少年ライフル魔事件 通称: 渋谷銃乱射事件

結末 1969年10月、最高裁が上告を棄却し死刑が確定(一審は無期懲役)。1972年7月に執行された

発生日 1965年7月29日(昭和40年) 1965年(昭和40年)の事件 / 7月29日に起きた事件
経過 発生から61年3か月 1969年10月2日の確定から57年
発生場所 神奈川県 座間町(現座間市)/東京都渋谷区
種別 殺人
状態 判決確定
被害 死者 1人  負傷者 18人
1965年(昭和40年)7月29日、神奈川県高座郡座間町で、当時18歳の少年が警察官を射殺して拳銃を奪い、東京都渋谷区の銃砲店に立てこもって警官隊に銃を乱射した事件。座間町で巡査1人が死亡、1人が重傷を負い、銃砲店付近でも警察官と一般人の計17人が負傷した。少年は逮捕され、1969年に死刑が確定、1972年に執行された。
少年ライフル魔事件を象徴する概念イラスト
※イメージ画像(生成AIによる概念イラストであり、実際の現場・関係者を写したものではありません)
スポンサーリンク

事件の経過

加害者の少年は、中学卒業のころに姉から買い与えられたライフル銃をきっかけに銃器への執着を強めていたとされる。警察庁刑事局長の国会報告によれば、1965年7月29日午前10時40分ごろ、神奈川県警大和警察署に「ひばりが丘で子供4、5人が標的をつくって空気銃を撃っているから来てくれ」という110番通報があった(警察庁は、通報は犯人ではなく第三者からのものとみられるが、通報者は見つかっていないと説明している)。鶴間派出所の巡査がバイクで、続いて2人の巡査がパトカーで現場に向かった。高座郡座間町(現座間市)栗原の林道で、先に着いた巡査が当時18歳の少年に撃たれて重傷を負い、病院に運ばれたが午後2時35分に死亡した。少年は巡査の拳銃を奪い、後から着いた2人の巡査を草むらから「こっちだ、こっちだ」と誘い出して拳銃を突き付け、撃ち合いとなって1人の太ももを撃ち抜いた。少年はその後、近くの民家で「警察の者だが車を出してくれ」と言って車を出させ、さらに通りかかった車の運転者を拳銃で脅すなどして2回車を乗り換え、東京都小金井市の小金井公園を経て逃走を続けた。
スポンサーリンク

立てこもりと逮捕

同日午後6時少し前、少年は、以前に猟銃を購入して知っていた東京都渋谷区のロイヤル商事の銃砲店に乗りつけた。店内に居合わせた店員ら4人に拳銃を突き付けて脅し、店員に店のカービン銃へ弾丸30発を装填させて奪ったうえ、店員3人を連れて2階に上がり、駆けつけたパトカーなどに向けて発砲した。店を包囲した警察隊は再三説得したが、少年は応じずに銃を撃ち続けたため、警察は催涙ガスを使用した。午後7時19分、店の前の路上に出てきた少年を殺人未遂と銃砲刀剣類所持等取締法違反の現行犯で逮捕し、巡査から奪った拳銃などを押収した(人質の店員が隙を見て抵抗したとも伝えられる)。少年は渋谷警察署に連行され、午後11時に巡査に対する強盗殺人の逮捕状で改めて逮捕された。少年が銃砲店から発射した弾丸により、逮捕現場付近では警察官6人、一般人11人の計17人が負傷した。事件は警視庁の大規模な出動を伴う捕物劇となり、周辺は騒然とした空気に包まれた。

裁判とその後

少年は刑事裁判に付され、1967年4月13日、一審の横浜地方裁判所は無期懲役を言い渡した。しかし1968年11月、控訴審の東京高等裁判所は「矯正の余地なし」として一転死刑を言い渡し、1969年10月2日、最高裁判所が上告を棄却して死刑が確定した。少年は公判を通じて「銃への魅力は今も尽きない、再び人に迷惑をかけないよう死刑にしてほしい」といった趣旨の発言をしたと伝えられている。1972年7月21日、死刑が執行された。この事件は、少年による銃器を用いた重大事件として大きく報道され、猟銃の所持許可制度を見直す契機となった。警察庁保安局長は1966年の国会で、少年が18歳になると直ちに猟銃2丁の所持許可を受けていたこと、それ以前は姉の名義で所持しており身代わりの許可だったとみられることを挙げ、心身の未熟な少年に猟銃を持たせるべきではないとして、威力の強い猟銃について20歳未満の者には所持を許可しないとする銃砲刀剣類所持等取締法の改正案の理由を説明した。少年でありながら死刑が確定した数少ない事例の一つとしても、その後の少年事件の量刑論議でたびたび引き合いに出されている。

審理・経過の流れ

  1. 事件・事故 1965年7月29日
  2. 逮捕 1965年7月29日 +0日
  3. 判決 1967年4月13日 +623日
  4. 判決 1968年11月 +568日
  5. 判決 1969年10月2日 +335日

経過

  1. 1965年7月29日
    昭和40年

    事件・事故 警察官を射殺し銃を奪う

    座間町の林道で巡査1人を射殺して拳銃を奪い、別の巡査1人に重傷を負わせた。

  2. 1965年7月29日
    昭和40年

    逮捕 渋谷区の銃砲店立てこもり後に逮捕

    午後7時19分、催涙ガス使用後に店の前の路上で現行犯逮捕。銃砲店付近で警察官6人・一般人11人が負傷した。

  3. 1967年4月13日
    昭和42年

    判決 横浜地方裁判所が無期懲役を言い渡す

    横浜地方裁判所

  4. 1968年11月
    昭和43年

    判決 東京高等裁判所が死刑を言い渡す

    控訴審で一審を破棄し死刑判決。

    東京高等裁判所

  5. 1969年10月2日
    昭和44年

    判決 最高裁判所が上告を棄却し死刑確定

    最高裁判所

  6. 1972年7月21日
    昭和47年

    その他 死刑執行

出典・公的資料

一次資料 3件 判決文・白書・調査報告書・法令など、原典にあたれる資料を掲載しています。

さらに調べるには

資料の探し方や引用の書き方は調べ学習・レポートでの使い方にまとめています。

関連する法律用語

この記事を引用する

レポート・記事などで本ページを参照する際は、以下の表記をご利用ください。一次資料までたどる方法は調べ学習・レポートでの使い方をご覧ください。

「少年ライフル魔事件」事件JP、2026年10月30日閲覧。https://jiken.jp/cases/1965-shonen-rifle-incident/
スポンサーリンク

更新履歴

  • 2026年10月3日 一次資料補強:国会会議録(警察庁刑事局長・保安局長の答弁)を出典に追加。「少年が虚偽の110番通報でおびき出した」を訂正(警察庁は第三者の通報とみていた)、負傷者数を1人から18人(座間町1人、銃砲店付近17人)に訂正し、逃走経路・銃砲店での経過・逮捕時刻・銃刀法改正を加筆
  • 2026年7月18日 初版公開

本ページは公的資料に基づいて作成しています。情報の誤りにお気づきの場合や、掲載内容の削除・訂正のご依頼は お問い合わせ・削除依頼よりご連絡ください。