岸田文雄襲撃事件 通称: 和歌山爆発物投擲事件

結末 2026年3月、最高裁が上告を棄却し、男の懲役10年(求刑は懲役15年)が確定

発生日 2023年4月15日(令和5年) 2023年(令和5年)の事件 / 4月15日に起きた事件
経過 発生から3年6か月 2026年3月27日の確定から7か月
発生場所 和歌山県 和歌山市雑賀崎漁港
種別 テロ・無差別襲撃
状態 判決確定
被害 死者 0人  負傷者 2人
2023年(令和5年)4月15日、和歌山県和歌山市の雑賀崎漁港で、衆議院補欠選挙の応援演説のため訪れていた岸田文雄内閣総理大臣に向け、当時27歳の男が殺意を持って手製の爆発物を投げつけ、爆発させた事件。岸田首相にけがはなかったが、聴衆や警察官ら2人が軽傷を負った。男は選挙制度への抗議を世間に広めるために犯行に及んだと供述した。殺人未遂などの罪に問われ、2025年2月の一審・和歌山地方裁判所判決、同年9月の二審・大阪高等裁判所判決とも懲役10年を言い渡し、2026年3月27日付で最高裁判所が上告を棄却する決定をし、判決が確定した。
岸田文雄襲撃事件を象徴する概念イラスト
※イメージ画像(生成AIによる概念イラストであり、実際の現場・関係者を写したものではありません)
スポンサーリンク

事件の経過

2023年4月15日午前11時27分ごろ、衆議院和歌山1区補欠選挙の立候補者が主催する街頭演説会が和歌山市の雑賀崎漁港付近で開かれていた際、応援演説のため訪れていた岸田文雄内閣総理大臣(当時65歳)の近くに、当時無職の27歳の男が手製の爆発物を投げつけて爆発させた。和歌山地裁の判決によれば、爆発物は鋼管製の管継手に黒色火薬を詰めて両端を鋳鉄製のキャップで密閉し、導火線を付けたもので、男は兵庫県川西市の自宅などで黒色火薬約564グラムを製造し、同じ構造の爆発物を2個作っていた。爆発で壊れたキャップの一部は約60メートル離れたコンテナの壁面にめり込んでおり、判決は、金属片などが殺傷能力を保ったまま相当離れた場所まで飛び散る威力があったと認定した。この爆発で、聴衆エリアにいた70歳の男性が背中に、33歳の男性が左前腕にけがを負った。岸田首相にけがはなかった。男は現場で取り押さえられ、もう1個の爆発物と包丁も所持していた。
スポンサーリンク

動機と裁判の経過

男は、首相の近くで爆発物を爆発させれば世間に注目され、選挙制度に関する自らの主張を広く知ってもらえると考えて犯行に及んだとされる。殺人未遂、公職選挙法違反(選挙の自由妨害)、爆発物取締罰則違反、火薬類取締法違反、銃刀法違反の罪に問われ、弁護側は人が死傷することはないと思っていたとして、殺意や身体を害する目的を否定した。2025年2月19日、一審の和歌山地方裁判所(福島恵子裁判長)は、爆発物の威力や投げた位置などから、首相らが死亡するかもしれないと認識しながら爆発させた未必的な殺意があったと認定し、懲役10年を言い渡した(求刑は懲役15年)。被告側は控訴したが、同年9月の大阪高等裁判所判決も一審判決を支持した。被告側はさらに上告したが、2026年3月27日、最高裁判所第三小法廷は上告を棄却し、懲役10年の判決が確定した。

要人警護をめぐる課題

本件が発生したのは、2022年7月に安倍晋三元首相が奈良市での街頭演説中に銃撃され死亡した事件から、わずか9か月後のことであった。警察が要人警護の強化を進めていた最中に演説会場で爆発物が投げられたことから、屋外の街頭演説という開かれた場での要人警護の難しさが改めて浮き彫りになった。

審理・経過の流れ

  1. 事件・事故 2023年4月15日
  2. 逮捕 2023年4月15日 +0日
  3. 判決 2025年2月19日 +676日
  4. 判決 2025年9月 +218日
  5. 判決 2026年3月27日 +183日

経過

  1. 2023年4月15日
    令和5年

    事件・事故 岸田首相に向け爆発物を投げつける

    爆発により聴衆・警察官ら2人が軽傷を負った。

  2. 2023年4月15日
    令和5年

    逮捕 男を殺人未遂容疑で現行犯逮捕

  3. 2025年2月19日
    令和7年

    判決 和歌山地方裁判所が懲役10年を言い渡し

    未必の殺意を認定した(求刑は懲役15年)。

    和歌山地方裁判所 (事件番号: 令和5年(わ)第285号)

  4. 2025年9月
    令和7年

    判決 大阪高等裁判所が控訴を棄却

    大阪高等裁判所

  5. 2026年3月27日
    令和8年

    判決 最高裁判所が上告を棄却し懲役10年が確定

    最高裁判所第三小法廷

出典・公的資料

一次資料 1件 判決文・白書・調査報告書・法令など、原典にあたれる資料を掲載しています。

さらに調べるには

資料の探し方や引用の書き方は調べ学習・レポートでの使い方にまとめています。

関連する法律用語

この記事を引用する

レポート・記事などで本ページを参照する際は、以下の表記をご利用ください。一次資料までたどる方法は調べ学習・レポートでの使い方をご覧ください。

「岸田文雄襲撃事件」事件JP、2026年10月31日閲覧。https://jiken.jp/cases/2023-kishida-attack/
スポンサーリンク

更新履歴

  • 2026年10月2日 一次資料補強:和歌山地裁の判決文(裁判所ウェブサイト)を出典に追加し、犯行時刻、爆発物の構造と威力、負傷者の内訳、罪名、求刑(懲役15年)と未必の殺意の認定理由を追記。出典で確認できない警護規則見直しの記述を削除
  • 2026年9月24日 一審・二審・最高裁の日付を訂正(プレースホルダー日付・報道日と決定日の混同を修正)
  • 2026年7月16日 初版公開

本ページは公的資料に基づいて作成しています。情報の誤りにお気づきの場合や、掲載内容の削除・訂正のご依頼は お問い合わせ・削除依頼よりご連絡ください。