雪印牛肉偽装事件 通称: 雪印食品牛肉偽装事件

結末 2002年11月、神戸地裁が詐欺罪に問われた元本部長ら5人に懲役2年・執行猶予付きの有罪判決を言い渡した

発生日 2002年1月23日(平成14年) 2002年(平成14年)の事件 / 1月23日に起きた事件
経過 発生から24年9か月
発生場所 兵庫県 伊丹市(関西ミートセンター)
種別 詐欺・経済事件
状態 判決確定
雪印食品が、BSE対策として国が実施した国産牛肉の買い上げ事業を悪用し、輸入牛肉を国産と偽って買い上げを申請していたことが、2002年1月に倉庫会社社長の告発で発覚した事件。申請279トンのうち13.8トンが偽装だった。雪印食品は同年4月に解散に追い込まれた。同年11月、神戸地方裁判所は詐欺罪に問われた元本部長ら5人に執行猶予付きの有罪判決を言い渡した。
雪印牛肉偽装事件を象徴する概念イラスト
※イメージ画像(生成AIによる概念イラストであり、実際の現場・関係者を写したものではありません)
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事件の経過

2001年9月、農林水産省は国内で牛海綿状脳症(BSE)に感染した疑いのある牛が確認されたと発表し、これを受けて国は、全頭検査が始まる前に流通していた国産牛肉を市場から隔離して買い上げる事業を実施した。雪印食品の関西ミートセンター(兵庫県伊丹市)の担当者らは、この制度を悪用し、2001年10月、安価な輸入牛肉を「国産」と表示した箱に詰め替え、証拠書類も改ざんして買い上げを申請した。農林水産省によると、雪印食品が申請した279トンのうち13.8トンが輸入牛肉による偽装で、業界団体を通じて買い上げ代金の一部約1億9,600万円が同社に支払われていた(国からの交付金・助成金は交付前で、国庫からの支出はなかった)。
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発覚の経緯

偽装は2002年1月23日、詰め替え作業の現場となった西宮冷蔵(兵庫県西宮市)の社長の告発によって発覚した。雪印食品は1月28日に産地の偽装を認め、翌29日に社長が辞任した。2月1日には農林水産省近畿農政局が詐欺容疑で刑事告発し、翌2日に兵庫県警などの合同捜査本部が本社や関西ミートセンターを捜索した。5月10日には、事件の主犯格とされる本部長ら5人が詐欺の容疑で逮捕された。

裁判と会社の解体

消費者の信頼を失った雪印食品は、発覚後に経営が急速に悪化し、2002年2月22日に再建を断念した。3月7日には偽装に関わった関西ミートセンター長ら19人を懲戒解雇し、4月26日の臨時株主総会で解散を決議、4月30日に解散した。清算は2005年8月12日に完了し、法人としても消滅した。刑事裁判では、2002年11月22日、神戸地方裁判所が、起訴内容を認めた食肉部門の元本部長ら5人に詐欺罪で懲役2年・執行猶予付きの有罪判決を言い渡した。一方、共謀を否認して別に審理された元専務ら2人については、2004年7月に神戸地方裁判所が無罪を言い渡しており、関係者の刑事責任については判断が分かれた。

相次いだ食品表示偽装事件

雪印食品の事件の発覚後、同じ買い上げ事業をめぐって日本食品や日本ハムなどによる偽装も相次いで明らかになり、「食品偽装」という言葉が社会に広く定着した。

内部告発の重要性

偽装が明るみに出たのは、詰め替え作業が行われた倉庫会社の社長が、自社の伝票を改ざんさせられたことを告発したためだった。この事件は、企業不正の発覚において、外部からの告発が果たす役割の大きさを社会に印象づけた。

雪印グループ全体への影響

牛肉偽装事件は、同じ雪印グループが2000年に起こした集団食中毒事件の記憶が薄れないうちに発覚したこともあり、「雪印」ブランドそのものへの信頼を決定的に損なう結果となった。

審理・経過の流れ

  1. 事件・事故 2001年10月
  2. 逮捕 2002年5月10日 +221日
  3. 判決 2002年11月22日 +196日
  4. 判決 2004年7月 +587日

経過

  1. 2001年10月
    平成13年

    事件・事故 雪印食品が輸入牛肉を国産と偽装

  2. 2002年1月23日
    平成14年

    その他 西宮冷蔵社長の告発により偽装が発覚

  3. 2002年5月10日
    平成14年

    逮捕 本部長ら5人が詐欺容疑で逮捕される

  4. 2002年11月22日
    平成14年

    判決 神戸地裁が元本部長ら5人に有罪判決

    詐欺罪で懲役2年・執行猶予付き。

    神戸地方裁判所

  5. 2004年7月
    平成16年

    判決 神戸地裁が元専務ら2人に無罪判決

    神戸地方裁判所

出典・公的資料

一次資料 1件 判決文・白書・調査報告書・法令など、原典にあたれる資料を掲載しています。

  • その他
    フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
    事件の経過・裁判結果・会社解散までを確認
  • 調査報告書
    農林水産省
    申請279トン中13.8トンの偽装、業界団体からの買い上げ代金一部支払(196百万円)、国の交付金・助成金は未交付であること、西宮冷蔵社長の告発により判明したこと、近畿農政局の刑事告発(2月1日)を確認
  • その他
    FoodNavigator(共同通信の報道を引用)  2002年11月22日発行
    2002年11月22日、神戸地裁が起訴内容を認めた元幹部5人に詐欺罪で有罪判決を言い渡したこと、共謀を否認した役員2人は別に審理されていることを確認
  • その他
    just-food  2002年11月22日発行
    元幹部5人の刑が懲役2年・執行猶予付きであることを確認

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関連する法律用語

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「雪印牛肉偽装事件」事件JP、2026年11月2日閲覧。https://jiken.jp/cases/2002-snow-brand-beef-fraud/
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更新履歴

  • 2026年10月19日 元本部長ら5人への有罪判決(2002年11月・神戸地裁)を追記
  • 2026年10月5日 ステータスを「終結」→「判決確定」に訂正(刑事裁判で判決が言い渡されているため)
  • 2026年9月28日 農林水産省の資料に基づき、偽装の規模(13.8トン)と金額(国庫からの支出はなし)、発覚の端緒(西宮冷蔵社長の告発)、発覚後の経過を訂正し、出典のない評価を削除

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