大津保護司殺害事件 通称: 保護司殺害事件

現在 2026年3月、大津地裁が求刑どおり無期懲役を言い渡し、被告側が控訴した

この事件は公判中です。 判決が確定していない被告人・被疑者は、有罪判決が確定するまで無罪と推定されます。記述は2026年11月5日時点で確認できた公的資料・報道に基づいており、今後の審理により変わる可能性があります。

発生日 2024年5月24日(令和6年) 2024年(令和6年)の事件 / 5月24日に起きた事件
経過 発生から2年5か月 2019年7月10日の確定から7年3か月
発生場所 滋賀県 大津市(被害者の自宅)
種別 殺人
状態 公判中
被害 死者 1人  負傷者 0人
2024年(令和6年)5月24日夜、滋賀県大津市で、保護司の男性(当時60歳)が自宅で面接をしていた保護観察中の男(当時35歳)にナイフと斧で襲われ、殺害された事件。男はコンビニ強盗で保護観察付きの執行猶予判決を受けており、男性はその担当保護司だった。大津地裁の裁判員裁判は2026年3月、完全責任能力を認めて求刑どおり無期懲役を言い渡し、被告側が控訴した。事件後、法務省は自宅以外の面接場所の確保を進め、2025年12月には保護司の安全確保を国の責務と定める改正保護司法が成立した。
大津保護司殺害事件を象徴する概念イラスト
※イメージ画像(生成AIによる概念イラストであり、実際の現場・関係者を写したものではありません)
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事件の発生と発覚

2024年(令和6年)5月24日の午後7時前から7時過ぎにかけて、滋賀県大津市の住宅で、この家に住む保護司の男性(当時60歳)が殺害された。男性は、保護観察中の男の担当保護司で、この日は自宅で男との面接をしていた。男は面接の最中に、手に持ったナイフと斧で男性の胸や首などを何度も突き刺し、切りつけた。死因は首と胸の傷による出血性ショックだった。 男は、2019年にコンビニ強盗で懲役3年、保護観察付き執行猶予5年の判決を受け、その判決は同年7月に確定していた。事件のとき、男は保護観察の期間中だった。 男性が自宅で倒れているのを親族が見つけ、事件が発覚したのは2日後の5月26日である。
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逮捕と起訴

5月28日の夜、男は大津市内の路上で深山刀(刃の長さ約18センチ)を持ち歩いていたとして、銃刀法違反の疑いで滋賀県警に現行犯逮捕された。6月8日には、男性を殺害した疑いで再逮捕された。 大津地検は約5か月にわたって男を鑑定留置し、事件当時の精神状態を調べた。そのうえで刑事責任能力を問えると判断し、2024年11月に殺人、公務執行妨害、銃刀法違反の罪で起訴した。判決は、保護司が面接に従事していたところを殺害したことで、その職務の執行を妨害したとも認定しており、男は公務執行妨害の罪にも問われた。

裁判員裁判の争点

大津地裁の裁判員裁判の初公判は2026年2月17日に開かれ、男は「間違いない」と起訴内容を認めた。争点は刑事責任能力だった。弁護側は、男が頭の中で聞こえる「守護神様」の声に従って犯行を決めたとし、行動を制御する能力を著しく欠いていたとして、責任能力がなかったか、心神耗弱の状態だったと主張した。 検察側は冒頭陳述で、男は仕事が長続きせず、執行猶予の取り消しへの焦りを募らせたと指摘した。そして、就職できないのは政府が悪いと考え、担当保護司を殺害して保護観察制度に打撃を与えようとしたと述べた。2月24日の論告では「保護司制度の存続に重大な悪影響を与えた」として無期懲役を求刑し、弁護側は有期刑が妥当だと主張した。

