宇都宮宝石店放火殺人事件 通称: 宇都宮宝石店放火強盗殺人事件

結末 2007年2月、最高裁が上告を棄却し死刑が確定。2010年7月に執行された

発生日 2000年6月11日(平成12年) 2000年(平成12年)の事件 / 6月11日に起きた事件
経過 発生から26年4か月 2007年2月20日の確定から19年8か月
発生場所 栃木県 宇都宮市(江野町)
種別 放火
状態 判決確定
被害 死者 6人
2000年(平成12年)6月11日夜、栃木県宇都宮市江野町の宝飾品店「ジュエリーツツミ宇都宮店」で、客として店に出入りしていた男(当時49)が、店長と店員の女性6人の手足を縛って休憩室に閉じ込め、ガソリンをまいて火を付けて殺害し、指輪など293点(約1億4025万円相当)を奪った事件。男は借金を抱え、妻に知られることを恐れて強盗を計画していた。宇都宮地裁は2002年3月に死刑を言い渡し、東京高裁も控訴を棄却。2007年2月に最高裁が上告を棄却して死刑が確定し、2010年7月に執行された。
宇都宮宝石店放火殺人事件を象徴する概念イラスト
※イメージ画像(生成AIによる概念イラストであり、実際の現場・関係者を写したものではありません)
スポンサーリンク

閉店後の宝石店で起きた事件

2000年(平成12年)6月11日午後10時50分ごろ、宇都宮市江野町の宝飾品店「ジュエリーツツミ宇都宮店」から出火した。現場は県内有数の繁華街「オリオン通り」の一角で、鉄筋コンクリート造4階建ての建物の1階にある店舗と休憩室(床面積111.64平方メートル)が全焼し、焼け跡から店長(当時49歳)と店員5人(当時22〜51歳)の女性6人の遺体が見つかった。宇都宮地裁の判決によると、6人のうち2人が火傷で、4人が焼死で亡くなった。店からは指輪など293点、価格にして1億4025万2740円相当の商品が奪われていた。栃木県警は放火殺人事件として宇都宮中央署に捜査本部を置いた。
スポンサーリンク

借金と強盗計画

判決が認定した経緯によると、男は1998年(平成10年)秋ごろから客として店に出入りしていた。浪費などで再び多額の借金を抱え、妻に知られれば離婚されて家族が崩壊すると恐れ、一攫千金をねらって、普段から自分を信用している女性だけの店を標的に強盗殺人を計画した。 最初の計画は2000年5月29日で、店長を連れ出して商品を奪うつもりだったが、本社の男性社員が同行すると譲らなかったため断念した。男は6月初めと事件当日にガソリンを買い、計約7リットルを用意した。事件当日は午後5時12分ごろに来店して1億5000万円相当の商品を用意させ、閉店後の午後7時30分ごろに店へ戻って品定めをした。その後、従業員全員の手足を縛って目隠しをし、店の奥の休憩室に押し込めたうえで、ガソリンをまいて火を付けた。

逮捕と起訴

捜査本部は事件翌日の6月12日、現場近くの東武宇都宮駅の周辺で、両足にやけどを負った男を見つけて任意同行し、6月13日未明に強盗殺人と現住建造物等放火の疑いで逮捕した。男は栃木県小山市に住む元飲食店経営者だった。 宇都宮地検は7月4日、男を強盗殺人と現住建造物等放火の罪で宇都宮地裁に起訴した。10月10日の初公判で、男は「殺すつもりではなかった」と殺意を否認した。

