日野基本射撃場発砲事件 通称: 陸自射撃場発砲事件
現在
元自衛官候補生の男は強盗殺人などの罪で起訴され、岐阜地裁の裁判員裁判の初公判が2026年11月20日に予定されている
この事件は公判中です。
判決が確定していない被告人・被疑者は、有罪判決が確定するまで無罪と推定されます。記述は2026年10月23日時点で確認できた公的資料・報道に基づいており、今後の審理により変わる可能性があります。
2023年6月14日朝、岐阜市の陸上自衛隊日野基本射撃場で、新隊員の実弾射撃訓練中に、18歳の自衛官候補生の男が自動小銃を指導役の隊員3人に向けて発砲し、2人が死亡、1人が重傷を負った事件。男は特定少年として逆送され、2024年2月に強盗殺人などの罪で起訴された。陸上自衛隊は調査報告書で弾薬の交付要領の見直しなどの再発防止策を示した。裁判員裁判の初公判は2026年11月20日に予定されている
※イメージ画像(生成AIによる概念イラストであり、実際の現場・関係者を写したものではありません)
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事件の発生
2023年6月14日、岐阜市の陸上自衛隊日野基本射撃場で、第35普通科連隊(守山駐屯地、名古屋市)の新隊員教育隊が実弾射撃訓練をしていた。防衛副大臣の国会報告によると、午前9時8分ごろ、射手として訓練に参加していた自衛官候補生の男(当時18歳)が、自分が使う89式小銃を隊員3人に向けて発砲した。
防衛省の調査報告書によると、撃たれたのは、射手を統制する交代係の3等陸曹(25歳)と、弾薬交付所で弾薬を管理する弾薬係の1等陸曹(52歳)と3等陸曹(25歳)の3人だった。このうち1曹と3曹の2人が死亡し、もう1人の3曹が重傷を負った。3人は候補生を直接指導する関係にはなく、報告書は「落ち度は認められない」としている。死亡した2人は事件の日付で1階級特別昇任した。日経新聞によると、自衛隊員の故意による発砲で死傷者が出たのは1984年以来だった。
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逮捕から起訴まで
男は岐阜県警に殺人未遂の疑いで現行犯逮捕された。翌15日に殺人容疑に切り替えて送検され、その後は陸上自衛隊の中部方面警務隊が中心となって捜査した。男は4月に入隊したばかりで、陸上自衛隊は9月20日に男を懲戒免職とした。
岐阜地検は2023年7月から2024年1月まで鑑定留置をしたうえで、男が弾薬を奪う目的で発砲したと判断し、2024年1月23日、強盗殺人と強盗殺人未遂の非行内容で岐阜家裁に送致した。男は改正少年法の「特定少年」に当たり、岐阜家裁は2月19日に検察官送致(逆送)を決定した。地検は2月28日、男を強盗殺人などの罪で起訴した。起訴状によると、男は人を銃撃する目的で弾薬を奪おうと自動小銃を発砲し、2人を殺害、1人に大けがを負わせたとされる。
動機と供述
動機はまだ裁判で明らかになっていない。捜査関係者の話として、男は逮捕直後の調べに「銃と弾を外に持ち出したかった」と供述していたと報じられた。また事件直後には、死亡した25歳の隊員に発砲したことは認める一方で殺意は否認していると報じられ、捜査当局は52歳の1曹を狙った疑いもあるとみていた。いずれも捜査段階の情報で、裁判所が認定したものではない。起訴の時点で、男の認否は明らかにされていない。
陸上自衛隊の調査と再発防止策
陸上自衛隊は事件直後、全部隊の実弾射撃を一時中止し、陸上幕僚副長を長とする調査委員会を設けた。2023年8月10日には、新隊員が入隊するのに合わせ、新隊員などを対象に射撃訓練の安全管理に関する当面の措置を通達した。
防衛省が2024年4月18日に公表した調査報告書は、射手が準備線にいる段階で弾薬を交付していたため、発砲に至るまでの猶予を与えてしまったことや、射場の勤務員が射手を直接制止する教育を受けていなかったことを指摘した。再発防止策として、武器を扱う心構えの教育の徹底、教育隊長直属の「服務指導補助者」の配置、弾薬を射座で交付するなど小銃と弾薬が射手の手元にそろう時間を限る交付要領の見直し、射場勤務員が射手を直接制止する教育の4点を挙げた。報告書のうち公判に影響する部分は公表されていない。防衛大臣は2024年6月の会見で、この再発防止策に基づいて射撃訓練の安全管理の徹底に取り組むと述べた。
射撃場での訓練再開
日野基本射撃場では2023年11月6日、住民への説明を経て射撃訓練が再開されたが、その日に20代の隊員が報道陣に向けて中指を立てるなどした行為が問題になり、訓練は再び中止された。防衛大臣は国会で、隊員は「悪ふざけのつもりで軽い気持ちで行った」と供述したと答弁した。第10師団は、再発防止策の徹底を含めて訓練の態勢が整ったとして、2024年5月22日以降に射撃訓練を順次実施すると発表した。
裁判
岐阜地裁は2025年7月、弁護側の請求を受けて、検察側の鑑定に続いて2回目の精神鑑定を行うことを決めた。このため公判の開始は遅れ、2026年8月28日、裁判員裁判の初公判を11月20日に開くと明らかにした。2026年10月の時点で、判決の日は公表されていない。
経過
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2023年6月14日
令和5年
事件・事故
日野基本射撃場で自衛官候補生が隊員3人に発砲、2人死亡・1人重傷
午前9時8分ごろ、新隊員の実弾射撃訓練中
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2023年6月14日
令和5年
逮捕
岐阜県警が殺人未遂の疑いで現行犯逮捕
翌15日に殺人容疑に切り替えて送検
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2023年8月10日
令和5年
その他
陸自が新隊員などの射撃訓練の安全管理に関する当面の措置を通達
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2023年9月20日
令和5年
その他
陸自が自衛官候補生を懲戒免職
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2024年1月23日
令和6年
捜査
岐阜地検が強盗殺人などの非行内容で家裁送致