一審判決と控訴

2026年3月2日、大津地裁(谷口真紀裁判長)は求刑どおり男に無期懲役を言い渡した。判決は、捜査段階で精神鑑定をした医師の証言を採用し、男には発達障害的な特性はあるが精神障害はなく、「守護神様」の声も自分の考えの一部を外から聞こえるように感じていただけだとして、完全責任能力を認めた。 量刑の理由では、男が被害者の身体に22か所の傷を負わせたこと、2人きりになれる面接の場を選んで凶器を準備するなど計画性が高かったことを挙げた。動機については、不満を国や保護観察制度にぶつけようと考え、恨みのない被害者を殺害したと認定し、悪質性の高さは「無差別殺人と遜色なく」と述べた。一方で、制度の変革や破壊を意図したとまでは認められないとして、検察側が主張した「極度の反社会性」は退けた。 被告側は3月6日付で控訴した。判決は確定していない。

保護司制度への影響

事件の後、法務省が保護観察を担当している全国の保護司から緊急に聞き取りをしたところ、保護観察対象者を自宅に招いて面接することに不安を感じているという声が寄せられた。これを受けて2024年7月12日、法務省と総務省は全国の自治体に対し、自宅以外で身近に面接ができる場所の確保が「緊急の課題」だとして協力を求めた。 2025年12月3日には、保護司法などの改正法が参院本会議で全会一致で成立し、12月10日に公布された。改正では、保護司が面接に使える場所の確保や支援体制の整備など、保護司が安全に活動できる環境を整えることが国の責務として定められた(保護司法16条)。法務省の改正法の概要は、改正の背景に「R6.5、保護司が犯罪被害に遭い、安全確保が大きな課題に」と記している。改正法は公布から1年以内に施行される。 大津地裁の判決も、本件が保護観察制度や保護司法改正の内容に影響を及ぼした社会的影響は無視できないと述べている。

審理・経過の流れ

  1. 判決 2019年7月10日
  2. 事件・事故 2024年5月24日 +1,780日
  3. 逮捕 2024年5月28日 +4日
  4. 逮捕 2024年6月8日 +11日
  5. 起訴 2024年11月 +146日
  6. 公判 2026年2月17日 +473日
  7. 公判 2026年2月24日 +7日
  8. 判決 2026年3月2日 +6日
  9. 公判 2026年3月6日 +4日

経過

  1. 2019年7月10日
    令和元年

    判決 男のコンビニ強盗事件の判決(保護観察付き執行猶予)が確定

    懲役3年、保護観察付き執行猶予5年

  2. 2024年5月24日
    令和6年

    事件・事故 大津市の保護司宅で、面接中の保護観察対象者が保護司を殺害

    ナイフと斧で胸や首などを何度も刺し、切りつけた

  3. 2024年5月26日
    令和6年

    捜査 自宅で倒れている保護司を親族が発見

  4. 2024年5月28日
    令和6年

    逮捕 男を銃刀法違反の疑いで現行犯逮捕

    大津市内の路上で深山刀を所持していた

  5. 2024年6月8日
    令和6年

    逮捕 男を殺人の疑いで再逮捕

  6. 2024年7月12日
    令和6年

    その他 法務省・総務省が自治体に自宅以外の面接場所の確保への協力を依頼

  7. 2024年11月
    令和6年

    起訴 大津地検が殺人などの罪で起訴

    約5か月の鑑定留置を経て、責任能力を問えると判断した

  8. 2025年12月3日
    令和7年

    その他 保護司の安全確保を国の責務とする改正保護司法が成立

    12月10日に公布(令和7年法律第82号)

  9. 2026年2月17日
    令和8年

    公判 裁判員裁判の初公判。被告は起訴内容を認め、弁護側は責任能力を争う

    大津地方裁判所 (事件番号: 令和6年(わ)第544号)

  10. 2026年2月24日
    令和8年

    公判 検察側が無期懲役を求刑し結審

    大津地方裁判所 (事件番号: 令和6年(わ)第544号)

  11. 2026年3月2日
    令和8年

    判決 大津地裁が求刑どおり無期懲役の判決

    完全責任能力を認めた

    大津地方裁判所 (事件番号: 令和6年(わ)第544号)

  12. 2026年3月6日
    令和8年

    公判 被告側が控訴

出典・公的資料

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「大津保護司殺害事件」事件JP、2026年11月8日閲覧。https://jiken.jp/cases/2024-otsu-hogoshi-murder/
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更新履歴

  • 2026年11月5日 初版公開

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