新居浜3人殺害事件 通称: 新居浜一家3人刺殺事件

結末 2025年12月、最高裁が上告を棄却する決定をし、心神耗弱を認めた一、二審の無期懲役(求刑も無期懲役)が確定した

発生日 2021年10月13日(令和3年) 2021年(令和3年)の事件 / 10月13日に起きた事件
経過 発生から5年 2025年12月9日の確定から10か月
発生場所 愛媛県 新居浜市(垣生2丁目)
種別 殺人
状態 判決確定
被害 死者 3人  負傷者 0人
2021年(令和3年)10月13日夕方、愛媛県新居浜市垣生の住宅で、住人の男性(当時51歳)とその両親(ともに当時80歳)の3人が、男性の元同僚だった男(当時53歳)にナイフで刺されて死亡した事件。男は妄想型統合失調症による被害妄想から男性への恨みを募らせていたと認定された。事件前の約2年間、被害者側と男の双方から警察に相談が寄せられていたことから、警察や保健所の対応が焦点となった。松山地裁の裁判員裁判は心神耗弱を認めて求刑通り無期懲役を言い渡し、高松高裁も控訴を棄却。2025年12月、最高裁が上告を棄却する決定をした。
新居浜3人殺害事件を象徴する概念イラスト
※イメージ画像(生成AIによる概念イラストであり、実際の現場・関係者を写したものではありません)
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事件の経過

2021年(令和3年)10月13日午後5時40分ごろ、愛媛県新居浜市垣生2丁目の住宅から「前にも来た男が来て、もめている」と110番通報があった。新居浜署員が駆けつけると、住人の男性(当時80歳)が玄関先で、妻(当時80歳)と三男(当時51歳)が屋内で、それぞれ刃物で刺されて倒れており、3人とも搬送先の病院で死亡が確認された。司法解剖の結果、死因はいずれも失血死だった。 愛媛県警は同日、現場にいた住所不定・無職の男(当時53歳)を、血の付いたナイフ(刃渡り約13センチ)を所持していたとして銃刀法違反の疑いで現行犯逮捕した。男は「殺すつもりでナイフを持っていた」と供述した。男は死亡した三男の元同僚だった。 後の控訴審判決が引く一審の認定によれば、男は同日午後5時46分ごろ、玄関先で応対した父親と、屋内にいた母親、三男の3人を、刃体の長さ約12.7センチのナイフで次々に刺して殺害した。男はこれより前に父親を包丁で刺したがうまく刺さらず、自分の車に戻ってナイフを持ち出し、約5分後に再び家を訪れて犯行に及んだと認定されている。
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事件前の相談と警察・保健所の対応

県警によると、事件の約2年前から、被害者側と男の双方から警察に相談が寄せられていた。2019年には三男が「(男から)電磁波攻撃をやめろと言われる」と警察に相談した。男の側も2019年7月から2020年9月にかけて計12回、「組織に狙われている」などと県警に相談していた。 県警は男の言動に不審な点があったため保健所へ行って相談するよう勧め、管轄の西条保健所にも計5回情報を提供した。保健所は対応の準備を整えたが、男が保健所を訪れることはなかった。事件の約3週間前の2021年9月23日にも、男が被害者宅に押しかけたとして110番通報があり、駆けつけた署員は男に口頭で注意するにとどめていた。 事件後、被害者の家族を知る人からは警察の対応が不十分だったとする声が上がり、警察や保健所の事前の対応が報道で焦点となった。県警は「所要の措置を講じたものと考えている」との見解を示した。

捜査と起訴

県警は10月15日、男を父親に対する殺人の疑いで再逮捕し、松山地検に送検した。男は「殺したことは事実です」と容疑を認めた。11月4日には、母親と三男を殺害した疑いでも再逮捕した。 捜査段階で男は「電磁波攻撃を受けた」などと供述しており、松山地検は11月19日から2022年2月25日まで、刑事責任能力を調べるための鑑定留置を行った。地検は鑑定の結果、刑事責任能力があると判断し、2022年3月3日、男を殺人と銃刀法違反の罪で起訴した。

