富山市奥田交番襲撃事件 通称: 富山交番襲撃事件

現在 2026年10月、富山地裁で差し戻し後の裁判員裁判が始まった。判決は12月8日の予定

この事件は公判中です。 判決が確定していない被告人・被疑者は、有罪判決が確定するまで無罪と推定されます。記述は2026年10月19日時点で確認できた公的資料・報道に基づいており、今後の審理により変わる可能性があります。

発生日 2018年6月26日(平成30年) 2018年(平成30年)の事件 / 6月26日に起きた事件
経過 発生から8年4か月 2024年3月11日の確定から2年7か月
発生場所 富山県 富山市(久方町・奥田双葉町)
種別 殺人
状態 公判中
被害 死者 2人
2018年(平成30年)6月26日午後、富山市久方町の富山中央警察署奥田交番で、元陸上自衛官の男(当時21)が交番所長の警部補(当時46)をナイフなどで襲って殺害し、奪った拳銃で近くの小学校の正門付近にいた警備員の男性(当時68)を警察官と誤認して射殺した事件。富山地裁の裁判員裁判は2021年3月、強盗殺人罪を認めず殺人罪と窃盗罪で無期懲役(求刑は死刑)としたが、名古屋高裁金沢支部が破棄して審理を差し戻し、最高裁も2024年3月に支持した。差し戻し後の裁判員裁判が2026年10月に富山地裁で始まり、判決は12月8日に予定されている。
富山市奥田交番襲撃事件を象徴する概念イラスト
※イメージ画像(生成AIによる概念イラストであり、実際の現場・関係者を写したものではありません)
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交番と小学校の前で起きた事件

2018年(平成30年)6月26日午後2時6分ごろ、富山市久方町の富山県富山中央警察署奥田交番の勝手口付近で、在所勤務中だった交番所長の警部補(当時46歳)が、交番を訪れた男にナイフなどで襲われて殺害された。男は警部補の拳銃を奪って交番を離れ、午後2時24分ごろ、近くの富山市立奥田小学校の正門付近にいた警備員の男性(当時68歳)を警察官と誤認して拳銃で撃ち、殺害した。同僚の警備員(当時69歳)にも2発を撃ったが、命中しなかった。 男は午後2時25分ごろ、駆けつけた警察官に拳銃で撃たれて負傷し、現行犯逮捕された。小学校の付近で拳銃が発砲されたことで、近隣の住民や児童にも大きな不安が広がった。殺害された警部補は殉職後に警視に昇任した。
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男の経歴と犯行の経緯

男は事件当時21歳で、2015年(平成27年)4月に陸上自衛隊に入隊して2年間勤務した後、対人関係のトラブルから暴力事件を起こして除隊していた。事件当時はアルバイトとして働いており、当日の午後1時ごろ、アルバイト先の店長から注意を受けたことに腹を立てて暴行し、けがを負わせた。 一審判決の認定によると、男は店を出た後、社会の中で居場所を定められない自分への失望や、自分を拒絶した者たちへの敵意などから自暴自棄になり、自衛隊で身につけた能力が通用するのかを戦いで確かめたいと考えて、標的を警察官に決めた。スマートフォンの地図アプリで最も近い交番を探し、奥田交番に徒歩で向かった。交番では警部補が拳銃を2発発射し、交番相談員もさすまたで加勢したが、男を制圧できなかった。

一審・無期懲役と強盗殺人罪の争点

男は2018年10月10日に通常逮捕されて取り調べが始まり、強盗殺人や殺人、殺人未遂などの罪で起訴された。裁判では、男が最初から拳銃を奪うつもりで警部補を襲ったのか(強盗殺人罪)、殺害した後に拳銃を取る気になったのか(殺人罪と窃盗罪)が大きな争点になった。 富山地裁の裁判員裁判は2021年(令和3年)3月、殺害後に拳銃を取る意思が生じた可能性を否定できないとして強盗殺人罪を認めず、殺人罪と窃盗罪の限度で事実を認定した。そのうえで、計画性が高いとはいえないことなどから、死刑を選ぶことがやむを得ないとまではいえないとして、求刑の死刑に対し無期懲役を言い渡した。判決は、自閉スペクトラム症の影響について、責任能力の低下は認めなかったものの、経緯や動機の形成に影響していたとして一定の限度で考慮した。また、事件が交番襲撃事件として全国的に報道され、複数の模倣犯を生んだことにも触れた。

