京王線刺傷放火事件

結末 2023年8月、東京地裁立川支部の懲役23年(求刑は懲役25年)の判決が、双方控訴せず確定

発生日 2021年10月31日(令和3年) 2021年(令和3年)の事件 / 10月31日に起きた事件
経過 発生から4年11か月 2023年8月14日の確定から3年2か月
発生場所 東京都 調布市(京王線 調布駅〜国領駅間)
種別 テロ・無差別襲撃
状態 判決確定
被害 死者 0人  負傷者 18人
2021年(令和3年)10月31日午後8時ごろ、東京都調布市を走行中の京王線特急電車内で、男が刃物で乗客に切りつけた後、液体をまいて放火した。乗客18人が重軽傷を負い、逃げ場のない走行中の車内で放火が行われたことから社会に大きな衝撃を与えた。東京地方裁判所立川支部は2023年7月31日、殺人未遂罪等で懲役23年(求刑懲役25年)の判決を言い渡し、双方が控訴せず同年8月14日に確定した。
京王線刺傷放火事件を象徴する概念イラスト
※イメージ画像(生成AIによる概念イラストであり、実際の現場・関係者を写したものではありません)
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事件の経過

東京地裁立川支部の判決によれば、2021年10月31日午後7時55分ごろから58分ごろまでの間、東京都調布市を走行中の京王線特急電車の3号車内で、男が乗客の男性(当時72歳)の胸を刃渡り約29.6センチのナイフで突き刺し、加療約3か月を要する右外傷性血気胸などの重傷を負わせた。男はさらに5号車で、5号車と6号車の連結部分付近にいた多数の乗客に向けてペットボトルに入ったライター用オイルをまき散らし、点火したジッポーライターを乗客らを目がけて投げて床に火を放った。乗客らは連結部分を通って6号車に逃れた。煙を吸うなどして計18人が重軽傷を負い、列車が停止した後には乗客の一部が窓から地上へ飛び降りて避難した。男は殺人未遂の現行犯で警視庁に逮捕された。
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動機と裁判の経過

判決は、男が交際相手から別れを告げられ、その相手が別の男性と結婚したことや、勤務先で慣れ親しんだ部署からの異動を言い渡されたことなどから自殺を決意し、死刑になるためには複数の人を殺害するしかないと考えて、走行中の特急電車に放火するなどして多数の乗客を殺害することを計画したと認定した。男は被告人質問で、当初はハロウィンで混雑する渋谷で無差別に人を殺害する計画だったが、3か月前に起きた小田急線車内殺傷事件の報道に接し、犯行場所を電車内に、手段を放火に変更したと供述した。男は同年11月22日に殺人未遂・現住建造物等放火の容疑で再逮捕され、2022年3月11日、刺された男性と乗客12人に対する殺人未遂罪、現住建造物等放火罪、銃砲刀剣類所持等取締法違反の罪で起訴された。2023年7月31日、東京地方裁判所立川支部(竹下雄裁判長)は、オイルをまかれた乗客のうち10人については殺人未遂罪が成立するとした一方、2人については死亡の具体的な危険がある場所にいたことが証拠上明らかでないとして殺人未遂罪の成立を認めず、懲役23年(求刑懲役25年)を言い渡した。検察・弁護側双方が控訴せず、同年8月14日に判決が確定した。

鉄道の防犯対策の見直し

国土交通省は2021年8月の小田急線車内傷害事件を受けて同年9月24日に鉄道事業者との対策をとりまとめていたが、本事件が起きたことで新たな課題を踏まえた対策を改めてとりまとめた。同年11月2日にはJR各社・大手私鉄の安全統括管理者による緊急会議を開き、「車内で複数の非常通報装置が作動した場合は通話がなくても最寄り駅等に停車する」「緊急時はドアとホームドアの位置がずれていてもドアを開けて避難誘導する」等の対応方針を示した。あわせて新造車両への防犯カメラ設置の義務化や既存車両への追加設置の推進、防刃手袋・盾の車内配備、警備員によるパトロール強化など、鉄道各社の防犯対策の見直しにつながった。

審理・経過の流れ

  1. 事件・事故 2021年10月31日
  2. 逮捕 2021年10月31日 +0日
  3. 逮捕 2021年11月22日 +22日
  4. 起訴 2022年3月11日 +109日
  5. 判決 2023年7月31日 +507日

経過

  1. 2021年10月31日
    令和3年

    事件・事故 京王線車内で乗客が切りつけられ放火される

    走行中の車内で乗客18人が重軽傷を負った。

  2. 2021年10月31日
    令和3年

    逮捕 殺人未遂の現行犯で逮捕

  3. 2021年11月22日
    令和3年

    逮捕 殺人未遂・現住建造物等放火容疑で再逮捕

  4. 2022年3月11日
    令和4年

    起訴 乗客12人に対する殺人未遂罪等で起訴

  5. 2023年7月31日
    令和5年

    判決 東京地方裁判所立川支部が懲役23年の判決

    乗客10人への殺人未遂を認め、2人については殺人未遂罪の成立を否定した。

    東京地方裁判所立川支部 (事件番号: 令和4年(わ)第244号)

  6. 2023年8月14日
    令和5年

    その他 控訴期限までに双方が控訴せず判決確定

出典・公的資料

一次資料 1件 判決文・白書・調査報告書・法令など、原典にあたれる資料を掲載しています。

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関連する法律用語

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「京王線刺傷放火事件」事件JP、2026年10月30日閲覧。https://jiken.jp/cases/2021-keio-line-stabbing-arson/
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更新履歴

  • 2026年10月2日 一次資料補強:東京地裁立川支部の判決文(裁判所ウェブサイト)を出典に追加し、犯行の時刻・車両・態様、犯行に至る経緯の認定、起訴された乗客12人のうち2人について殺人未遂罪が成立しないとされた判断を追記
  • 2026年9月24日 起訴された乗客数を訂正(13人→12人)、出典type分類を訂正
  • 2026年7月15日 初版公開

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