日置市5人殺害事件 通称: 日置5人殺害事件

現在 2025年3月、福岡高裁宮崎支部が一審の死刑判決を支持して控訴を棄却。弁護側は即日上告した

この事件は公判中です。 判決が確定していない被告人・被疑者は、有罪判決が確定するまで無罪と推定されます。記述は2026年10月20日時点で確認できた公的資料・報道に基づいており、今後の審理により変わる可能性があります。

発生日 2018年3月31日(平成30年) 〜 2018年4月6日 2018年(平成30年)の事件 / 3月31日に起きた事件
経過 発生から8年6か月
発生場所 鹿児島県 日置市
種別 殺人
状態 公判中
被害 死者 5人
2018年(平成30年)3月31日から4月6日にかけて、鹿児島県日置市東市来町湯田の民家で、無職の男(当時38歳)が父と祖母、安否確認に訪れた伯母とその姉、近くに住む男性の計5人を素手で首を絞めて殺害した事件。父と祖母の遺体は近くに埋められていた。鹿児島地裁の裁判員裁判は2020年12月、完全責任能力を認めて求刑通り死刑を言い渡し、2025年3月に福岡高裁宮崎支部も控訴を棄却した。弁護側は即日上告した。
日置市5人殺害事件を象徴する概念イラスト
※イメージ画像(生成AIによる概念イラストであり、実際の現場・関係者を写したものではありません)
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祖母方で起きた5人の殺害

2018年(平成30年)4月6日午後2時50分ごろ、鹿児島県日置市東市来町湯田に住む男性が「弟や妻、知人と連絡が取れない」と日置署に通報した。駆けつけた警察官が、男性の母が暮らす民家で男女3人の遺体を見つけた。亡くなっていたのは、男性の妻(当時69歳)、その姉(当時72歳)、近くに住む男性(当時47歳)だった。 この日、男性の弟の勤務先から「数日前から来ていない」と連絡があり、男性は妻に様子を見に行くよう頼んでいた。妻とその姉が民家に向かった後に連絡が取れなくなり、男性はさらに知人の男性にも安否確認を頼んでいた。3人は、様子を見に訪れたところを殺害されていた。
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逮捕と父・祖母の遺体の発見

鹿児島県警は同日夜、日置市内を1人で歩いていた近くに住む無職の男(当時38歳)を見つけて任意同行を求め、4月7日、男性に対する殺人の疑いで逮捕した。男は民家に住む祖母の孫で、同居していた父の息子にあたる。 4月8日には男の供述に基づき、行方が分からなくなっていた祖母(当時89歳)と父(当時68歳)の遺体が見つかった。県警は4月28日に2人の殺人と死体遺棄の疑いで、5月19日に伯母とその姉の殺人の疑いで男を再逮捕した。5人の死因はいずれも、首を圧迫されたことによる窒息死だった。

精神鑑定と起訴

鹿児島地検は2018年6月から2019年1月中旬まで、のべ7か月半にわたって男を鑑定留置し、刑事責任能力があると判断した。地検は2019年1月23日、5人に対する殺人と、父と祖母に対する死体遺棄の罪で男を起訴した。逮捕当時、男は5人の殺害を認める一方、祖母と父に対する殺意は否認していた。起訴後も、検察側の請求により別の医師による精神鑑定が行われた。

一審・鹿児島地裁の死刑判決

鹿児島地裁の裁判員裁判は2020年11月18日に始まった。争点は、父に対する殺意と正当防衛の成否、祖母に対する行為が殺人か傷害致死か、そして刑事責任能力の程度だった。検察側と弁護側は、男が事件当時に妄想性障害を抱えていた点では一致しており、弁護側は心神耗弱を主張して無期懲役を求めた。検察側は12月1日に死刑を求刑した。 12月11日、岩田光生裁判長は求刑通り死刑を言い渡した。判決は、首を絞め続けた行為などから祖母と父への殺意を認め、父への正当防衛も、年齢差や体格差を踏まえて「被告が反撃行為に出ることが正当とされる状況ではない」として退けた。責任能力については「妄想に指示、支配される状況にはなく、抱いていた妄想も切迫したものではなかった」として完全責任能力を認めた。2009年の裁判員制度の導入以降、鹿児島地裁で死刑が言い渡されたのは初めてだった。判決後に記者会見した30代の男性裁判員は「被告の妄想性障害については専門家ですら重度と軽度に分かれているのに、どこまでが妄想なのかなどを一般の市民が判断するのは難しかった」と振り返った。弁護側は即日控訴した。

