ事故を起こしたことから、男は共犯者らと事務所などで作業員に制裁を加えた。さらに、反抗的な態度をとった男性2人(当時51歳・50歳)の手首を縛って車に押し込み、約17キロ離れたキャンプ場に連れて行った。そして同日午後7時過ぎ、駐車場に止めた車の中で2人の首を絞めて殺害し、遺体を重機でキャンプ場の土中に埋めた。同じ日から翌日にかけて、別の作業員の男性(当時41歳)も事務所に監禁した。2003年6月には、作業員に支払われた交通事故の損害賠償金など計2412万円を着服していた。

殺人容疑での逮捕と共犯者の判決

男は1997年の傷害致死などの罪で起訴され、公判中だった2004年2月5日、県警捜査本部は男ら4人を殺人の疑いで逮捕した。殺人の共犯とされた元暴力団組長は、この時点ですでに死亡していた。 甲府地裁は2004年9月16日、共犯者5人に判決を言い渡した。キャンプ場での殺人に加わった男には懲役9年(求刑懲役15年)、ほかの4人には懲役1年から3年(いずれも執行猶予付き)が言い渡され、懲役9年の判決は確定した。

一審の死刑判決と控訴審

男は殺人について否認し、事件当日は現場にいなかったと主張したが、甲府地裁は2006年10月20日、アリバイは成立しないと判断し、求刑通り死刑を言い渡した。判決は、男が自らの暴行で1人の命を奪っていながら、その約3年後に今度は確実に殺すつもりで2人の命を続けざまに奪ったとして「人命軽視の態度は甚だしい」と述べた。 東京高裁は2008年4月21日、一審判決を支持し、男の控訴を棄却した。

最高裁の異例の審理と死刑の確定

最高裁第三小法廷で2011年12月20日に開かれた上告審の弁論で、弁護側は、懲役9年が確定した共犯者が従来の供述を覆し「被告は現場にいなかった」と述べた陳述書を提出して、無罪を主張した。最高裁は結審後の2012年5月、弁論を改めて開くことを決めた。結審後の弁論再開は異例で、10月16日の再開弁論では共犯者の陳述書などを取り調べ、改めて結審した。法律審である最高裁での事実調べも異例だった。 最高裁は2012年12月11日、陳述書は共犯者の一審での供述の信用性を左右するものではないとして、男が現場で殺人を実行したと認定した一、二審の判断を是認した。そのうえで「刑事責任は極めて重大」として、裁判官全員一致で上告を棄却し、死刑が確定した。 男は2020年1月に体調不良を訴えて治療を受けていたが、同年2月11日、東京拘置所で間質性肺炎のため死亡した。刑は執行されなかった。

審理・経過の流れ

  1. 事件・事故 2000年5月14日
  2. 逮捕 2003年9月26日 +1,230日
  3. 逮捕 2004年2月5日 +132日
  4. 判決 2004年9月16日 +224日
  5. 判決 2006年10月20日 +764日
  6. 判決 2008年4月21日 +549日
  7. 公判 2012年10月16日 +1,639日
  8. 判決 2012年12月11日 +56日

経過

  1. 1997年3月
    平成9年

    その他 会社の事務所で、雇っていた身元不詳の男性が木刀で殴られ死亡する

    確定判決で傷害致死と認定

  2. 2000年5月14日
    平成12年

    事件・事故 都留市のキャンプ場で、元従業員の男性2人が車内で首を絞められ殺害される

    死者2人。遺体は重機でキャンプ場の土中に埋められた

  3. 2003年9月26日
    平成15年

    逮捕 元社長の男らを保険金の横領容疑で逮捕

    元従業員名義の口座から損害保険金を引き出して着服した疑い

  4. 2003年10月6日
    平成15年

    その他 キャンプ場の捜索を開始し、翌日までに3人の遺体を発見

    重機オペレーターの証言に基づく捜索

  5. 2004年2月5日
    平成16年

    逮捕 元社長の男ら4人を殺人容疑で逮捕

    男は傷害致死罪などで公判中だった

  6. 2004年9月16日
    平成16年

    判決 甲府地裁が共犯者5人に判決、殺人に加わった男に懲役9年

    ほかの4人は懲役1〜3年(いずれも執行猶予付き)

    甲府地方裁判所

  7. 2006年10月20日
    平成18年

    判決 甲府地裁が元社長の男に求刑通り死刑を言い渡す

    アリバイの主張を退ける

    甲府地方裁判所 (事件番号: 平成15年(わ)第400号等)

  8. 2008年4月21日
    平成20年

    判決 東京高裁が控訴を棄却し、一審の死刑判決を支持

    東京高等裁判所

  9. 2012年10月16日
    平成24年

    公判 最高裁が結審後に弁論を再開し、共犯者の陳述書を取り調べる

    法律審である最高裁での事実調べは異例

    最高裁判所第三小法廷 (事件番号: 平成20年(あ)第909号)

  10. 2012年12月11日
    平成24年

    判決 最高裁が上告を棄却し、死刑が確定

    裁判官全員一致の判決

    最高裁判所第三小法廷 (事件番号: 平成20年(あ)第909号)

  11. 2020年2月11日
    令和2年

    その他 死刑が確定していた男が東京拘置所で病死

    間質性肺炎のため。刑は執行されなかった

出典・公的資料

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「山梨キャンプ場殺人事件」事件JP、2026年10月28日閲覧。https://jiken.jp/cases/2000-yamanashi-campground-murders/
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更新履歴

  • 2026年10月21日 初版公開

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