新宿駅青酸ガス事件

結末 2002年7月、東京高裁が犯行の下見役を務めた元信者に懲役15年を言い渡すなど、関与した信者らが有罪となった

発生日 1995年5月5日(平成7年) 1995年(平成7年)の事件 / 5月5日に起きた事件
経過 発生から31年5か月
発生場所 東京都 新宿区(営団地下鉄新宿駅)
種別 テロ・無差別襲撃
状態 判決確定
被害 死者 0人  負傷者 0人
1995年(平成7年)5月5日、東京都新宿区の地下鉄新宿駅構内で、オウム真理教信者が青酸ガス発生装置を仕掛けたテロ未遂事件。清掃作業員や通行人の会社員の適切な措置により、大きな被害には至らなかった。警察はシアン化ナトリウムと硫酸を用いた殺人未遂事件として捜査した。
新宿駅青酸ガス事件を象徴する概念イラスト
※イメージ画像(生成AIによる概念イラストであり、実際の現場・関係者を写したものではありません)
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事件の経過

1995年4月30日と5月3日、東京都内の地下鉄駅トイレで青酸ガスの発生を狙ったとみられる装置が相次いで見つかっていた。5月5日午後7時40分ごろ、営団地下鉄丸ノ内線新宿駅東口の地下コンコース男子トイレの床に、青酸ソーダの入った袋と希硫酸の入った袋が置かれているのが見つかった。両者が混ざれば有毒な青酸ガスが発生する仕組みだった。垣見隆警察庁刑事局長は5月17日の衆議院地方行政委員会で、この「青酸カリ等を利用した殺人未遂事件」について、清掃作業員や通行人の会社員の大変適切な措置によって幸い大きな被害は出なかったが、犯人の意図した状況が発生していれば「どのような事態になっていたか、想像するのも怖いぐらい」の重要な事件だと述べ、警視庁が地下鉄サリン事件に劣らない悪質な事案として捜査していると答弁した。同じ委員会で厚生省は、使われたシアン化ナトリウムと硫酸はいずれも毒物劇物取締法の指定物質で販売時の手続は規制されているが、人を殺傷する目的で毒物劇物を設置する行為を取り締まる規定は同法にはないと説明している。
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オウム真理教との関連

警視庁の捜査により、この事件はオウム真理教の信者が組織的に実行したテロ未遂事件と判明した。実行犯とされる信者2人は同年11月に殺人未遂容疑で全国に指名手配され、翌1996年11月に相次いで出頭・逮捕された。地下鉄サリン事件からわずか1か月半後に発生した本事件は、教団による無差別テロがなお継続する危険性を社会に強く印象づけた。

裁判とその後

裁判では、教団代表の麻原彰晃(松本智津夫)が指示したのは石油コンビナート爆破などであり、青酸ガス散布そのものについては具体的な指示や同意を確認できないとして、別の教団幹部が首謀者と認定された。実行犯の1人には懲役4年余りの判決が言い渡された。また、犯行当日にトイレの清掃状況や逃走に使う路線バスの時刻を調べて報告した元信者は、弁護士を狙ったサリンによる殺人未遂事件、東京都庁爆弾事件とあわせて起訴され、2002年7月5日、東京高等裁判所は単なる手助けにとどまるとの主張を退けて共謀を認めたうえで、一審の懲役18年を破棄して懲役15年を言い渡した。同判決は、装置が発火後間もなく消火されるなどして青酸ガスは発生しなかったと認定している。この事件は、教団による一連の化学テロ事件の一つとして、その後の教団解体・被害者救済の議論にも影響を与えた。

一連の教団テロ事件の中での位置づけ

この事件は、1994年6月の松本サリン事件、1995年3月の地下鉄サリン事件など、オウム真理教が引き起こした一連の化学テロ事件の中に位置づけられる。地下鉄サリン事件からわずか1か月半後というタイミングで、再び都心のターミナル駅で毒物を用いたテロが試みられたことは、教団の危険性が去っていないことを社会に強く印象づけた。

教団への強制捜査と解散

この事件を含む一連のテロ行為を受け、警察はオウム真理教に対する強制捜査を強化し、教団幹部が次々と逮捕された。教団は後に宗教法人の解散命令を受け、後継団体は公安調査庁の観察処分の対象となっている。

駅構内における防犯体制の強化

事件を受け、鉄道事業者は駅構内トイレの巡回や不審物の早期発見体制の強化を進めた。

審理・経過の流れ

  1. 事件・事故 1995年5月5日
  2. 逮捕 1996年11月14日 +559日
  3. 判決 1998年2月24日 +467日
  4. 判決 2002年7月5日 +1,592日

経過

  1. 1995年5月5日
    平成7年

    事件・事故 新宿駅トイレに青酸ガス発生装置が置かれる

    清掃作業員や通行人の会社員の適切な措置により、大きな被害には至らなかった(負傷者なし)。

  2. 1996年11月14日
    平成8年

    逮捕 実行犯の信者が出頭・逮捕される

  3. 1998年2月24日
    平成10年

    判決 実行犯の1人に懲役4年余りの判決

  4. 2002年7月5日
    平成14年

    判決 東京高裁、下見役の元信者に懲役15年

    都庁爆弾事件などとあわせて起訴された元信者について、一審の懲役18年を破棄し懲役15年を言い渡した。

    東京高等裁判所 (事件番号: 平成11年(う)第2136号)

出典・公的資料

一次資料 3件 判決文・白書・調査報告書・法令など、原典にあたれる資料を掲載しています。

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「新宿駅青酸ガス事件」事件JP、2026年10月27日閲覧。https://jiken.jp/cases/1995-shinjuku-station-cyanide-gas-incident/
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更新履歴

  • 2026年10月19日 東京高裁判決(2002年)を出典に追加し、下見役の元信者の判決と青酸ガスが発生しなかった経緯を追記
  • 2026年10月3日 一次資料補強:国会会議録(警察庁刑事局長・厚生省の答弁)を出典に追加。被害を防いだのを「駅員」から「清掃作業員や通行人の会社員」に訂正し、殺人未遂事件としての捜査と毒物劇物取締法の当時の限界を加筆
  • 2026年9月25日 DB自身が引用する出典と矛盾していた「駅員4人負傷」の記述を訂正(injuries 4→0、大事に至らなかった旨に修正)

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