控訴審と上告

控訴審で福岡高裁宮崎支部は、事件の重大性から責任能力を慎重に検討する必要があるとして、新たな精神鑑定を行った。この鑑定人は、一審の鑑定と異なり、男が重度の統合失調症にかかっていると診断した。 2025年3月13日、平島正道裁判長は一審判決を支持し、控訴を棄却した。判決は、祖母から悪口を言われたことに腹を立てて激しい暴行を加え、祖母を助けようとした父を殺害し、その後、犯行の発覚を免れるために様子を見に来た3人を次々に殺害したと述べた。そのうえで、精神障害が犯行の背景にあったとしても「その影響は極めて軽微あるいは軽微なものにとどまる」とし、死刑はやむを得ないと結論づけた。父の殺害についても、男は祖母方から立ち去って危険を回避することが十分可能だったとして、正当防衛を認めなかった。弁護側は同日、最高裁に上告した。

審理・経過の流れ

  1. 事件・事故 2018年3月31日
  2. 事件・事故 2018年4月6日 +6日
  3. 逮捕 2018年4月7日 +1日
  4. 逮捕 2018年4月28日 +21日
  5. 起訴 2019年1月23日 +270日
  6. 公判 2020年11月18日 +665日
  7. 判決 2020年12月11日 +23日
  8. 判決 2025年3月13日 +1,553日

経過

  1. 2018年3月31日
    平成30年

    事件・事故 日置市東市来町湯田の祖母方で、男が父と祖母を殺害

    判決は3月31日から4月1日までの間の犯行と認定。2人の遺体は日置市内の空き地に埋められた

  2. 2018年4月6日
    平成30年

    事件・事故 安否確認に訪れた伯母とその姉、近くに住む男性の3人が殺害される

    同日午後、伯父の通報で駆けつけた警察官が3人の遺体を発見

  3. 2018年4月7日
    平成30年

    逮捕 鹿児島県警が男を男性に対する殺人の疑いで逮捕

  4. 2018年4月8日
    平成30年

    捜査 男の供述に基づき父と祖母の遺体が見つかる

  5. 2018年4月28日
    平成30年

    逮捕 父と祖母の殺人と死体遺棄の疑いで再逮捕

    5月19日には伯母とその姉の殺人の疑いで再逮捕

  6. 2018年6月1日
    平成30年

    捜査 鹿児島地検が鑑定留置を開始

    鑑定留置は2019年1月中旬まで、のべ7か月半に及んだ

  7. 2019年1月23日
    平成31年

    起訴 鹿児島地検が殺人と死体遺棄の罪で起訴

  8. 2020年11月18日
    令和2年

    公判 鹿児島地裁で裁判員裁判の初公判

    鹿児島地方裁判所

  9. 2020年12月11日
    令和2年

    判決 鹿児島地裁が求刑通り死刑判決

    完全責任能力を認定。弁護側は即日控訴

    鹿児島地方裁判所

  10. 2025年3月13日
    令和7年

    判決 福岡高裁宮崎支部が控訴を棄却

    一審の死刑判決を支持。弁護側は即日上告

    福岡高等裁判所宮崎支部 (事件番号: 令和3年(う)第1号)

出典・公的資料

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「日置市5人殺害事件」事件JP、2026年10月28日閲覧。https://jiken.jp/cases/2018-hioki-five-murders/
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更新履歴

  • 2026年10月20日 初版公開

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