昭和28年7月南紀豪雨 通称: 紀州大水害

発生日 1953年7月17日(昭和28年) 〜 1953年7月18日 1953年(昭和28年)の事件 / 7月17日に起きた事件
経過 発生から73年3か月
発生場所 和歌山県 有田市ほか有田川流域
種別 災害
状態 終結
被害 死者 713人  負傷者 5,819人
1953年(昭和28年)7月、梅雨前線の活動により九州から東北にかけて大雨となり、特に紀伊半島では17日から18日を中心に期間降水量が700ミリを超える豪雨となった。和歌山県では有田川・日高川などが決壊・氾濫し、有田川上流の花園村では大規模な崩壊で天然ダムが生じた。和歌山県内だけで死者・行方不明者は1,000人を超え、被災者は当時の県人口の約4分の1にあたる約26万人に達した。7月16日から25日までの一連の大雨による全国の被害は、死者713人・行方不明者411人・負傷者5,819人とされる。
昭和28年7月南紀豪雨を象徴する概念イラスト
※イメージ画像(生成AIによる概念イラストであり、実際の現場・関係者を写したものではありません)
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豪雨の発生

1953年7月15日、梅雨前線上を低気圧が発達しながら日本海へ進み、その後前線は20日まで関東から九州にかけて停滞した。前線の活動によって九州から東北地方にかけて日降水量が200ミリを超える大雨となり、特に紀伊半島では17日から18日を中心に豪雨となって、期間降水量が700ミリを超えた所があった。
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被害の状況

有田川・日高川などの堤防が決壊し、有田市や御坊市をはじめ多くの地域が濁流にのまれた。和歌山県内の死者・行方不明者は1,000人を超え(県の資料では1,046人、負傷者は7,600人以上)、被災者は当時の県人口の約4分の1にあたる約26万2,000人にのぼった。和歌山県史上最悪の気象災害とされる。気象庁が消防白書に基づいて示す7月16日から25日までの全国の被害は、死者713人、行方不明者411人、負傷者5,819人、住家全壊7,704棟である。

天然ダムの形成と二次災害

有田川上流の花園村(現・かつらぎ町花園)では大規模な深層崩壊が起き、崩れた土砂が有田川をせき止めて最大15か所の天然ダムを形成した。最大のものは花園村新子・金剛寺付近にでき、高さ約80メートル、長さ約5キロの湖に推定3000万立方メートルの水をたたえた。同年9月25日、台風第13号が潮岬の東方を通過した際の増水でこの天然ダムが決壊し、下流で復旧工事中だった仮堤防を破壊するなど二次災害を引き起こした。

その後の治水対策

この水害を教訓に、和歌山県内の河川では治水ダム建設が進められた。まず1956年、古座川に七川ダムが完成した。有田川では抜本的な治水を目的に有田川総合開発事業が計画され、1963年に着工した二川ダムが1967年3月に完成し、洪水調節と発電を担う多目的ダムとして運用されている。このほか日高川の椿山ダム(1988年)、広川の広川ダム(1974年)なども同水害後の治水対策として整備された。

審理・経過の流れ

  1. 事件・事故 1953年7月17日
  2. 事件・事故 1953年9月25日 +70日

経過

  1. 1953年7月16日
    昭和28年

    その他 梅雨前線による大雨が始まる

  2. 1953年7月17日
    昭和28年

    事件・事故 有田川・日高川等が氾濫・決壊

    紀伊半島では17〜18日を中心に期間降水量700ミリを超える豪雨となった。

  3. 1953年7月18日
    昭和28年

    その他 花園村で大規模な崩壊が発生し天然ダムが形成される

  4. 1953年9月25日
    昭和28年

    事件・事故 台風第13号接近に伴い有田川上流の天然ダムが決壊

    7月の豪雨で花園村に形成された天然ダムが、台風第13号による増水で決壊し、復旧中だった仮堤防を破壊する二次災害が発生した。

  5. 1967年3月1日
    昭和42年

    その他 有田川総合開発事業により二川ダムが完成

    昭和28年の水害を教訓とした治水計画に基づき、1963年着工の二川ダムが完成し、洪水調節と発電を担う多目的ダムとして運用が始まった。

出典・公的資料

一次資料 1件 判決文・白書・調査報告書・法令など、原典にあたれる資料を掲載しています。

  • 調査報告書
    気象庁
    気象の概要(紀伊半島の期間降水量700mm超)、和歌山県内の死者・行方不明者1,000人超、全国の被害(死者713人・行方不明411人・負傷者5,819人、消防白書による)を確認
  • その他
    御坊市
    地域における災害記録を確認
  • その他
    Wikipedia
    被災者26万2千人(県人口の約4分の1)、花園村の天然ダム(最大15か所、最大のもので高さ80m・貯水量推定3000万m3)と決壊、水害後の治水ダムの整備を確認
  • その他
    和歌山県
    和歌山県内の被害(死者・行方不明者1,046人、負傷者7,600人以上)、二川ダムの着工(1963年)・完成(1967年3月)と建設目的を確認

さらに調べるには

資料の探し方や引用の書き方は調べ学習・レポートでの使い方にまとめています。

日頃の備え

豪雨や台風は、気象情報である程度前もって備えられる災害です。自宅周辺の浸水・土砂災害の危険をハザードマップで確かめておくことが勧められています。

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レポート・記事などで本ページを参照する際は、以下の表記をご利用ください。一次資料までたどる方法は調べ学習・レポートでの使い方をご覧ください。

「昭和28年7月南紀豪雨」事件JP、2026年10月31日閲覧。https://jiken.jp/cases/1953-nanki-gouu/
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更新履歴

  • 2026年9月29日 事実精度監査:死者713人等が全国の数値であることを明記し和歌山県内の被害(死者・行方不明者1,000人超)を追記、雨量の記述を気象庁資料に合わせて訂正、根拠のない年表項目を削除、天然ダムの規模を修正
  • 2026年7月12日 本文を増補(「天然ダムの形成と二次災害」「その後の治水対策」の2セクションを追加)
  • 2026年7月11日 初版公開

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