磐越道マイクロバス事故

現在 2026年5月に運転手の男が過失運転致死傷の疑いで逮捕され、9月に鑑定留置が延長されて起訴・不起訴は決まっていない

この事件は捜査中です。 判決が確定していない被告人・被疑者は、有罪判決が確定するまで無罪と推定されます。記述は2026年10月18日時点で確認できた公的資料・報道に基づいており、今後の審理により変わる可能性があります。

発生日 2026年5月6日(令和8年) 2026年(令和8年)の事件 / 5月6日に起きた事件
経過 発生から5か月
発生場所 福島県 郡山市熱海町
種別 事故
状態 捜査中 公訴時効早見表で制度を確認できます
被害 死者 1人
  • 事故・災害が変えた安全対策文部科学省と国土交通省が、部活動の遠征など学校教育活動での移動の安全確保策をまとめ、管理職による事前承認や教職員の同乗などを全国に求めた。
2026年5月6日朝、福島県郡山市の磐越自動車道上り線で、新潟県の私立高校の男子ソフトテニス部員20人を乗せたマイクロバスがガードレールなどに衝突し、生徒1人が死亡、多数が負傷した事故。バスは事業用の貸切バスではなく白ナンバーのレンタカーで、手配の経緯をめぐって学校と手配に関わったバス会社の説明が食い違っている。運転手の男は過失運転致死傷の疑いで逮捕され、鑑定留置が続いている。文部科学省と国土交通省は6月、部活動の遠征など学校の移動の安全確保策をまとめ、全国に通知した。
磐越道マイクロバス事故を象徴する概念イラスト
※イメージ画像(生成AIによる概念イラストであり、実際の現場・関係者を写したものではありません)
スポンサーリンク

遠征中のマイクロバスの衝突

2026年5月6日午前7時40分ごろ、福島県郡山市熱海町高玉の磐越自動車道上り線で、マイクロバスが道路脇の緩衝材やガードレールに衝突した。現場は猪苗代磐梯高原インターチェンジと磐梯熱海インターチェンジの間である。国土交通省の通知は、発生を午前7時45分ごろとしている。バスには新潟県の私立高校の男子ソフトテニス部の部員20人が乗っていた。部活動の遠征で、県外の練習試合に参加するため、新潟県から福島県へ向かう途中だった。この事故で男子生徒1人(17)が車外に投げ出されて死亡した。負傷者の数は資料によって異なる。県警の逮捕容疑では、17人に重軽傷を負わせたとされる。事故当日の福島民報は、重傷の2人を含む計26人が病院に運ばれたと報じた。共同通信は20人が重軽傷を負ったと伝えている。
スポンサーリンク

白ナンバーのレンタカーと手配の経緯

事故を起こしたバスは、国の許可を受けた事業者が使う緑ナンバーの貸切バスではなく、白ナンバーのレンタカーだった。国土交通相は国会で、新潟県のバス会社「蒲原鉄道」が車両と運転手の手配に関わっていたと答弁した。文部科学省と国交省の文書によると、学校と蒲原鉄道はどちらも、このバスの手配について事前に見積書や契約書を交わしていなかったと回答した。蒲原鉄道は、事故が起きるまで、会社として自社の担当者が関わっていたことを把握できていなかったと答えた。手配の経緯について、両者の認識は異なっている。報道によると、会社側は学校側がレンタカーを希望したと説明し、学校側はこれを否定している。自家用車やレンタカーで、他人の求めに応じてお金を取って人を運ぶことは「白バス」と呼ばれ、道路運送法違反になる。金子恭之国交相は5月15日の会見で、レンタカー契約書の借受人は高校だったと説明した。そのうえで、白バスに当たるかどうかは、調査中の事項も踏まえて判断するとした。国交省幹部は6月、事故そのものではなく、過去の貸切バス契約で運送引受書を交付していなかったことを理由に、蒲原鉄道への行政処分を検討していると説明したと報じられた。白バスに当たるかどうかの判断や処分は、2026年10月時点で公表されていない。

捜査と運輸局の監査

福島県警は5月7日、運転していた68歳の男を、自動車運転処罰法違反(過失運転致死傷)の疑いで逮捕した。報道によると、男は制限速度80キロの区間を時速90〜100キロで走り、カーブを曲がりきれなかったという趣旨の供述をした。バスにはドライブレコーダーがなかった。男は、客を乗せて運ぶ仕事に必要な第二種運転免許を持っていなかったとも報じられた。県警は蒲原鉄道や男の自宅を家宅捜索した。福島地方検察庁郡山支部は5月22日、刑事責任能力の有無を調べるため鑑定留置を始め、9月14日に期間を3カ月延長した。鑑定留置は12月中旬までとされる。男の起訴・不起訴は、2026年10月時点で決まっていない。一方、国交省の北陸信越運輸局は5月7日に蒲原鉄道に立ち入り、レンタカー業者や蒲原鉄道に道路運送法に基づく監査を行った。5月11日には高校にも立ち入った。国交相は国会で、契約関係を裏付ける書類が残っていないことや、同じような手配が以前から複数回行われていたことを確認したと答弁した。

