東名高速飲酒運転事故

結末 2001年1月、東京高裁が検察の控訴を棄却し、トラック運転手の懲役4年が確定

発生日 1999年11月28日(平成11年) 1999年(平成11年)の事件 / 11月28日に起きた事件
経過 発生から26年11か月 2001年1月1日の確定から25年10か月
発生場所 東京都 世田谷区
種別 事故
状態 判決確定
被害 死者 2人  負傷者 1人
  • 事件が変えた法律・制度遺族による訴えが2001年の刑法改正による危険運転致死傷罪の新設、道路交通法改正による飲酒運転の罰則強化につながった。
東名高速道路で飲酒運転のトラックが乗用車に追突・炎上させ、幼い姉妹2人が死亡した事故。危険運転致死傷罪創設の契機となった。
東名高速飲酒運転事故を象徴する概念イラスト
※イメージ画像(生成AIによる概念イラストであり、実際の現場・関係者を写したものではありません)
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事故の経過

1999年(平成11年)11月28日午後3時30分ごろ、東京都世田谷区の東名高速道路東京インターチェンジ付近で、飲酒運転をしていた12トントラックが、箱根からの行楽帰りだった家族4人が乗る乗用車に追突した。乗用車は料金所を通過するため減速していたところだった。乗用車は大破・炎上し、運転席にいた妊娠中の母親(31歳)は自力で脱出したものの、後部座席にいた3歳と1歳の女児2人は焼死し、助手席にいた父親(49歳)も全身の25パーセントに及ぶ大やけどを負った。
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飲酒運転トラック運転手の刑事責任

トラックの運転手は飲酒運転の常習者で、事故当日も高知から大阪へのフェリーの中や東名高速の海老名サービスエリアなどでウイスキー1瓶とチューハイ1缶を飲み、呼気1リットルあたり0.63ミリグラムのアルコールが検出された。事故当時、危険運転致死傷罪はまだ存在しておらず、運転手は業務上過失致死傷罪と道路交通法違反の罪に問われた。2000年6月8日、東京地方裁判所は、法定刑の上限にあたる求刑懲役5年に対して懲役4年の判決を言い渡した。東京地検は「限りなく故意に近い事故で、法定刑の上限が適用されるべきだ」として、飲酒運転の事件としては異例の控訴に踏み切ったが、東京高等裁判所は2001年1月12日に控訴を棄却し、東京高検が上告を断念したため懲役4年の判決が確定した。一方、夫妻が起こした民事訴訟では、2003年に約2億4,980万円の損害賠償を命じる判決が確定している。

危険運転致死傷罪の創設への影響

幼い命が飲酒運転によって奪われたにもかかわらず、当時の法定刑の上限が懲役5年にとどまっていたことに対し、遺族や世論から厳罰化を求める声が高まった。遺族による署名活動などを背景に、2001年に道路交通法および刑法が改正され、人を死亡させた場合に1年以上15年以下の懲役を科すことができる「危険運転致死傷罪」が新設された。本事故は、日本の交通刑事政策の大きな転換点となった事故として記録されている。

遺族の訴えとその後の法改正

事故で娘2人を失った両親は、業務上過失致死傷罪の法定刑の軽さに疑問を抱き、全国で講演活動や署名活動を展開した。夫妻の訴えは大きな社会的反響を呼び、2001年の刑法改正による危険運転致死傷罪の新設だけでなく、その後の道路交通法改正による飲酒運転の罰則強化にもつながったとされる。一方で、危険運転致死傷罪が適用されるかどうかで刑の重さが大きく変わる制度のあり方については、遺族がその後も問題提起を続けている。

交通安全教育への活用

この事故は、飲酒運転による交通事故の悲惨さを象徴する事例として、その後も交通安全教育の教材として広く用いられている。

審理・経過の流れ

  1. 事件・事故 1999年11月28日
  2. 判決 2000年6月8日 +193日
  3. 判決 2001年1月 +207日
  4. 判決 2001年1月12日 +11日

経過

  1. 1999年11月28日
    平成11年

    事件・事故 東名高速道路で飲酒運転トラックが乗用車に追突

    幼い姉妹2人が焼死した。

  2. 2000年6月8日
    平成12年

    判決 東京地裁がトラック運転手に懲役4年の判決

    求刑は法定刑の上限の懲役5年だった。東京地検は量刑不当として控訴した。

    東京地方裁判所

  3. 2001年1月
    平成13年

    判決 東京高検が上告を断念し、懲役4年の判決が確定

  4. 2001年1月12日
    平成13年

    判決 東京高裁が検察の控訴を棄却

    第一審の懲役4年の判決を支持した。

    東京高等裁判所

  5. 2001年11月28日
    平成13年

    その他 刑法改正により危険運転致死傷罪が新設

    本事故を一つの契機として法定刑が引き上げられた。

出典・公的資料

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「東名高速飲酒運転事故」事件JP、2026年11月2日閲覧。https://jiken.jp/cases/1999-tomei-expressway-drunk-driving-accident/
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更新履歴

  • 2026年9月28日 判決確定の経緯の誤り(双方控訴せず→検察控訴・高裁棄却・上告断念)を訂正し、年表を修正、民事訴訟の結果を補記

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