尖閣諸島中国漁船衝突事件

発生日 2010年9月7日(平成22年) 2010年(平成22年)の事件 / 9月7日に起きた事件
経過 発生から16年1か月
発生場所 沖縄県 石垣市(尖閣諸島久場島北西沖の日本領海内)
種別 汚職・政治事件
状態 終結
被害 死者 0人  負傷者 0人
2010年(平成22年)9月7日、沖縄県石垣市の尖閣諸島付近の日本領海内で、違法操業していた中国漁船が海上保安庁の巡視船2隻に相次いで衝突した事件。中国人船長は公務執行妨害容疑で逮捕されたが、那覇地検は9月24日、日中関係を考慮して処分保留のまま釈放した。中国側はレアアース輸出の事実上の停止などの対抗措置を取り、日中関係は緊張した。
尖閣諸島中国漁船衝突事件を象徴する概念イラスト
※イメージ画像(生成AIによる概念イラストであり、実際の現場・関係者を写したものではありません)
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事件の経過

2010年(平成22年)9月7日午前、沖縄県石垣市の尖閣諸島久場島北西沖の日本領海内で、違法操業をしていた中国漁船「閩晋漁5179」が、退去命令を受けて逃走する際、海上保安庁の巡視船「よなくに」の左舷後部に衝突し、続いて巡視船「みずき」の右舷にも接触して両船を損傷させた。海上保安庁は、2度の衝突を故意と判断し、翌8日未明に同船の中国人船長を公務執行妨害容疑で逮捕し、9月9日に那覇地方検察庁へ送検した。9月19日には勾留が延長されたが、9月24日、那覇地検は日中関係への配慮を理由に処分保留のまま船長を釈放すると発表し、船長は翌25日、中国政府がチャーターした航空機で帰国した。
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日中関係への影響とビデオ流出

船長の逮捕を受け、中国政府はレアアースの対日輸出の事実上の停止、閣僚級以上の交流の中断、日本人建設会社社員の拘束、訪日観光団の規模縮小などの対抗措置を相次いで実施した。船長釈放後も両国関係の緊張は解けず、その後は中国公船による尖閣諸島周辺海域への進入が常態化するなど、日中間の緊張関係が長期化する転機となった。那覇地検が記者会見で「日中関係を考慮した」と釈放理由を説明したことは、検察が外交上の配慮から処分を判断したことの是非をめぐり、国会でも質問主意書が相次いで提出されるなど国内議論を呼んだ。政府が非公開としていた衝突時の映像は、同年11月4日、神戸海上保安部所属の海上保安官がインターネットカフェからYouTubeに投稿する形で流出し、大きな社会的反響を呼んだ。11月10日には第五管区海上保安本部(神戸海上保安部)所属の海上保安官が自ら投稿を名乗り出た。保安官は映像の秘密性が低いとして逮捕はされず、国家公務員法違反(守秘義務違反)の容疑で書類送検されたが、2011年1月、起訴猶予となった。

船長の刑事手続きのその後

処分保留で釈放された船長について、那覇地検は2011年1月21日、公務執行妨害罪で不起訴処分とした。これに対し那覇検察審査会は同年4月に起訴相当と議決し、地検が再び不起訴としたため、7月21日に公務執行妨害罪などで起訴議決を出した。検察官役の指定弁護士は2012年3月15日に船長を強制起訴したが、船長は日本と犯罪人引渡し条約を結んでいない中国に帰国しており、期限内に起訴状を送達できなかったため、那覇地方裁判所は同年5月17日に公訴を棄却した。船長が日本の法廷で裁かれることはなかった。

審理・経過の流れ

  1. 事件・事故 2010年9月7日
  2. 逮捕 2010年9月8日 +1日
  3. 判決 2012年5月17日 +617日

経過

  1. 2010年9月7日
    平成22年

    事件・事故 中国漁船が海上保安庁の巡視船2隻に衝突

  2. 2010年9月8日
    平成22年

    逮捕 中国人船長を公務執行妨害容疑で逮捕

  3. 2010年9月24日
    平成22年

    その他 那覇地検、処分保留のまま釈放を発表

  4. 2010年9月25日
    平成22年

    その他 船長、チャーター機で中国へ帰国

  5. 2011年1月21日
    平成23年

    その他 那覇地検が船長を不起訴処分とする

  6. 2011年7月21日
    平成23年

    その他 那覇検察審査会が起訴議決

    公務執行妨害罪などで起訴すべきと議決した。

  7. 2012年5月17日
    平成24年

    判決 那覇地裁が公訴を棄却

    3月15日に指定弁護士が強制起訴したが、中国に帰国した船長に起訴状を送達できなかった。

    那覇地方裁判所

出典・公的資料

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「尖閣諸島中国漁船衝突事件」事件JP、2026年10月31日閲覧。https://jiken.jp/cases/2010-senkaku-boat-collision-incident/
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更新履歴

  • 2026年9月28日 釈放後の船長の刑事手続き(不起訴・検察審査会の起訴議決・強制起訴・公訴棄却)を追記し、逮捕日と映像を流出させた保安官の処分の記述を正確化
  • 2026年7月22日 初版公開

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