学校の管理体制

文部科学省は、高校を所管する新潟県を通じて、事故の経緯を確認した。高校は、学校の管理職がこの遠征の実施を事前に把握していなかったこと、引率は顧問の教員1人で、その教員はバスに同乗していなかったことなどを回答した。報道によると、高校は新潟県の調査に対し、顧問が出張の申請を忘れていたと説明した。文科省は、事故より前の高校の危機管理マニュアルに、校外活動での危機を防ぐ対策が書かれていなかったことも確認した。高校は5月12日付でマニュアルを改正し、この対策を書き加えた。文科省は5月20日の衆議院文部科学委員会で、課題として次の点を挙げた。契約の主体や内容をはっきりさせること、実際に運転する人をレンタカーの契約に運転者として書くこと、無理のない移動の計画を立てること、顧問任せにせず学校の組織全体で対応することである。新潟県は事故後、県内の高校など101校の部活動の遠征の実態を調べ、8月20日に結果を公表した。レンタカーや運転手の手配・契約に疑問がある遠征が計15件見つかり、県は道路運送法違反の可能性も含めて運輸局に相談しているとした。

5月19日の通知と連絡会議

国は事故から2週間ほどで最初の対応をとった。5月19日、スポーツ庁地域スポーツ課長など4人の連名で、「部活動の遠征等における安全確保について」が全国の教育委員会などに通知された。その中では、国の許可を受けた貸切バス事業者やタクシー事業者と契約すること、乗る前に緑ナンバーかどうかを確かめること、国交省の貸切バスの選定・利用ガイドラインを使うこと、貸切バス事業者から運送引受書を受け取って契約の内容をはっきりさせることなどを求めた。同じ日、国交省物流・自動車局も、日本バス協会などにこの通知を周知した。5月21日、文科省と国交省は、両省の局長級でつくる「学校教育等に関する移動の安全確保に向けた連絡会議」を設けた。会議は関係者からの聞き取りや有識者の意見も踏まえて計7回開かれた。修学旅行など教育課程内の移動は、公共交通機関や貸切バス、スクールバスを原則とする。一方、部活動など教育課程外の活動では、地域の実情によって他の手段も必要になる。会議はこの考え方に立ち、その場合の安全対策を中心に話し合った。

移動の安全確保のための7つの対策

6月30日、両省は「学校教育等に関する移動の安全確保のための対策」をとりまとめた。対策は7つの項目からなる。1つ目はガバナンスの徹底で、学校の管理職を「安全管理の責任者」と位置づけ、部活動を含む校外活動の引率計画や教職員の出張を、書面などで事前に承認させる。2つ目は事業者の選び方と契約の文書化で、学校と事業者の双方が、利用の前に見積書や契約書で契約の主体や内容をはっきりさせ、保存する。3つ目はレンタカーの契約の在り方で、学校自らが借受人となり、実際に運転する可能性のある人を全員、運転者として契約に書く。レンタカー事業者以外の事業者は、旅行業者を通す場合を除き、学校に代わってレンタカーを手配しない。4つ目は新しく作った「安全管理チェックシート」の活用である。5つ目は運転者の手配の在り方で、学校が自らの責任で運転者を手配し、免許や事故歴・違反歴を前もって確かめる。6つ目は教職員などが車に同乗することが望ましいとした点、7つ目は管理職や教職員への安全研修である。文科省は学校関係者に、国交省はバスやレンタカーの業界に、この内容を周知した。

審理・経過の流れ

  1. 事件・事故 2026年5月6日
  2. 逮捕 2026年5月7日 +1日

経過

  1. 2026年5月6日
    令和8年

    事件・事故 磐越道でマイクロバスがガードレールに衝突、生徒1人死亡

    男子ソフトテニス部員20人が乗るレンタカーのマイクロバス

  2. 2026年5月7日
    令和8年

    逮捕 福島県警が運転手の男を過失運転致死傷の疑いで逮捕

  3. 2026年5月7日
    令和8年

    捜査 北陸信越運輸局が蒲原鉄道に立ち入り

    その後、レンタカー業者と蒲原鉄道に監査

  4. 2026年5月11日
    令和8年

    捜査 北陸信越運輸局が高校に立ち入り

  5. 2026年5月15日
    令和8年

    その他 国交相、レンタカー契約の借受人は高校だったと説明

    白バスに当たるかどうかは調査中

  6. 2026年5月19日
    令和8年

    その他 スポーツ庁などが部活動の遠征の安全確保を全国に通知

    8ス地ス第8号

  7. 2026年5月21日
    令和8年

    その他 文科省と国交省が移動の安全確保に向けた連絡会議を設置

  8. 2026年5月22日
    令和8年

    捜査 福島地検郡山支部が運転手の男の鑑定留置を始める

    刑事責任能力の有無を調べる

  9. 2026年6月30日
    令和8年

    その他 両省が学校教育等の移動の安全確保のための対策をとりまとめ

    管理職の事前承認、レンタカー契約の在り方など7項目

  10. 2026年8月20日
    令和8年

    捜査 新潟県の調査で、疑問のある部活動の遠征15件が判明

    101校を調査

  11. 2026年9月14日
    令和8年

    捜査 地検支部が鑑定留置を3カ月延長

出典・公的資料

一次資料 1件 判決文・白書・調査報告書・法令など、原典にあたれる資料を掲載しています。

さらに調べるには

資料の探し方や引用の書き方は調べ学習・レポートでの使い方にまとめています。

関連する法律用語

この記事を引用する

レポート・記事などで本ページを参照する際は、以下の表記をご利用ください。一次資料までたどる方法は調べ学習・レポートでの使い方をご覧ください。

「磐越道マイクロバス事故」事件JP、2026年10月27日閲覧。https://jiken.jp/cases/2026-ban-etsu-expressway-microbus-crash/
スポンサーリンク

更新履歴

  • 2026年10月16日 初版公開

本ページは公的資料に基づいて作成しています。情報の誤りにお気づきの場合や、掲載内容の削除・訂正のご依頼は お問い合わせ・削除依頼よりご連絡ください。