前橋市連続強盗殺人事件 通称: 前橋連続強盗殺人

結末 2020年9月、最高裁が上告を棄却し、死刑が確定した

発生日 2014年11月10日(平成26年) 〜 2014年12月16日 2014年(平成26年)の事件 / 11月10日に起きた事件
経過 発生から11年11か月 2020年9月8日の確定から6年2か月
発生場所 群馬県 前橋市(日吉町・三俣町の民家)
種別 殺人
状態 判決確定
被害 死者 2人  負傷者 1人
2014年(平成26年)11月から12月にかけて、群馬県前橋市で無職の男(当時26歳)が高齢者の住む民家に相次いで侵入し、日吉町で93歳の女性を、三俣町で81歳の男性を殺害し、男性の妻(当時80歳)に重傷を負わせた事件。男は課金ゲームなどで借金を抱え、食べる物にも困る生活の中で強盗を決意したと認定された。前橋地裁の裁判員裁判は2016年7月、同地裁の裁判員裁判で初めて死刑を言い渡し、東京高裁も支持した。最高裁は2020年9月に上告を棄却し、死刑が確定した。
前橋市連続強盗殺人事件を象徴する概念イラスト
※イメージ画像(生成AIによる概念イラストであり、実際の現場・関係者を写したものではありません)
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日吉町の強盗殺人

2014年(平成26年)11月10日の未明、前橋市日吉町で1人暮らしをしていた女性(当時93歳)の家に、男が包丁2本やバールなどを持って侵入した。男は家の中を物色したが金目のものが見つからず、数時間とどまったのち、起き上がった女性の頭をバールで何度も殴り、顔や首などを包丁で数回突き刺して殺害した。男はその後、現金約7000円やリュックサックなどを奪った。 女性は翌11日、自宅の寝室で亡くなっているのを長女に発見された。
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三俣町の高齢夫婦殺傷と逮捕

約1か月後の12月16日、男は同じ前橋市の三俣町にある高齢夫婦の家に深夜に侵入した。ここでも金目のものは見つからず、男はリンゴを盗んで食べたうえ、数時間家の中に潜んでいた。午前、それと知らずに近づいてきた妻(当時80歳)の胸や首などを包丁で数回突き刺して重傷を負わせ、さらに逮捕を免れるため、夫(当時81歳)を包丁で刺した。夫は12月18日に死亡した。 群馬県警は2つの事件の手口が似ているとして、捜査本部を前橋署に一本化した。12月26日、前橋市本町に住む無職の男(当時26歳)が、妻に対する殺人未遂の疑いで逮捕された。男は2015年1月15日に夫に対する殺人の疑いで再逮捕され、「カネと食料品が目的だった。高齢者が住んでいそうな平屋の家を狙った」などと話したと報じられた。県警によると、男と日吉町の女性に面識はなかった。

背景と起訴

男は2014年9月に警備会社の仕事を辞めてから無職だった。県警の調べでは、消費者金融への百数十万円の借金は、月4万〜5万円を使っていたスマートフォンの課金ゲームが原因で、10月末にはスマートフォンが止められ、11月中旬にガス、12月中旬には電気も止まっていた。のちに最高裁も、男が職場に適応できずに仕事を辞め、課金ゲームなどで借金を作り、食べる物にも困る生活苦に陥ったと認めている。 前橋地検は2015年2月5日、三俣町の事件について強盗殺人などの罪で男を起訴した。日吉町の事件でも同日に再逮捕し、2月26日に強盗殺人などの罪で追起訴した。罪名は住居侵入、強盗殺人、強盗殺人未遂、窃盗で、12月21日に市内の飲食店から食品を盗んだ窃盗も含まれている。

前橋地裁の裁判員裁判で初の死刑

前橋地裁の裁判員裁判は2016年6月30日に始まった。男は認否に触れず、弁護人が、金品を奪ったことは認めたうえで、犯行前の時点では殺意がなく、「未必の殺意」にとどまると主張した。7月11日の論告で、検察側は「強固な殺意は明らかだ」として死刑を求刑した。前橋地裁の裁判員裁判で死刑が求刑されたのは初めてだった。弁護側は、障害に由来する衝動性からパニックに近い状態になったと述べ、無期懲役を求めた。 7月20日、鈴木秀行裁判長は「小柄で非力な高齢者に対する一方的な凶行は、卑劣かつ冷酷」として、求刑どおり死刑を言い渡した。弁護側は、不遇な生い立ちや広汎性発達障害などが犯行に影響し、死亡した2人への殺意は弱かったと主張していたが、判決は「自らの行為を認識し、確定的な殺意があったと強く推認できる」として退けた。