一審・松山地裁の無期懲役判決

裁判員裁判では、犯行時の男の責任能力が争点となった。弁護側は心神喪失状態だったとして無罪を主張し、検察側は心神耗弱状態だったとして無期懲役を求刑した。 松山地裁は2023年12月18日、男が妄想型統合失調症の影響で、元同僚の三男やその属する「組織」から電磁波攻撃や盗聴をされているという強固な被害妄想を抱いていたと認定した。そのうえで、車上生活を送り所持金も尽きかけるなかで被害者宅を訪れ、三男がいるのを偶然見つけて殺害を決意したと判断し、犯行時は心神耗弱状態だったとして、求刑通り無期懲役を言い渡した。判決は、責任能力の点を除けば本来は極刑で臨むべき事案だとしつつ、心神耗弱による法律上の減軽で無期懲役とした。

控訴審・上告審と刑の確定

男の側は控訴し、控訴審では精神鑑定の請求を退けた一審の手続きの違法や、責任能力の判断の誤り、量刑不当を主張した。高松高裁は2024年8月22日、一審の判断を支持して控訴を棄却した。判決は「何の落ち度もない3名の命が奪われた極めて重大な結果の事案」であり、被告の被害妄想を前提としても母親まで殺害する理由はなく、生命軽視の度合いが甚だしいと指摘した。そのうえで、心神耗弱を理由に無期懲役への減軽にとどめた一審の判断は、心神耗弱の影響を過小評価したものとはいえないとした。 男は上告したが、最高裁第三小法廷は2025年12月9日付で上告を棄却する決定をし、無期懲役とした一、二審の判決が確定することになった。

審理・経過の流れ

  1. 事件・事故 2021年10月13日
  2. 逮捕 2021年10月13日 +0日
  3. 逮捕 2021年10月15日 +2日
  4. 起訴 2022年3月3日 +139日
  5. 判決 2023年12月18日 +655日
  6. 判決 2024年8月22日 +248日
  7. 判決 2025年12月9日 +474日

経過

  1. 2021年10月13日
    令和3年

    事件・事故 新居浜市垣生の住宅で住人の男性と両親の3人が刺殺される

    死者3人。いずれも失血死

  2. 2021年10月13日
    令和3年

    逮捕 現場にいた元同僚の男を銃刀法違反の疑いで現行犯逮捕

    血の付いたナイフを所持していた

  3. 2021年10月15日
    令和3年

    逮捕 父親に対する殺人の疑いで男を再逮捕

    松山地検へ送検。11月4日には母親と三男への殺人の疑いでも再逮捕

  4. 2021年11月19日
    令和3年

    その他 松山地検が鑑定留置を開始

    刑事責任能力を調べるため。期間は2022年2月25日まで

  5. 2022年3月3日
    令和4年

    起訴 松山地検が殺人と銃刀法違反の罪で起訴

    鑑定留置の結果、刑事責任能力があると判断

  6. 2023年12月18日
    令和5年

    判決 松山地裁(裁判員裁判)が求刑通り無期懲役を言い渡す

    犯行時は心神耗弱状態だったと認定

    松山地方裁判所 (事件番号: 令和4年(わ)第51号)

  7. 2024年8月22日
    令和6年

    判決 高松高裁が被告側の控訴を棄却

    一審の無期懲役判決を支持

    高松高等裁判所 (事件番号: 令和6年(う)第5号)

  8. 2025年12月9日
    令和7年

    判決 最高裁が上告を棄却し、無期懲役が確定

    最高裁第三小法廷の上告棄却決定(9日付)により、一、二審の無期懲役判決が確定

    最高裁判所第三小法廷

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「新居浜3人殺害事件」事件JP、2026年10月28日閲覧。https://jiken.jp/cases/2021-niihama-triple-murder/
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更新履歴

  • 2026年10月21日 初版公開

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