裁判と死刑確定

公判では殺意の有無が争われた。男は、脅すつもりでライターを付けたら爆発したと主張したが、宇都宮地裁は、店員を焼き殺す計画で、口封じのためにガソリンに火を付けたとする捜査段階の供述を信用できるとして、殺意を認めた。 2002年(平成14年)3月19日、宇都宮地裁は求刑どおり死刑を言い渡した。判決は本件を「我が国犯罪史上まれに見る凶悪,重大事案」とし、動機は「あまりに利己的・自己中心的」で、周到に準備した計画的犯行だと述べた。さらに、簡単に手に入るガソリンで凶悪な犯行が行われたことに社会が大きな衝撃を受け、模倣した犯行も起きていると指摘した。 東京高裁は2003年4月23日に控訴を棄却した。最高裁第三小法廷は2007年2月20日、裁判官全員一致で上告を棄却し、「何の落ち度もない6名の生命を奪うなどした結果は極めて重大」で、犯行が社会に及ぼした影響も甚大だとして死刑を維持した。これにより一審・二審の死刑が確定した。

死刑の執行

毎日新聞は、この死刑確定により全国の拘置所に収容されている死刑確定者が100人に達する見通しになったと報じた。 法務省は2010年(平成22年)7月28日、東京拘置所で男を含む死刑囚2人の刑を執行したと発表した。死刑の執行は1年ぶりで、民主党政権では初めてだった。千葉景子法相が執行に立ち会い、同じ日に、死刑制度の存廃を含めて検討する勉強会を省内に設ける方針と、それまで公開していなかった東京拘置所の刑場を報道陣に公開する考えを示した。

審理・経過の流れ

  1. 事件・事故 2000年6月11日
  2. 逮捕 2000年6月13日 +2日
  3. 起訴 2000年7月4日 +21日
  4. 公判 2000年10月10日 +98日
  5. 判決 2002年3月19日 +525日
  6. 判決 2003年4月23日 +400日
  7. 判決 2007年2月20日 +1,399日

経過

  1. 2000年5月29日
    平成12年

    その他 男が店長を連れ出して商品を奪う計画を実行しようとするが断念

    本社の男性社員が同行すると譲らなかったため(宇都宮地裁の認定)

  2. 2000年6月11日
    平成12年

    事件・事故 宇都宮市江野町の宝飾品店で放火、従業員の女性6人が死亡

    午後10時50分ごろ出火。指輪など293点(約1億4025万円相当)が奪われた

  3. 2000年6月13日
    平成12年

    逮捕 強盗殺人と現住建造物等放火の疑いで男を逮捕

    前日に東武宇都宮駅の周辺で見つけ任意同行していた

  4. 2000年7月4日
    平成12年

    起訴 宇都宮地検が強盗殺人と現住建造物等放火の罪で起訴

    宇都宮地方裁判所

  5. 2000年10月10日
    平成12年

    公判 初公判。男は殺意を否認

    宇都宮地方裁判所

  6. 2002年3月19日
    平成14年

    判決 宇都宮地裁が死刑判決(求刑どおり)

    宇都宮地方裁判所 (事件番号: 平成12年(わ)第397号)

  7. 2003年4月23日
    平成15年

    判決 東京高裁が控訴を棄却

    東京高等裁判所

  8. 2007年2月20日
    平成19年

    判決 最高裁第三小法廷が上告を棄却し、死刑が確定

    裁判官全員一致

    最高裁判所第三小法廷 (事件番号: 平成15年(あ)第1120号)

  9. 2010年7月28日
    平成22年

    その他 東京拘置所で死刑が執行される

    民主党政権で初めての死刑執行

出典・公的資料

一次資料 2件 判決文・白書・調査報告書・法令など、原典にあたれる資料を掲載しています。

さらに調べるには

資料の探し方や引用の書き方は調べ学習・レポートでの使い方にまとめています。

関連する法律用語

この記事を引用する

レポート・記事などで本ページを参照する際は、以下の表記をご利用ください。一次資料までたどる方法は調べ学習・レポートでの使い方をご覧ください。

「宇都宮宝石店放火殺人事件」事件JP、2026年10月28日閲覧。https://jiken.jp/cases/2000-utsunomiya-jewelry-store-arson-murder/
スポンサーリンク

更新履歴

  • 2026年10月19日 初版公開

本ページは公的資料に基づいて作成しています。情報の誤りにお気づきの場合や、掲載内容の削除・訂正のご依頼は お問い合わせ・削除依頼よりご連絡ください。