Winny事件

発生日 2004年5月10日(平成16年)
経過 発生から22年2か月 2011年12月19日の確定から14年7か月
発生場所 東京都 文京区(東京大学、開発者の活動拠点)
種別 サイバー犯罪
状態 終結
2004年(平成16年)5月10日、ファイル共有ソフト「Winny」の開発者だった東京大学大学院助手の男性が、著作権法違反(公衆送信権侵害)のほう助容疑で京都府警察に逮捕された。同月31日に起訴され、2006年12月の一審・京都地方裁判所は罰金150万円の有罪判決を言い渡したが、2009年10月の二審・大阪高等裁判所はこれを破棄して無罪を言い渡し、2011年12月19日、最高裁判所が検察側の上告を棄却して無罪が確定した。
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事件の経過

2002年に公開されたファイル共有ソフト「Winny」は、匿名性の高い仕組みで利用者間のファイル交換を可能にし、急速に普及した一方、映画や音楽ソフトの違法な複製・共有に広く利用された。京都府警察は2003年11月、Winnyを使って著作物を送信したとして利用者2人を著作権法違反容疑で逮捕し、その後、開発者を特定するための捜査を進めた。2004年5月10日、開発者である東京大学大学院情報理工学系研究科の助手(当時33歳)が、著作権侵害行為をほう助した疑いで京都府警察に逮捕された。開発者自身が著作物を直接アップロードした事実はなかったが、捜査当局は、Winnyの技術的な仕組みが著作権侵害を助長していることを認識しながら開発・公開を続けたことが幇助に当たると判断した。開発者は同月31日、著作権法違反ほう助の罪で起訴された。
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裁判の経過

京都地方裁判所は2006年12月13日、「著作権侵害に広く利用されている状況を認識しながら不特定多数が入手できる状態に置いた」として、罰金150万円の有罪判決を言い渡した。これに対し開発者側が控訴し、大阪高等裁判所は2009年10月8日、「技術それ自体は価値中立的であり、悪用される可能性を認識していたというだけでは幇助罪は成立しない」として一審判決を破棄し、無罪を言い渡した。検察側が上告したが、最高裁判所第三小法廷は2011年12月19日、「ソフトを提供する行為が幇助罪に問われるのは、専ら著作権侵害の用途で使わせる意図がある場合などに限られる」との判断を示して上告を棄却し、無罪が確定した。開発者は逮捕から無罪確定まで7年半にわたり被告人の立場に置かれ、この間、研究者としての活動が大きく制約された。開発者は無罪確定から約1年半後の2013年、病気により42歳で死去した。ソフトウェア技術の提供者に対する刑事責任の限界を示した判例として、情報法の分野で今なお参照されている。

審理・経過の流れ

  1. 逮捕 2004年5月10日
  2. 起訴 2004年5月31日 +21日
  3. 判決 2006年12月13日 +926日
  4. 判決 2009年10月8日 +1,030日
  5. 判決 2011年12月19日 +802日

経過

  1. 2004年5月10日
    平成16年

    逮捕 開発者が著作権法違反ほう助容疑で逮捕

  2. 2004年5月31日
    平成16年

    起訴 著作権法違反ほう助罪で起訴

  3. 2006年12月13日
    平成18年

    判決 京都地方裁判所が罰金150万円の有罪判決

    京都地方裁判所

  4. 2009年10月8日
    平成21年

    判決 大阪高等裁判所が逆転無罪判決

    大阪高等裁判所

  5. 2011年12月19日
    平成23年

    判決 最高裁判所が上告を棄却し無罪確定

    最高裁判所

出典・公的資料

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「Winny事件」事件データベース jiken.jp、2026年7月29日閲覧。https://jiken.jp/cases/2004-winny-case/

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更新履歴

  • 2026年7月17日 初版公開

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