御嵩町長襲撃事件

現在 犯人は逮捕されず、2011年10月に公訴時効が成立し未解決のまま

発生日 1996年10月30日(平成8年) 1996年(平成8年)の事件 / 10月30日に起きた事件
経過 発生から30年
発生場所 岐阜県 御嵩町
種別 テロ・無差別襲撃
状態 未解決 公訴時効早見表で制度を確認できます
被害 死者 0人  負傷者 1人
  • 未解決のまま残る事件産業廃棄物処理場の建設に反対していた町長が襲撃されたが、犯人は逮捕されないまま2011年に公訴時効が成立した。
1996年(平成8年)10月30日、産業廃棄物処理場の建設に反対していた岐阜県御嵩町の柳川喜郎町長が、自宅マンション付近で2人組の男に襲われ頭蓋骨骨折の重傷を負った事件。犯人は逮捕されないまま2011年に公訴時効が成立し、未解決事件となっている。
御嵩町長襲撃事件を象徴する概念イラスト
※イメージ画像(生成AIによる概念イラストであり、実際の現場・関係者を写したものではありません)
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事件の経過

1996年(平成8年)10月30日午後6時15分ごろ、岐阜県可児郡御嵩町の柳川喜郎町長(当時63歳)が、自宅マンションのエレベーター付近で、待ち伏せていた2人組の男に鈍器のようなもので頭部などを殴打された。柳川町長は頭蓋骨骨折の重傷を負い、肺にも損傷を受けて病院に搬送され、約1か月間の入院を余儀なくされた。柳川町長は、町内で計画されていた産業廃棄物最終処分場の建設に反対する立場を明確にしており、1995年4月の町長選挙でも処分場建設反対を公約に掲げて初当選していた。
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その後の捜査と公訴時効

捜査の過程では、処分場建設を計画していた業者から現金を受け取っていたグループが、建設に反対する柳川町長のスキャンダルを探る目的で電話の盗聴を行っていたことも判明し、事件との関連が指摘された。岐阜県警察は事件解決のため延べ15万5000人の捜査員を投入し、最大時には180人態勢で捜査にあたったが、犯人の特定には至らなかった。事件発生から15年が経過した2011年10月30日、公訴時効が成立し、犯人が逮捕されないまま未解決事件として法的に決着した。一方、事件の発端となった産業廃棄物処分場計画は、1997年6月、全国で初めて処分場建設の是非を問う住民投票が御嵩町で実施され、投票率87.50パーセントのもと79.65パーセントが建設に反対するという結果になった。計画はその後も凍結が続き、2008年3月、岐阜県知事・御嵩町長・処分場計画業者の3者が合意し、業者が県への許可申請を取り下げたことで、13年以上にわたった計画は正式に中止された。地方自治体の首長が、政策上の立場を理由に襲撃されたこの事件は、地方政治と産業廃棄物処理をめぐる利害対立の深刻さを象徴する事件として記憶されている。柳川町長は襲撃を受けてなお建設反対の立場を貫き、事件後も町長職にとどまり続けた。この事件は、地方自治体の首長が暴力による威嚇に屈しなかった事例としても語り継がれている。

国会で取り上げられた事件と住民投票

この事件と、そこから生まれた住民投票は、いずれも国会で取り上げられている。1998年(平成10年)3月10日の衆議院地方行政委員会で、春名直章議員は沖縄県、名護市、岐阜県御嵩町、巻町、吉永町を挙げて全国に広がる住民投票をどう評価するかを質した。上杉光弘自治大臣は「現行制度上、一般的な住民投票につきましては、法律の規定はございませんが、地方公共団体が、住民の関心が高く、地域においても影響が大きい事案に対し、その意向を問うため任意に住民投票を行うことについて、法律上特に禁止されていないところでございます」と答弁し、原子力発電所の設置や産業廃棄物の処理施設の問題について条例を制定して住民投票を実施するケースが見られると述べている。住民投票に法律上の根拠がないまま各地で実施されていた当時の状況が、政府の言葉で残されている。同じ月の3月31日には参議院国土・環境委員会で、岡崎トミ子議員が産業廃棄物業者と暴力団や企業舎弟との関係をめぐる質疑のなかで「御嵩町の産廃施設をめぐる町長襲撃事件」を名指しした。ただしこのときの警察庁の答弁は廃棄物事犯全体の検挙状況にとどまり、本件の捜査状況そのものには触れていない。

経過

  1. 1996年10月30日
    平成8年

    事件・事故 柳川喜郎町長が自宅付近で襲われ重傷

  2. 1997年6月
    平成9年

    その他 産廃処分場の是非を問う住民投票を実施

    投票率87.50パーセント、79.65パーセントが建設に反対した。

  3. 1998年3月10日
    平成10年

    その他 衆議院地方行政委員会で住民投票の広がりが議論される

    自治大臣が、一般的な住民投票に法律の規定はないが禁止もされていないと答弁した。

  4. 2008年3月
    平成20年

    その他 産業廃棄物処分場計画が正式に中止される

    岐阜県知事・御嵩町長・事業者の3者合意により、事業者が県への許可申請を取り下げた。

  5. 2011年10月30日
    平成23年

    その他 公訴時効が成立、未解決事件に

出典・公的資料

一次資料 2件 判決文・白書・調査報告書・法令など、原典にあたれる資料を掲載しています。

  • 調査報告書
    国立国会図書館 国会会議録検索システム  1998年3月10日発行  第142回国会 衆議院 地方行政委員会 第5号
    御嵩町を含む各地の住民投票について、上杉光弘自治大臣が政府の立場を答弁している。
  • 調査報告書
    国立国会図書館 国会会議録検索システム  1998年3月31日発行  第142回国会 参議院 国土・環境委員会 第6号
    産業廃棄物業者と暴力団の関係をめぐる質疑で本件が名指しされた。警察庁の答弁は廃棄物事犯全体の統計にとどまる。
  • その他
    フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
    事件の経過・背景・公訴時効成立の経緯を確認

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関連する法律用語

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「御嵩町長襲撃事件」事件JP、2026年10月30日閲覧。https://jiken.jp/cases/1996-mitake-mayor-attack/
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更新履歴

  • 2026年9月18日 本文を増補(「国会で取り上げられた事件と住民投票」を追加)。国会会議録2件を出典に追加し、住民投票の実施・計画中止など経過3件を補った。
  • 2026年7月30日 初版公開

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