控訴審・上告審と死刑の確定

東京高裁(栃木力裁判長)は2018年2月14日、「命を奪ったことを認識しながら悔い改めず、再度強盗殺人に及んだ。強固な殺意に基づく執拗、残虐な行為で、犯情は誠に重い」として、一審の死刑判決を支持し、控訴を棄却した。弁護側が主張したパーソナリティー障害については、「直接的な影響は認められず、犯行は被告の自由意思によるもの」とした。 男は上告した。2020年(令和2年)9月8日、最高裁第三小法廷(林道晴裁判長)は裁判官全員一致で上告を棄却した。判決は、軽度の広汎性発達障害に不遇な生育歴の影響が加わって形成されたパーソナリティ障害の特性が犯行に影響していたと認めた。そのうえで、遺族への謝罪の意を表していること、犯行時20代半ばと若く罰金前科しかないことなどを十分に考慮しても、死刑はやむを得ないとした。これにより死刑が確定した。

審理・経過の流れ

  1. 事件・事故 2014年11月10日
  2. 事件・事故 2014年12月16日 +36日
  3. 逮捕 2014年12月26日 +10日
  4. 逮捕 2015年1月15日 +20日
  5. 起訴 2015年2月5日 +21日
  6. 起訴 2015年2月26日 +21日
  7. 公判 2016年6月30日 +490日
  8. 公判 2016年7月11日 +11日
  9. 判決 2016年7月20日 +9日
  10. 判決 2018年2月14日 +574日
  11. 判決 2020年9月8日 +937日

経過

  1. 2014年11月10日
    平成26年

    事件・事故 前橋市日吉町の民家に男が侵入し、1人暮らしの93歳女性を殺害して現金などを奪う

  2. 2014年11月11日
    平成26年

    捜査 女性が自宅で亡くなっているのを長女が発見

  3. 2014年12月16日
    平成26年

    事件・事故 前橋市三俣町の高齢夫婦宅に男が侵入し、夫婦を包丁で刺す

    妻(80歳)が重傷を負い、夫(81歳)は12月18日に死亡

  4. 2014年12月18日
    平成26年

    捜査 県警が2つの事件の捜査本部を前橋署に一本化

    手口が似ていることから

  5. 2014年12月26日
    平成26年

    逮捕 無職の男(26歳)を殺人未遂の疑いで逮捕

  6. 2015年1月15日
    平成27年

    逮捕 三俣町の男性に対する殺人の疑いで再逮捕

  7. 2015年2月5日
    平成27年

    起訴 前橋地検が三俣町の事件で強盗殺人などの罪で起訴

    同日、日吉町の事件で再逮捕

  8. 2015年2月26日
    平成27年

    起訴 日吉町の事件で強盗殺人などの罪で追起訴

  9. 2016年6月30日
    平成28年

    公判 前橋地裁で裁判員裁判の初公判

    弁護側は「未必の殺意」と主張

    前橋地方裁判所

  10. 2016年7月11日
    平成28年

    公判 検察側が死刑を求刑

    前橋地裁の裁判員裁判で初の死刑求刑

    前橋地方裁判所

  11. 2016年7月20日
    平成28年

    判決 前橋地裁が求刑どおり死刑判決

    前橋地方裁判所

  12. 2018年2月14日
    平成30年

    判決 東京高裁が控訴を棄却し、一審の死刑判決を支持

    東京高等裁判所 (事件番号: 平成28年(う)第1586号)

  13. 2020年9月8日
    令和2年

    判決 最高裁第三小法廷が上告を棄却し、死刑が確定

    裁判官全員一致

    最高裁判所第三小法廷 (事件番号: 平成30年(あ)第318号)

出典・公的資料

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「前橋市連続強盗殺人事件」事件JP、2026年11月8日閲覧。https://jiken.jp/cases/2014-maebashi-serial-robbery-murders/
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更新履歴

  • 2026年11月5日 初版公開

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