オリンパス粉飾決算事件

結末 2013年7月、東京地裁が旧経営陣3人に執行猶予付きの有罪、法人に罰金7億円を言い渡し、3人の有罪は同年中に確定

発生日 2011年11月8日(平成23年) 2011年(平成23年)の事件 / 11月8日に起きた事件
経過 発生から14年11か月
発生場所 東京都 渋谷区(オリンパス本社)
種別 詐欺・経済事件
状態 判決確定
精密機器大手オリンパスが、1990年代以降の有価証券投資で生じた含み損を「飛ばし」と呼ばれる手法で長期間隠し続けていた事実が、2011年11月8日、記者会見で公表された。同年10月に解任された前社長マイケル・ウッドフォード氏の告発が発端となり、前会長ら旧経営陣は金融商品取引法違反(有価証券報告書の虚偽記載)容疑で逮捕・起訴された。2013年7月、東京地裁は旧経営陣3人に執行猶予付きの有罪判決、法人としての会社に罰金7億円を言い渡し、3人の有罪は同年中に確定した。
オリンパス粉飾決算事件を象徴する概念イラスト
※イメージ画像(生成AIによる概念イラストであり、実際の現場・関係者を写したものではありません)
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発覚の経緯

オリンパスは1990年代以降、有価証券投資で生じた巨額の含み損を、決算対象から切り離す「飛ばし」という手法で長期間にわたり隠し続けていた。2011年10月、月刊誌の報道をきっかけに社内で疑念を深めた社長のマイケル・ウッドフォード氏が解任され、その後、会計事務所への独自調査などを経て事実を公表したことが発端となった。会社は同年11月1日に第三者委員会を設置し、11月8日に記者会見を開いて損失隠しの事実を認めた。解任されたウッドフォード氏は不当解任を理由に最大6,000万ドルの損害賠償をオリンパスに求めていたが、2012年6月8日、約12億円の和解金を受け取ることで会社側と和解した。
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逮捕・起訴の経過

損失隠しの手口の一つとして、2006年のイギリスの医療機器メーカー買収に際し、仲介した投資助言会社への成功報酬が買収額に対し異例の高率に引き上げられ、現金と優先株を合わせて総額約660億円が支払われていた。この資金の一部はケイマン諸島に登記された関連会社を経由しており、有価証券報告書に記載のない不透明な資金移動として問題視された。2012年2月16日、東京地検特捜部と警視庁は、前会長・前常勤監査役・前副社長の旧経営陣3人を金融商品取引法違反(有価証券報告書の虚偽記載)容疑で逮捕したほか、損失隠しに使われたファンドの設立・運営に関わった外部協力者4人も合同で逮捕した。粉飾額は約1,100億円にのぼるとされた。

裁判の経過と企業統治への影響

東京地方裁判所は2013年7月3日、旧経営陣3人にいずれも執行猶予付きの有罪判決(前会長は懲役3年・執行猶予5年)を、法人としてのオリンパスに罰金7億円(求刑は罰金10億円)の判決を言い渡した。オリンパスは控訴しないことを決め、旧経営陣3人の有罪も同年中に確定した。一方、オリンパス自身と株主が旧経営陣らに損害賠償を求めた民事訴訟では、東京高等裁判所が2019年5月16日、旧経営陣のうち2人に連帯して約586億7,000万円、さらに別の1人を加えた3人に連帯して約6億2,000万円の支払いを命じる判決を言い渡した。この判決は、損失隠しの解消のための国内3社の株式の高額取得や、英国の医療機器メーカー買収の際の仲介手数料の支払いなどを損害と認める一方、一審で賠償を命じられた他の元役員らへの請求は退けた。最高裁判所は2020年10月22日、上告を棄却してこの判決を確定させた。内部告発者であったウッドフォード氏自身が刑事責任を問われることはなかった。この事件は、上場企業に社外取締役の選任を事実上求める会社法改正やコーポレートガバナンス・コードの策定など、日本企業の企業統治改革を後押しする大きな契機ともなった。

審理・経過の流れ

  1. 事件・事故 2011年11月8日
  2. 逮捕 2012年2月16日 +100日
  3. 判決 2013年7月3日 +503日

経過

  1. 2011年11月8日
    平成23年

    事件・事故 損失隠しの事実を記者会見で公表

    約1,100億円規模の粉飾が明らかになった。

  2. 2012年2月16日
    平成24年

    逮捕 旧経営陣3人・外部協力者4人を逮捕

    金融商品取引法違反容疑。

  3. 2012年6月8日
    平成24年

    その他 ウッドフォード氏との和解が成立

    不当解任を理由とする損害賠償請求について、約12億円の和解金の支払いで合意した。

  4. 2013年7月3日
    平成25年

    判決 東京地方裁判所が旧経営陣3人に有罪判決

    前会長に懲役3年・執行猶予5年など、3人とも執行猶予付き。法人としてのオリンパスにも罰金7億円。

    東京地方裁判所

  5. 2019年5月16日
    令和元年

    その他 東京高等裁判所が旧経営陣3人に賠償を命じる(民事)

    会社と株主が旧経営陣らに損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決。2人に連帯で約586億7,000万円、3人に連帯で約6億2,000万円の支払いを命じた。

    東京高等裁判所

  6. 2020年10月22日
    令和2年

    その他 最高裁判所が上告を退け、民事の賠償判決が維持される

    東京高裁の賠償命令(報道では総額約594億円)が確定した。

    最高裁判所

出典・公的資料

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「オリンパス粉飾決算事件」事件JP、2026年10月30日閲覧。https://jiken.jp/cases/2011-olympus-accounting-fraud/
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更新履歴

  • 2026年10月19日 刑事判決の量刑と確定(2013年)を追記し、民事の賠償額の表記を判決の内訳にそろえた
  • 2026年10月3日 一次資料補強:旧経営陣への損害賠償訴訟の東京高裁判決(裁判所ウェブサイト)を出典に追加し、「旧経営陣3人に約594億円」とした賠償額の内訳と原告(会社自身と株主)を判決に基づき訂正
  • 2026年9月24日 出典type分類を訂正(press→other、日本経済新聞3件)
  • 2026年7月16日 初版公開

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