川崎市輸血拒否事件

発生日 1985年6月6日(昭和60年) 1985年(昭和60年)の事件 / 6月6日に起きた事件
経過 発生から41年4か月
発生場所 神奈川県 川崎市
種別 その他
状態 終結
被害 死者 1人  負傷者 0人
  • 事件が変えた法律・制度両親の輸血拒否により少年が死亡した事件を機に、2008年に医療関連5学会が「宗教的輸血拒否に関するガイドライン」を策定し、15歳未満は医学的必要性を優先する方針を明確化した。
1985年(昭和60年)6月6日、神奈川県川崎市で交通事故により重傷を負った小学5年の男児が、両親が信仰上の理由で輸血を拒否したため、輸血を伴う手術を受けられずに死亡した事件。
川崎市輸血拒否事件を象徴する概念イラスト
※イメージ画像(生成AIによる概念イラストであり、実際の現場・関係者を写したものではありません)
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事件の経過

1985年6月6日、神奈川県川崎市で、小学5年の男児が交通事故に遭い、両脚に重傷を負った。搬送先の病院では、輸血を伴う手術を行えば救命できる可能性が高い状態だったが、男児の両親はエホバの証人の信者で、信仰上の理由から輸血を拒否した。医師は輸血をしないまま治療にあたったが、男児は出血多量により死亡した。
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法的責任が問われなかった当時の状況

当時の日本には、未成年者への医療行為に関して親権者の意向と医師の救命義務が対立した場合の明確な法的基準がなく、両親や医療機関の法的責任は問われなかった。この事件は、信仰の自由と子どもの生命・健康をどう調整するかという、医療倫理・法律上の課題を社会に強く突きつけた。

ガイドライン制定への影響

この事件を一つの契機として、その後、宗教的輸血拒否をめぐる医療現場での対応のあり方が長年議論された。2008年、医療関連5学会の合同委員会は「宗教的輸血拒否に関するガイドライン」を策定し、15歳未満の患者については、親権者の意向にかかわらず医学的に必要な輸血を実施するとの方針を明確にした。この指針は、現在の医療機関における対応の基準として広く用いられている。

同種事案の広がり

この事件以降も、宗教上の理由から輸血を拒否する信者の家族をめぐる事案は各地で報告され、医療現場は個別に対応を迫られる状況が続いた。2000年には、成人患者が輸血拒否の意思を明確にしていたにもかかわらず輸血が行われたことの是非が争われた別の訴訟で、最高裁判所が患者の自己決定権を認める判断を示している。

子どもの権利をめぐる議論

この事件は、親権者の信仰の自由と、子ども自身の生命・身体を守る権利とが対立した場合に、どちらを優先すべきかという根本的な問いを日本社会に投げかけた。2008年のガイドライン制定により、少なくとも15歳未満の子どもについては、命に関わる場面で医学的な必要性が優先されるという考え方が明確化された。

医療現場での対応の変化

ガイドライン制定以降、医療機関はあらかじめ患者・家族に輸血方針を確認し、同意が得られない場合の対応手順を明確化するようになった。これにより、現場の医師が個別の判断に苦慮する場面は大きく減少したとされる。

経過

  1. 1985年6月6日
    昭和60年

    事件・事故 交通事故で負傷した男児が輸血を受けられず死亡

  2. 2008年
    平成20年

    その他 医療関連5学会が「宗教的輸血拒否に関するガイドライン」を策定

出典・公的資料

一次資料 1件 判決文・白書・調査報告書・法令など、原典にあたれる資料を掲載しています。

  • その他
    フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
    事件の経過・ガイドライン制定までの経緯を確認
  • その他
    フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
    関連する2000年最高裁判決の内容を確認
  • 白書・統計資料
    医療関連5学会合同委員会(日本麻酔科学会等)  2008年2月28日発行
    本文が言及する2008年ガイドラインの原本

さらに調べるには

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「川崎市輸血拒否事件」事件JP、2026年10月28日閲覧。https://jiken.jp/cases/1985-kawasaki-blood-transfusion-refusal-death/
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更新履歴

  • 2026年9月23日 宗教的輸血拒否に関するガイドライン原本を出典として追加

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