大津市中2いじめ自殺事件

発生日 2011年10月11日(平成23年) 2011年(平成23年)の事件 / 10月11日に起きた事件
経過 発生から15年 2021年1月21日の確定から5年9か月
発生場所 滋賀県
種別 その他
状態 終結
被害 死者 1人
  • 事件が変えた法律・制度いじめ防止対策推進法(2013年成立)制定の直接的な契機となった。
2011年(平成23年)10月11日、滋賀県大津市の市立中学校2年の男子生徒が、同級生からのいじめを苦に自殺した事件。学校と市教育委員会がアンケートでいじめを示唆する回答を得ながら十分に調べなかったことが2012年の報道で明らかになり、社会問題化した。大津市の第三者調査委員会はいじめが自殺の直接的な要因だったと認定した。遺族と大津市の訴訟は2015年に和解し、元同級生を相手取った訴訟は2021年に最高裁で確定した。2013年制定の「いじめ防止対策推進法」の契機となった。
大津市中2いじめ自殺事件を象徴する概念イラスト
※イメージ画像(生成AIによる概念イラストであり、実際の現場・関係者を写したものではありません)
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事件の概要

2011年10月11日、滋賀県大津市の市立中学校に通う2年生の男子生徒(当時13歳)が、いじめを苦に自宅マンションから飛び降り自殺した。学校は当初いじめと自殺の関連を明確にしなかったが、2012年7月、生徒へのアンケート調査で「自殺の練習をさせられていた」などの回答があったことが報道で明らかになり、学校・教育委員会の対応の是非が全国的な社会問題となった。本事件は、2013年に成立した「いじめ防止対策推進法」制定の直接的な契機となった。
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経緯

大津市第三者調査委員会などの調査によれば、生徒は2011年9月ごろから10月上旬にかけて、同級生らから暴行や嫌がらせを繰り返し受けていた。生徒は同年10月11日、自宅マンションから飛び降り死亡した。学校は自殺の直後に全校生徒へのアンケート調査を行い、「自殺の練習をさせられていた」「蜂の死骸を食べさせられそうになった」など、いじめを示唆する多数の回答を得ていたが、十分な事実調査をせず、当初は自殺の原因として家庭環境を挙げていた。2012年7月、アンケート結果の詳しい内容が新聞各紙で報道され、学校および大津市教育委員会の対応に批判が集中した。

第三者調査委員会による検証

批判を受け、大津市は外部有識者による第三者調査委員会を設置した。同委員会は2013年1月31日、市長に調査報告書を提出し、いじめが自殺の直接的な要因であったと認定した。学校や教育委員会、加害側とされた生徒の家族らが主張していた家庭環境の問題については、自死の要因とは認められないとした。報告書は、教員・学校・教育委員会それぞれへの提言のほか、スクールカウンセラーの運用や危機対応のあり方についての提言をまとめている。

民事訴訟の経過

遺族は大津市および元同級生3人とその保護者を相手取り、損害賠償を求めて提訴した。このうち大津市を相手とする訴訟は、大津地裁の和解勧告を経て2015年3月17日に和解が成立した。市の安全配慮義務違反を認め、支払い済みの見舞金2800万円に加えて和解金1300万円を支払い、学校と市教委が謝罪する内容だった。 元同級生らを相手とする訴訟では、2019年2月19日、大津地裁がいじめと自殺の因果関係を認め、元同級生2人に計約3758万円の支払いを命じた。控訴審の大阪高裁は2020年2月27日、因果関係は認めつつ、両親の別居など家庭環境が整わず生徒を精神的に支えられなかった過失が両親にもあるとして損害額から4割を減額し、大津市からの和解金なども差し引いて、賠償額を計約400万円とした。遺族側は上告したが、最高裁第1小法廷は2021年1月21日に上告を棄却し、大阪高裁判決が確定した。

社会への影響

本事件を受け、学校・教育委員会によるいじめ対応の不備が全国的に問題視された。2013年2月、政府の教育再生実行会議が「社会総がかりでいじめに対峙していくための法律の制定」を提言し、同年6月21日、超党派の議員立法により「いじめ防止対策推進法」が参議院本会議で可決・成立した(同月28日公布)。同法は国・学校にいじめ防止基本方針の策定を義務付け、重大事態が発生した場合に学校等の下に調査組織を設置することなどを定めている。大津市はその後、市立学校での重大事態について第三者委員会による再調査の仕組みを整備した。

審理・経過の流れ

  1. 事件・事故 2011年10月11日
  2. 判決 2019年2月19日 +2,688日
  3. 判決 2020年2月27日 +373日
  4. 判決 2021年1月21日 +329日

経過

  1. 2011年10月11日
    平成23年

    事件・事故 生徒死亡

    いじめを苦に自宅マンションから飛び降り自殺した。

  2. 2012年7月
    平成24年

    捜査 アンケート結果の報道

    いじめを示唆するアンケート回答の内容が新聞各紙で報道され、学校・教育委員会の対応が社会問題化した。

  3. 2013年1月31日
    平成25年

    捜査 第三者調査委員会が報告書提出

    大津市第三者調査委員会が最終報告書を市長に提出し、いじめが自殺の直接的要因と認定した。

  4. 2013年6月21日
    平成25年

    その他 いじめ防止対策推進法が成立

    超党派の議員立法により、参議院本会議で可決・成立した(同月28日公布)。

  5. 2015年3月17日
    平成27年

    その他 大津市との訴訟が和解

    市の安全配慮義務違反を認め、見舞金2800万円に加えて和解金1300万円を支払い、学校と市教委が謝罪する内容で和解が成立した。

  6. 2019年2月19日
    平成31年

    判決 大津地裁判決

    元同級生2人に対し、いじめと自殺の因果関係を認め計約3758万円の支払いを命じる判決。

    大津地方裁判所

  7. 2020年2月27日
    令和2年

    判決 大阪高裁判決

    因果関係を認めつつ、家庭環境を理由とする4割の減額と和解金などの控除で、賠償額を計約400万円に減額した。

    大阪高等裁判所

  8. 2021年1月21日
    令和3年

    判決 最高裁が遺族側の上告を棄却し確定

    約400万円の支払いを命じた大阪高裁判決が確定した。

    最高裁判所

出典・公的資料

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「大津市中2いじめ自殺事件」事件JP、2026年10月27日閲覧。https://jiken.jp/cases/2011-otsu-bullying-suicide/
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更新履歴

  • 2026年9月30日 事実精度監査:上告した当事者(遺族側)と確定日(2021年1月21日)を訂正、大阪高裁の減額理由と大津市との和解内容を追記、出典で確認できない記述(いじめの件数、報告書のページ数、衆院選の公約)を削除
  • 2026年9月1日 初版公開

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