大津市中2いじめ自殺事件

発生日 2011年10月11日(平成23年)
経過 発生から14年10か月 2020年2月27日の確定から6年6か月
発生場所 滋賀県
種別 その他
状態 終結
被害 死者 1人
2011年、滋賀県大津市の市立中学校2年生の男子生徒が、同級生からのいじめを苦に自殺した事件。学校・教育委員会の対応の不備が社会問題化し、大津市の第三者調査委員会がいじめと自殺の因果関係を認定した。元同級生らを相手取った民事訴訟では大阪高裁が過失相殺のうえ賠償を命じ確定。2013年制定の「いじめ防止対策推進法」の直接的な契機となった。
大津市中2いじめ自殺事件を象徴する概念イラスト
※イメージ画像(生成AIによる概念イラストであり、実際の現場・関係者を写したものではありません)
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事件の概要

2011年10月11日、滋賀県大津市の市立中学校に通う2年生の男子生徒(当時13歳)が、いじめを苦に自宅マンションから飛び降り自殺した。学校は当初いじめと自殺の関連を明確にしなかったが、2012年7月、生徒へのアンケート調査で「自殺の練習をさせられていた」などの回答があったことが報道で明らかになり、学校・教育委員会の対応の是非が全国的な社会問題となった。本事件は、2013年に成立した「いじめ防止対策推進法」制定の直接的な契機となった。
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経緯

大津市第三者調査委員会の認定によれば、生徒は2011年9月上旬から10月上旬にかけて、同級生らから「自殺の練習をさせられる」「葬式ごっこをされる」等、少なくとも19件のいじめを受けていた。生徒は同年10月11日、自宅マンションから飛び降り死亡した。学校は直後に実施したアンケート調査でいじめを示唆する回答を得ていたが、当初は自殺との因果関係を認めなかった。2012年7月、アンケート結果の詳しい内容が新聞各紙で報道され、学校および大津市教育委員会の対応(事実調査を学校任せにしたこと、県教育委員会への報告不足など)に批判が集中した。

第三者調査委員会による検証

批判を受け、大津市は外部有識者による第三者調査委員会を設置した。同委員会は2013年1月31日、市長に最終報告書を提出し、いじめが自殺の直接的な要因であったと認定した。報告書は230ページに及び、教員・学校・教育委員会に対し、いじめの認識を高める研修の実施や、教職員間の情報共有体制の見直し、生徒・地域の学校参加の促進などを提言した。

民事訴訟の経過

遺族は大津市および元同級生3人とその保護者を相手取り、損害賠償を求めて提訴した。このうち大津市を相手とする訴訟は、2015年2月18日の大津地裁による和解勧告を経て、同年3月17日に和解が成立した。元同級生らを相手とする訴訟については、2019年2月19日、大津地裁がいじめと自殺の因果関係を認め、元同級生2人に対し計約3758万円の支払いを命じる判決を言い渡した。双方の控訴を受け、2020年2月27日、大阪高裁はいじめと自殺の因果関係を認めつつ、家庭環境の要因も踏まえて過失相殺を行い、賠償額を約400万円に減額する判決を言い渡した。元同級生の保護者側は最高裁に上告したが、2020年中に上告が退けられ、大阪高裁判決が確定した。

社会への影響

本事件を受け、学校・教育委員会によるいじめ対応の不備が全国的に問題視され、2012年の衆議院議員総選挙では各党がいじめ対策を公約に掲げた。2013年2月、政府の教育再生実行会議が「社会総がかりでいじめに対峙していくための法律の制定」を提言し、同年6月21日、超党派の議員立法により「いじめ防止対策推進法」が参議院本会議で可決・成立した(同月28日公布)。同法は国・学校にいじめ防止基本方針の策定を義務付け、重大事態が発生した場合に学校等の下に調査組織を設置することなどを定めている。大津市はその後、市立学校での重大事態について第三者委員会による再調査の仕組みを整備した。

審理・経過の流れ

  1. 事件・事故 2011年10月11日
  2. 判決 2019年2月19日 +2,688日
  3. 判決 2020年2月27日 +373日

経過

  1. 2011年10月11日
    平成23年

    事件・事故 生徒死亡

    いじめを苦に自宅マンションから飛び降り自殺した。

  2. 2012年7月
    平成24年

    捜査 アンケート結果の報道

    いじめを示唆するアンケート回答の内容が新聞各紙で報道され、学校・教育委員会の対応が社会問題化した。

  3. 2013年1月31日
    平成25年

    捜査 第三者調査委員会が報告書提出

    大津市第三者調査委員会が最終報告書を市長に提出し、いじめが自殺の直接的要因と認定した。

  4. 2013年6月21日
    平成25年

    その他 いじめ防止対策推進法が成立

    超党派の議員立法により、参議院本会議で可決・成立した(同月28日公布)。

  5. 2015年3月17日
    平成27年

    その他 大津市との訴訟が和解

    大津市を相手とする損害賠償請求訴訟が、大津地裁の和解勧告を経て和解成立した。

  6. 2019年2月19日
    平成31年

    判決 大津地裁判決

    元同級生2人に対し、いじめと自殺の因果関係を認め計約3758万円の支払いを命じる判決。

    大津地方裁判所

  7. 2020年2月27日
    令和2年

    判決 大阪高裁判決(確定)

    因果関係を認めつつ家庭環境要因による過失相殺を行い、賠償額を約400万円に減額。元同級生保護者側の上告が退けられ確定した。

    大阪高等裁判所

出典・公的資料

一次資料 2件 判決文・白書・調査報告書・法令など、原典にあたれる資料を掲載しています。

関連する法律用語

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レポート・記事などで本ページを参照する際は、以下の表記をご利用ください。

「大津市中2いじめ自殺事件」事件JP、2026年9月8日閲覧。https://jiken.jp/cases/2011-otsu-bullying-suicide/

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更新履歴

  • 2026年9月1日 初版公開

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