石井紘基刺殺事件

結末 2005年11月、最高裁が上告を棄却し、議員を刺殺した右翼団体代表の男の無期懲役が確定

発生日 2002年10月25日(平成14年) 2002年(平成14年)の事件 / 10月25日に起きた事件
経過 発生から24年 2005年11月15日の確定から20年11か月
発生場所 東京都 世田谷区
種別 テロ・無差別襲撃
状態 判決確定
被害 死者 1人  負傷者 0人
2002年(平成14年)10月25日、東京都世田谷区の自宅駐車場で、衆議院議員の石井紘基(当時61歳)が右翼団体代表の男に刃物で刺され、搬送先の病院で死亡した事件。国の特別会計の不透明な支出を追及する国会質問を準備していた矢先の犯行だった。
石井紘基刺殺事件を象徴する概念イラスト
※イメージ画像(生成AIによる概念イラストであり、実際の現場・関係者を写したものではありません)
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事件の経過

2002年(平成14年)10月25日午前10時35分ごろ、民主党の衆議院議員で衆議院災害対策特別委員長を務めていた石井紘基(当時61歳)は、東京都世田谷区の自宅前で迎えの公用車に乗り込もうとしたところを、待ち伏せていた右翼団体代表の男(当時48歳)に刺身包丁で胸などを刺された。石井は目黒区内の病院に搬送されたが、同日死亡した。警視庁は同日午後、北沢警察署に80人体制の特別捜査本部を設置し、男は翌26日に出頭して殺人容疑で逮捕された。
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検察が示した動機

2003年1月21日の初公判で検察側が述べた冒頭陳述によれば、男は服役中に知り合った暴力団員の資金援助を受けて1985年に右翼団体を結成し、援助が途絶えた後は「右翼政治運動家」を自称して区議会議員や都議会議員、国会議員の事務所に出入りし、書籍や日本酒を高値で売りつけるなどして資金を得ていた。石井の事務所にも初当選前からたびたび出入りしていたが、2001年ごろから面会を断られるようになると「育ててやったのに恩義を忘れた」と一方的に憤った。さらに、強制執行を受けたアパートの家賃の工面を頼んで断られたことから、包丁と手裏剣を隠し持って殺害の機会をうかがっていたとされる。男は初公判で起訴事実を認めた。

裁判の経過

石井は生前、国の特別会計や特殊法人をめぐる不透明な資金の流れを国会で追及しており、事件当日も関連する質問を準備していたとされる。事件当日に持っていた鞄から質問用の書類がなくなっていたとも伝えられ、事件の背景をめぐってさまざまな臆測を呼んだ。2004年6月18日、東京地方裁判所は無期懲役の判決を言い渡した。男はその後、殺害を何者かに頼まれたと示唆するようになったが、依頼者は明らかにしていない。2005年6月30日、東京高等裁判所は「殺害の動機に関する被告の供述は信用できず、1審判決に事実誤認もない」として控訴を棄却し、同年11月15日に最高裁判所第三小法廷が上告を棄却して無期懲役が確定した。

国会の対応

事件直後の10月30日、衆議院内閣委員会では事件の経過や議員の警護のあり方が取り上げられ、警察庁は、国会議員であることだけをもって警護の対象にはしていないと答弁した。各党の議員からは、政治家の言論を暴力で封じる民主主義への挑戦だとする非難が相次いだ。衆議院は11月29日の本会議で石井に対する追悼演説を行い、演説に立った自民党の石原伸晃は「民主主義の理想や原理原則の糸が切れた時、独裁や暴力は暴走し、体制を支配する」という石井の言葉を引いて、その死を悼んだ。

審理・経過の流れ

  1. 事件・事故 2002年10月25日
  2. 逮捕 2002年10月26日 +1日
  3. 公判 2003年1月21日 +87日
  4. 判決 2004年6月18日 +514日
  5. 判決 2005年6月30日 +377日
  6. 判決 2005年11月15日 +138日

経過

  1. 2002年10月25日
    平成14年

    事件・事故 石井紘基議員、自宅駐車場で刺され死亡

  2. 2002年10月25日
    平成14年

    捜査 警視庁が北沢署に特別捜査本部を設置

    80人体制

  3. 2002年10月26日
    平成14年

    逮捕 出頭した男を殺人容疑で逮捕

  4. 2002年11月29日
    平成14年

    その他 衆議院本会議で追悼演説

    演説者は石原伸晃

  5. 2003年1月21日
    平成15年

    公判 初公判、被告は起訴事実を認める

    東京地方裁判所

  6. 2004年6月18日
    平成16年

    判決 東京地裁、無期懲役判決

    東京地方裁判所

  7. 2005年6月30日
    平成17年

    判決 東京高裁、控訴棄却(無期懲役維持)

    東京高等裁判所

  8. 2005年11月15日
    平成17年

    判決 最高裁第三小法廷が上告棄却、無期懲役確定

    最高裁判所

出典・公的資料

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「石井紘基刺殺事件」事件JP、2026年10月31日閲覧。https://jiken.jp/cases/2002-ishii-koki-stabbing/
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更新履歴

  • 2026年9月27日 犯人の年齢(60代→48歳)と動機の記述を検察冒頭陳述に基づき訂正、国会会議録に基づき事件の経過・国会の対応を加筆
  • 2026年7月23日 初版公開

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