岡山元同僚女性殺害事件 通称: 岡山元同僚女性バラバラ殺人事件

結末 2013年3月、男が控訴を取り下げて死刑が確定し、2017年7月に執行された

発生日 2011年9月30日(平成23年) 2011年(平成23年)の事件 / 9月30日に起きた事件
経過 発生から15年 2013年3月28日の確定から13年7か月
発生場所 岡山県 岡山市北区(高柳東町)
種別 殺人
状態 判決確定
被害 死者 1人
2011年(平成23年)9月30日夜、岡山市北区のIT関連会社の敷地内の倉庫で、同社の派遣社員だった女性(当時27歳)が、元同僚の男(当時29歳)に現金などを奪われ、性的暴行を受けたうえナイフで刺されて殺害された事件。男は遺体を大阪市まで運んで切断し、川などに遺棄した。岡山地裁の裁判員裁判は2013年2月、被害者が1人で前科のない被告に求刑どおり死刑を言い渡した。報道では、裁判員裁判で1人殺害・前科なしの被告への死刑判決は初とみられると伝えられた。男が控訴を取り下げて死刑が確定し、2017年7月に執行された。
岡山元同僚女性殺害事件を象徴する概念イラスト
※イメージ画像(生成AIによる概念イラストであり、実際の現場・関係者を写したものではありません)

事件の経過

2011年(平成23年)9月30日夜、岡山市北区高柳東町にあるIT関連会社の敷地内で、帰宅途中だった同社の派遣社員の女性(当時27歳)が、同社の元社員の男(当時29歳)に声を掛けられ、敷地内の倉庫に誘い込まれた。男は女性から現金約2万4千円などを奪い、性的暴行を加えたうえ、ナイフで刺して殺害した。 男は2008年3月からこの会社に勤め、事件の10日前の9月20日に退職していた。女性は2009年5月から同社に派遣されており、部署は違ったが、2人は元同僚の関係にあった。 男は女性の遺体を車で実家のある大阪市まで運び、10月上旬に切断して川などに遺棄した。

逮捕と起訴

男は2011年10月、殺人の疑いで岡山県警に逮捕された。10月8日までに、女性のものとみられる遺体の一部が大阪府内で見つかった。 岡山地方検察庁は10月27日、男を殺人、死体損壊・遺棄などの罪で起訴した。起訴の日に記者会見した弁護人は、元交際相手の女性と同僚男性の結婚を破綻させるため、その男性の仕業に見せかけようとしたという男の供述を明らかにしていた。 その後、男は強盗殺人、強盗強姦、死体損壊・遺棄など五つの罪に問われることになった。公判では、男自身が動機を「欲求不満を満たすため」と語り、起訴当時の説明とは異なる内容を述べた。

裁判員裁判と死刑判決

岡山地方裁判所(森岡孝介裁判長)での裁判員裁判は2013年(平成25年)2月5日に始まった。男は起訴内容を争わず、死刑か無期懲役かという量刑だけが争点となった。女性の遺族は被害者参加制度を利用して公判に加わり、検察側は2月8日、「計画的な犯行で残虐、極めて悪質」などとして死刑を求刑した。 2月14日、岡山地裁は求刑どおり死刑を言い渡した。判決は「被害者が1人であっても、性的被害を伴っており、結果は重大だ」と指摘し、男が現場を下見し、ナイフや手錠も用意していたとして計画性の高さを認めた。性的欲求不満を解消するためという動機は「極めて自己中心的」とされ、前科がない点についても、犯罪的傾向は否定できず考慮するのは相当でないと判断された。 岡山地裁の裁判員裁判で死刑判決が出たのは初めてだった。報道によると、裁判員裁判の死刑判決は16人目で、1人殺害の事件では3人目、1人殺害で前科のない被告については初めてとみられた。閉廷後、裁判員を務めた男性は、最高裁が1983年に示した死刑適用の基準(永山基準)を参考にしたと述べた。

死刑の確定と執行

弁護側は判決当日に控訴したが、男は2013年3月28日、岡山刑務所長に控訴を取り下げる書面を提出して受理され、一審の死刑判決が確定した。控訴審・上告審は開かれていない。 2017年(平成29年)7月13日、金田勝年法務大臣の命令により、男の死刑が広島拘置所で執行された。同日の臨時記者会見で法務大臣は、事件を「女性から金品を強取し,強姦した上で殺害し,その遺体を切断して川などに投棄するなどした強盗強姦,強盗殺人,死体損壊,死体遺棄等の事件」と説明した。会見では記者から、裁判員裁判で死刑判決が出た被害者1人の事件について執行の是非を問う質問も出た。

被害者1人の事件と死刑

この事件は、死刑の選択にあたって被害者の数が重視されてきた中で、被害者が1人の事件で裁判員裁判が死刑を選び、それが確定した例として注目された。裁判では、永山基準を踏まえながら、性的被害を伴う犯行の重大さや計画性が死刑選択の理由とされた。 執行の日、女性の父親は「永山基準に逆らった形で、被害者1人でも死刑判決を受けることができた」と述べ、被害者の数を重視する量刑のあり方に長年苦しんできたと語った。この事件をきっかけとした法改正や制度の変更は確認されていない。

審理・経過の流れ

  1. 事件・事故 2011年9月30日
  2. 逮捕 2011年10月 +1日
  3. 起訴 2011年10月27日 +26日
  4. 公判 2013年2月5日 +467日
  5. 公判 2013年2月8日 +3日
  6. 判決 2013年2月14日 +6日

経過

  1. 2011年9月30日
    平成23年

    事件・事故 岡山市北区の会社の倉庫で派遣社員の女性が殺害される

    死者1人。元同僚の男が女性を倉庫に誘い込み、金品を奪って殺害した(判決の認定)

  2. 2011年10月
    平成23年

    逮捕 元同僚の男を殺人の疑いで逮捕

    10月8日までに大阪府内で女性とみられる遺体の一部が見つかった

  3. 2011年10月27日
    平成23年

    起訴 岡山地検が男を殺人、死体損壊・遺棄などの罪で起訴

    のちに強盗殺人、強盗強姦などの罪に問われた

  4. 2013年2月5日
    平成25年

    公判 岡山地裁で裁判員裁判の初公判

    起訴内容に争いはなく、量刑が争点となった

    岡山地方裁判所

  5. 2013年2月8日
    平成25年

    公判 検察側が死刑を求刑

    岡山地方裁判所

  6. 2013年2月14日
    平成25年

    判決 岡山地裁が求刑どおり死刑判決

    「被害者が1人であっても、性的被害を伴っており、結果は重大」と指摘。弁護側は即日控訴

    岡山地方裁判所

  7. 2013年3月28日
    平成25年

    その他 男が控訴を取り下げ、死刑が確定

  8. 2017年7月13日
    平成29年

    その他 広島拘置所で死刑執行

    金田勝年法務大臣の命令による

出典・参考資料

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「岡山元同僚女性殺害事件」事件JP、2026年10月28日閲覧。https://jiken.jp/cases/2011-okayama-former-colleague-murder/

更新履歴

  • 2026年10月26日 初版公開

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