熊本3歳女児殺害事件 通称: 熊本市3歳女児殺害事件

結末 2013年6月、最高裁が上告を棄却し、殺人などの罪で無期懲役が確定した

発生日 2011年3月3日(平成23年) 2011年(平成23年)の事件 / 3月3日に起きた事件
経過 発生から15年7か月 2013年6月25日の確定から13年4か月
発生場所 熊本県 熊本市北区(高平のスーパー)
種別 殺人
状態 判決確定
被害 死者 1人
2011年(平成23年)3月3日夜、熊本市北区高平のスーパーで、家族と買い物に来ていた女児(当時3歳)が1人でトイレに向かった後に行方不明となり、翌4日に約1.3キロ離れた排水路で遺体で見つかった事件。近くに住む大学2年の男(当時20歳)が、多目的トイレでわいせつな行為をした後、首を絞めて殺害したとして、殺人・強制わいせつ致死・死体遺棄の罪で起訴された。熊本地裁の裁判員裁判は2012年に無期懲役を言い渡し、2013年6月に最高裁が上告を棄却して確定した。
熊本3歳女児殺害事件を象徴する概念イラスト
※イメージ画像(生成AIによる概念イラストであり、実際の現場・関係者を写したものではありません)

事件の経過

2011年3月3日夜、熊本市北区高平のスーパーに、女児(当時3歳)が両親と兄(当時5歳)と一緒に買い物に来ていた。報道によると、午後7時半ごろ、両親がレジにいる間に女児が1人でトイレに向かう姿が店の防犯カメラに映り、その約1分後に、リュックサックを持って同じトイレに入る男の姿が映っていた。男がトイレから出てきたのは午後7時45分ごろで、そのときリュックサックは膨らんでいた。 女児の姿が見えなくなり、午後8時ごろに母親が110番通報した。熊本県警は誘拐の可能性も考えて、報道各社に取材の自粛を求める「報道協定」の申し入れを検討したが、その間にも、女児を捜す情報がTwitterなどのインターネット上で広く拡散していた。 翌3月4日、防犯カメラの映像から近くに住む大学2年の男(当時20歳)が浮上した。男は任意同行に応じて殺害を認め、供述どおり、坪井川に合流する排水路で女児の遺体が見つかった。司法解剖の結果、死因は首を絞められたことによる窒息だった。男の自宅は女児の自宅から直線で約300メートルの所にあり、女児と面識はなかったとみられる。

逮捕・起訴

熊本県警は2011年3月4日、男を死体遺棄の疑いで逮捕し、3月22日に殺人の疑いで再逮捕した。男は弁護士を通じて「殺すつもりはなかった」と殺意を否認していると伝えられた。 熊本地検は、事件当時の精神状態を調べるため、4月6日から8月8日まで男を鑑定留置した。鑑定の結果は「刑事責任能力に問題はない」というもので、地検は8月13日、男を殺人・強制わいせつ致死・死体遺棄の罪で起訴した。起訴状によると、男はスーパーの多目的トイレに女児を連れ込んでわいせつな行為をした後、手で首を絞めるなどして殺害し、遺体を約1.3キロ離れた排水路に運んで放置したとされた。

裁判

裁判は熊本地裁の裁判員裁判で行われた(松尾嘉倫裁判長)。2012年10月17日の初公判で、男は殺意を否認した。女児の両親は被害者参加制度を利用して公判に参加した。10月23日の論告で検察は無期懲役を求刑し、被害者参加した両親の代理人弁護士は死刑を求めた。弁護側は有期懲役を求めた。 2012年10月29日、熊本地裁は求刑どおり無期懲役を言い渡した。判決は、男が幼い女の子に触りたいという欲求を満たすため、女児を多目的トイレに連れ込んでわいせつな行為をし、トイレの外から女児を捜す声や足音が聞こえたため、発覚を恐れて首を絞めて殺害したと認定し、争点だった殺意を認めた。一方で、男が最初から殺害を計画していたという検察の主張は退け、「父親らが被害者を捜している声を聞いた際に殺意が発生した」と判断した。弁護側が主張した発達障害と犯行との関連も「関連性がない」とした。 男は控訴したが、福岡高裁(陶山博生裁判長)は2013年3月13日、責任能力は完全にあったと認めて控訴を棄却した。弁護側は、精神鑑定で小児性愛と診断された男の責任能力を認めた一審判決は誤りだと主張したが、高裁は「小児性愛は治療の対象として『精神障害』に含まれるが、基本的には人格の偏りにすぎず、責任能力に直ちに影響を及ぼすものではない」と述べた。 最高裁第一小法廷(白木勇裁判長)は2013年6月25日付で上告を棄却する決定をし、無期懲役が確定した。

その後

事件から1週間余り後の3月11日に東日本大震災が発生し、熊本日日新聞は、震災を境に報道各社が一斉に姿を消したと振り返っている。 女児の父は、2013年11月に「くまもと被害者支援センター」の依頼で講演したのをきっかけに、犯罪被害者の遺族として講演活動を始めた。熊本日日新聞によると、講演は2023年までに300回を超えた。父はインターネット上で誹謗中傷を受けたことも明かしており、事件後に熊本県警の犯罪被害者支援室の警察官に支えられたと語っている。 2014年6月の衆議院法務委員会では、児童ポルノ禁止法改正案の審議の中で、議員が本件を取り上げた。

審理・経過の流れ

  1. 事件・事故 2011年3月3日
  2. 逮捕 2011年3月4日 +1日
  3. 逮捕 2011年3月22日 +18日
  4. 起訴 2011年8月13日 +144日
  5. 公判 2012年10月17日 +431日
  6. 判決 2012年10月29日 +12日
  7. 判決 2013年3月13日 +135日
  8. 判決 2013年6月25日 +104日

経過

  1. 2011年3月3日
    平成23年

    事件・事故 熊本市のスーパーで3歳の女児が行方不明に

    死者1人。午後8時ごろ母親が110番通報した

  2. 2011年3月4日
    平成23年

    逮捕 近くに住む大学生の男を死体遺棄の疑いで逮捕、女児の遺体を発見

    防犯カメラの映像から男が浮上し、供述どおり排水路で遺体が見つかった

  3. 2011年3月22日
    平成23年

    逮捕 殺人の疑いで再逮捕

  4. 2011年8月13日
    平成23年

    起訴 殺人・強制わいせつ致死・死体遺棄の罪で起訴

    4月6日から8月8日まで鑑定留置し、刑事責任能力に問題はないとの結果が出た

  5. 2012年10月17日
    平成24年

    公判 熊本地裁で裁判員裁判の初公判、男は殺意を否認

    熊本地方裁判所

  6. 2012年10月29日
    平成24年

    判決 熊本地裁が無期懲役の判決

    殺意を認定。計画的な殺意は認めず、捜す声を聞いた際に殺意が生じたと判断した

    熊本地方裁判所

  7. 2013年3月13日
    平成25年

    判決 福岡高裁が控訴を棄却

    完全な責任能力を認め、無期懲役の一審判決を支持した

    福岡高等裁判所

  8. 2013年6月25日
    平成25年

    判決 最高裁が上告を棄却し、無期懲役が確定

    第一小法廷の決定(25日付)

    最高裁判所

出典・参考資料

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「熊本3歳女児殺害事件」事件JP、2026年10月28日閲覧。https://jiken.jp/cases/2011-kumamoto-girl-murder/

更新履歴

  • 2026年10月26日 初版公開

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