平成19年能登半島地震

発生日 2007年3月25日(平成19年)
経過 発生から19年5か月
発生場所 石川県 輪島市(門前町)・穴水町・七尾市ほか
種別 災害
状態 終結
被害 死者 1人  負傷者 336人
2007年(平成19年)3月25日午前9時41分ごろ、石川県輪島市の西南西沖約40キロメートル、深さ約11キロメートルを震源とするマグニチュード6.9の地震が発生した。輪島市門前町・鳳至町、穴水町、七尾市で震度6強を観測し、死者1人、負傷者336人、住家の全壊686棟という被害が生じた。高齢化と過疎が進む半島の集落を襲った地震として、住宅再建や生活支援のあり方が課題となり、この年に行われた被災者生活再建支援法の改正へつながった。2024年の令和6年能登半島地震に先立つ、能登の近年最大の地震である。
平成19年能登半島地震を象徴する概念イラスト
※イメージ画像(生成AIによる概念イラストであり、実際の現場・関係者を写したものではありません)
広告

地震の発生

2007年(平成19年)3月25日午前9時41分ごろ、石川県輪島市の西南西沖約40キロメートル、深さ約11キロメートルを震源とするマグニチュード6.9の地震が発生した。気象庁はこの地震を「平成19年(2007年)能登半島地震」と命名している。 震度6強を観測したのは、穴水町大町、輪島市鳳至町および門前町走出、七尾市田鶴浜町である。計測震度の最大は輪島市門前町で記録された。震源が浅い逆断層型の地震で、海域の活断層が動いたものと考えられている。日本海沿岸のこの領域では、それまで大きな地震の記録が乏しく、地元では地震の少ない土地という受け止め方が一般的だった。
広告

被害の状況

内閣府がまとめた被害一覧(2009年3月3日現在)によれば、死者1人、負傷者336人(うち重傷88人)、住家被害は全壊686棟、半壊1,740棟、一部損壊26,956棟である。被害額は公共土木施設241億8,000万円などを含めて総額348億2,200万円にのぼった。石川県は七尾市・輪島市・珠洲市・志賀町・中能登町・穴水町・能登町の7市町に災害救助法を適用している。 震度に比して死者が少なかったのは、日曜日の午前中という発災時刻であったことなどが指摘されている。被害は輪島市門前町に集中し、古い木造家屋が密集する集落では倒壊が相次いだ。曹洞宗大本山總持寺祖院の伽藍も大きな損傷を受けている。ライフラインでは最大で13,290戸が断水し、約110,000戸が停電した。 能登有料道路(現・のと里山海道)では盛土が各所で崩れ、半島の南北をつなぐ幹線が寸断された。観光では和倉温泉をはじめとする宿泊施設に予約の取り消しが相次ぎ、直接の建物被害を免れた地域にも経済的な打撃が及んだ。

半島という地形の制約

能登半島は幹線道路の本数が限られ、被災地へ入る経路そのものが少ない。その道路が崩れると、救援も物資輸送も同時に滞る。半島の先端方向へ向かうほど代替経路がなくなるという地形の制約は、この地震で具体的な形をとって現れた。 被災地は高齢化と過疎が進んだ地域でもあった。住宅が全壊しても、建て替える資力や体力を欠く高齢世帯が少なくない。避難所生活の長期化と、そこからの生活再建をどう支えるかが、応急対応の段階から課題として意識された。 こうした条件は、17年後の令和6年能登半島地震でさらに大きな規模で問題となる。2007年の経験は、その意味で能登の災害対応を考える出発点となった。

被災者生活再建支援法の改正

この地震が起きた2007年には、7月に新潟県中越沖地震も発生している。いずれも高齢化した地域で住宅が大量に損壊し、既存の支援制度では生活の再建に届かないという実情が明らかになった。 当時の被災者生活再建支援法は、支給の対象を家財の購入費や解体費などに限り、住宅本体の建設・購入には使えない仕組みだった。この年の11月、同法は改正され、住宅本体の再建にも支援金を充てられるようになるとともに、使途を細かく証明する必要のない定額渡し切り方式へと改められた。 被災地からの声が制度を動かした例であり、能登半島地震と中越沖地震はその直接の契機に位置づけられている。

17年後の地震へ

2007年の地震のあと、能登では住宅の耐震改修や集落の復興が進められた。總持寺祖院の修復も長期にわたって続けられている。一方で、人口減少に歯止めはかからず、被災前の姿をそのまま取り戻すことは難しかった。 2024年(令和6年)1月1日、能登半島は最大震度7を観測するマグニチュード7.6の地震に襲われる。2007年の地震で被災した地域の多くが再び大きな被害を受けた。さらに同年9月には記録的な豪雨が奥能登を襲い、地震の被災地がそのまま水害の被災地となった。 能登という地域が近年繰り返し災害に見舞われてきたこと、そのたびに人口減少と高齢化が復旧の制約になってきたことは、2007年の地震の時点ですでに指摘されていた問題である。

経過

  1. 2007年3月25日
    平成19年

    事件・事故 能登半島沖でマグニチュード6.9の地震が発生

    輪島市門前町・鳳至町、穴水町、七尾市で震度6強を観測。死者1人、負傷者336人。

  2. 2007年11月
    平成19年

    その他 被災者生活再建支援法が改正される

    住宅本体の再建に支援金を充てられるようになり、使途の細かな証明を要しない定額渡し切り方式に改められた。同年の新潟県中越沖地震と合わせ、改正の直接の契機となった。

出典・公的資料

一次資料 2件 判決文・白書・調査報告書・法令など、原典にあたれる資料を掲載しています。

関連する法律用語

この記事を引用する

レポート・記事などで本ページを参照する際は、以下の表記をご利用ください。

「平成19年能登半島地震」事件JP、2026年9月8日閲覧。https://jiken.jp/cases/2007-noto-peninsula-earthquake/

関連事件

関連する事件

広告

更新履歴

  • 2026年8月24日 初版公開

本ページは公的資料に基づいて作成しています。情報の誤りにお気づきの場合や、掲載内容の削除・訂正のご依頼は お問い合わせ・削除依頼よりご連絡ください。