昭和電工事件

結末 1962年4月、最高裁で昭和電工社長の懲役1年・執行猶予5年が確定。前首相・前副総理らは無罪となった

発生日 1948年9月13日(昭和23年) 1948年(昭和23年)の事件 / 9月13日に起きた事件
経過 発生から78年1か月 1962年11月1日の確定から63年11か月
発生場所 東京都 千代田区(東京地方検察庁)
種別 汚職・政治事件
状態 判決確定
1948年(昭和23年)、化学メーカー・昭和電工の社長・日野原節三が、復興金融金庫からの融資獲得などをめぐって政官界に賄賂を贈ったとされる贈収賄事件。同年6月に日野原が逮捕されたのを皮切りに、9月には大蔵省主計局長の福田赳夫らが、10月には前副総理の西尾末広が逮捕され、芦田均内閣は総辞職に追い込まれた。12月には芦田本人も逮捕され、逮捕者は64人に及んだ。裁判では日野原ら一部が執行猶予付きの有罪となったが、芦田・西尾・福田を含む多くの政官界人は無罪となった。
昭和電工事件を象徴する概念イラスト
※イメージ画像(生成AIによる概念イラストであり、実際の現場・関係者を写したものではありません)
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事件の経過

復興金融金庫(復金)からの融資獲得をめぐり、化学メーカー・昭和電工の社長・日野原節三は、復金の幹部や官僚、さらに事件発覚後はもみ消しのために政治家にも賄賂を贈ったとされる。1948年5月、警視庁捜査第2課が物価統制令違反の容疑で昭和電工本社を捜索して帳簿などを押収し、捜査はすぐに汚職事件へと移った。同年6月23日、日野原が贈賄容疑で逮捕され、東京地検に特別捜査本部が設置された9月には、元農林事務次官の重政誠之、大蔵省主計局長の福田赳夫(後の内閣総理大臣)、元自由党幹事長の大野伴睦、復金理事の二宮善基らが収賄容疑で相次いで逮捕された。
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芦田内閣総辞職と裁判の結果

同年9月30日には経済安定本部総務長官の栗栖赳夫が45万円の収賄容疑で逮捕され、10月6日には芦田均内閣の前副総理・西尾末広が100万円の収賄容疑で逮捕された。政権の中枢にまで及んだ疑惑を受け、芦田内閣は翌10月7日、総辞職に追い込まれた。12月には芦田均本人も逮捕され、逮捕者は64人に及んだ。このうち37人が起訴され、裁判は1952年の一審、1958〜59年の控訴審、1962年の最高裁と進んだ。1962年4月13日の最高裁判決で日野原節三に懲役1年・執行猶予5年、同年11月には栗栖赳夫に懲役8か月・執行猶予1年の有罪が確定し、元農林事務次官の重政誠之も執行猶予付きの有罪となった。一方、芦田均・西尾末広・福田赳夫を含むほかの政官財界人は無罪となり、実刑を受けた者は1人もいなかった。事件の背景には、GHQ内部の権力闘争があったことも指摘されている。当初、民主化政策を進める民政局(GS)の高官の名前も取り沙汰されて同局は威信を失い、対照的に反共工作を担う参謀第2部(G2)の発言力が強まった。これを機にGHQの占領政策は保守的な方向へ転換したとされ、単なる贈収賄事件にとどまらず、占領期の権力構造そのものに影響を及ぼした事件として位置づけられている。

審理・経過の流れ

  1. 逮捕 1948年6月23日
  2. 逮捕 1948年9月13日 +82日
  3. 逮捕 1948年9月18日 +5日
  4. 逮捕 1948年9月30日 +12日
  5. 逮捕 1948年10月6日 +6日
  6. 逮捕 1948年12月 +56日
  7. 判決 1962年4月13日 +4,881日
  8. 判決 1962年11月 +202日

経過

  1. 1948年5月
    昭和23年

    捜査 警視庁が昭和電工本社を捜索

    物価統制令違反の容疑で帳簿などを押収し、捜査は汚職事件へと移った。

  2. 1948年6月23日
    昭和23年

    逮捕 日野原節三、商工省課長らへの贈賄容疑で逮捕

  3. 1948年9月13日
    昭和23年

    逮捕 福田赳夫、収賄容疑で逮捕

  4. 1948年9月18日
    昭和23年

    逮捕 大野伴睦、収賄容疑で逮捕

    衆議院議員・大野伴睦が20万円の収賄容疑で逮捕されたとする記録がある。

  5. 1948年9月30日
    昭和23年

    逮捕 栗栖赳夫、収賄容疑で逮捕

  6. 1948年10月6日
    昭和23年

    逮捕 西尾末広、収賄容疑で逮捕

  7. 1948年10月7日
    昭和23年

    その他 芦田内閣、総辞職

  8. 1948年12月
    昭和23年

    逮捕 芦田均前首相が逮捕される

    逮捕者は64人に及んだ。

  9. 1962年4月13日
    昭和37年

    判決 日野原節三、懲役1年・執行猶予5年が確定

    最高裁判所

  10. 1962年11月
    昭和37年

    判決 栗栖赳夫、懲役8か月・執行猶予1年が確定

    最高裁判所

出典・公的資料

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「昭和電工事件」事件JP、2026年10月30日閲覧。https://jiken.jp/cases/1948-showa-denko-scandal/
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更新履歴

  • 2026年10月19日 裁判の経過(起訴人数・審級の時期)と、重政誠之の有罪・前首相らの無罪を追記
  • 2026年10月2日 一次資料補強:高崎経済大学論集の論文を出典に追加し、事件の発覚時期(1948年5月の警視庁の捜索)、9月の逮捕者、12月の芦田均の逮捕と逮捕者数(64人)を追記、要約を事件全体の説明に修正
  • 2026年9月24日 栗栖赳夫の収賄容疑額を訂正(30万円→45万円)、大野伴睦の逮捕を年表に追加
  • 2026年7月23日 初版公開

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