差し戻しと再度の裁判員裁判

検察側と弁護側の双方が控訴し、名古屋高裁金沢支部は2022年(令和4年)3月24日、拳銃を奪う目的を認めずに強盗殺人罪の成立を否定した一審判決には事実の誤認があるとして、一審判決を破棄した。事件の重大性や裁判員裁判の対象事件であることを踏まえ、裁判員を含む合議体で改めて審理を尽くすべきだとして、審理を富山地裁に差し戻した。 弁護側は上告したが、最高裁第2小法廷は2024年3月11日付で上告を棄却する決定をし、強盗殺人罪の成立を前提に審理を差し戻した二審判決が確定した。 差し戻し後の裁判員裁判の初公判は2026年10月5日に富山地裁で開かれ、男は名前や起訴内容への認否を問われていずれも黙秘した。弁護側は改めて強盗目的を否定して強盗殺人罪の成立を争い、検察側は交番に入って短時間で拳銃を奪っており計画性があると主張した。富山地裁は12月8日に判決を言い渡す予定としている。

警察の初動をめぐる国家賠償訴訟

射殺された警備員の妻は、交番での事件の後に富山県警の警察官が交番周辺の住民や通行人に警告を出さなかったために夫が殺害されたとして、富山県に慰謝料など2602万円の支払いを求める国家賠償訴訟を起こした。富山地裁は2025年(令和7年)9月29日、県の責任を認めず請求を棄却した。この訴訟では、妻が男に対して同じ額の支払いを求めた請求は認められ、その判決は確定している。 事件の2日後の6月28日には、参議院外交防衛委員会で小野寺五典防衛相が、容疑者が過去に陸上自衛隊に2年間勤務していたことに触れ、「大変遺憾であり、全く許し難い」と述べた。

審理・経過の流れ

  1. 事件・事故 2018年6月26日
  2. 逮捕 2018年6月26日 +0日
  3. 逮捕 2018年10月10日 +106日
  4. 判決 2021年3月 +873日
  5. 判決 2022年3月24日 +388日
  6. 判決 2024年3月11日 +718日
  7. 公判 2026年10月5日 +938日

経過

  1. 2018年6月26日
    平成30年

    事件・事故 富山市の奥田交番で警部補が殺害され、奪われた拳銃で警備員が射殺される

    午後2時6分ごろ交番で襲撃、午後2時24分ごろ奥田小学校正門付近で発砲。死者2人

  2. 2018年6月26日
    平成30年

    逮捕 元陸上自衛官の男を現行犯逮捕

    午後2時25分ごろ。男は警察官に撃たれて負傷し入院した

  3. 2018年10月10日
    平成30年

    逮捕 男を通常逮捕し、取り調べを開始

  4. 2021年3月
    令和3年

    判決 富山地裁が無期懲役の判決(求刑は死刑)。強盗殺人罪は認めず

    殺人罪と窃盗罪の限度で認定

    富山地方裁判所 (事件番号: 平成31年(わ)第43号)

  5. 2022年3月24日
    令和4年

    判決 名古屋高裁金沢支部が一審判決を破棄し、富山地裁に差し戻す

    拳銃を奪う目的を認めなかったのは事実誤認と判断

    名古屋高等裁判所金沢支部 (事件番号: 令和3年(う)第25号)

  6. 2024年3月11日
    令和6年

    判決 最高裁が弁護側の上告を棄却する決定、差し戻しの二審判決が確定

    強盗殺人罪の成立を前提に、再び裁判員裁判で審理されることになった

    最高裁判所第二小法廷

  7. 2025年9月29日
    令和7年

    その他 警備員の妻が県に賠償を求めた国家賠償訴訟で、富山地裁が請求を棄却

    富山地方裁判所 (事件番号: 令和3年(ワ)第135号)

  8. 2026年10月5日
    令和8年

    公判 差し戻し後の裁判員裁判が富山地裁で始まる

    被告は黙秘。弁護側は強盗殺人罪の成立を争う。判決は12月8日の予定

    富山地方裁判所

出典・公的資料

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「富山市奥田交番襲撃事件」事件JP、2026年10月28日閲覧。https://jiken.jp/cases/2018-toyama-okuda-koban-attack/
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更新履歴

  • 2026年10月19日 初版公開

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