弾薬を奪う目的と判断し、殺人などから切り替えた
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2024年2月19日
令和6年
その他
岐阜家裁が検察官送致(逆送)を決定
特定少年
岐阜家庭裁判所
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2024年2月28日
令和6年
起訴
岐阜地検が強盗殺人と強盗殺人未遂の罪で起訴
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2024年4月18日
令和6年
その他
防衛省が調査報告書と再発防止策を公表
弾薬交付要領の見直しなど4項目
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2025年7月11日
令和7年
公判
岐阜地裁が弁護側請求の精神鑑定の実施を決定
岐阜地方裁判所 (事件番号: 令和6年(わ)第53号)
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2026年11月20日
令和8年
公判
岐阜地裁で裁判員裁判の初公判(予定)
2026年8月28日に岐阜地裁が明らかにした
岐阜地方裁判所 (事件番号: 令和6年(わ)第53号)
出典・公的資料
一次資料 1件
判決文・白書・調査報告書・法令など、原典にあたれる資料を掲載しています。
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◆調査報告書
防衛省 2024年4月18日発行
事案の概要、被害を受けた3人の役割、事案発生後の対応(全部隊の射撃中止、2023年8月10日の通達)、原因、再発防止策4項目を確認
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公的発表・広報
陸上幕僚監部 2023年6月14日発行
実弾射撃訓練中に自衛官候補生が3人に発砲したことを確認(アーカイブ)
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公的発表・広報
陸上幕僚監部 2023年6月15日発行
死亡した2人と負傷した1人の所属・階級・年齢を確認(アーカイブ)
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公的発表・広報
陸上幕僚監部 2023年9月20日発行
2023年9月20日の懲戒免職を確認(アーカイブ)
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公的発表・広報
防衛省 2024年6月14日発行
再発防止策に基づき射撃訓練の安全管理の徹底に取り組むとの発言を確認
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その他
国会会議録検索システム 2023年6月15日発行
防衛副大臣による発生時刻(9時8分頃)と被害の報告を確認
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その他
国会会議録検索システム 2023年11月9日発行
訓練再開日の隊員の不適切行為についての防衛大臣の答弁を確認
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その他
岐阜地方裁判所 2026年10月1日発行 令和6年(わ)第53号
事件名(強盗殺人、強盗殺人未遂)と第1回公判(2026年11月20日)を確認
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その他
日本経済新聞 2023年6月14日発行
現行犯逮捕、事件直後の供述、1984年以来の故意の発砲による死傷であることを確認
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その他
読売新聞 2023年6月15日発行
殺人容疑への切り替えと送検を確認
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その他
朝日新聞 2024年1月23日発行
強盗殺人などでの家裁送致、逮捕直後の供述(捜査関係者による)を確認
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その他
産経新聞 2024年2月19日発行
岐阜家裁の逆送決定と鑑定留置の期間を確認
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その他
東海テレビ 2024年2月28日発行
強盗殺人などの罪での起訴と、認否が明らかにされていないことを確認(アーカイブ)
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その他
東海テレビ 2024年6月18日発行
2023年11月の訓練再開と再中止の経緯を確認
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その他
Jディフェンスニュース
第10師団の資料(再発防止策の徹底を含め態勢が整ったとして訓練を再開)を確認
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その他
中国新聞(共同通信) 2025年7月11日発行
弁護側請求の精神鑑定の実施決定を確認
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その他
中日新聞 2026年8月28日発行
初公判の期日と起訴状の内容を確認
この記事を引用する
レポート・記事などで本ページを参照する際は、以下の表記をご利用ください。一次資料までたどる方法は調べ学習・レポートでの使い方をご覧ください。
「日野基本射撃場発砲事件」事件JP、2026年10月28日閲覧。https://jiken.jp/cases/2023-hino-firing-range-shooting/
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