九州南西海域工作船事件

発生日 2001年12月22日(平成13年) 2001年(平成13年)の事件 / 12月22日に起きた事件
経過 発生から24年10か月
発生場所 東シナ海(奄美大島北西沖)
種別 その他
状態 終結
被害  負傷者 3人
2001年(平成13年)12月22日、九州南西海域(東シナ海)で海上保安庁の巡視船が北朝鮮の工作船を約16時間にわたり追跡した事件。停船命令を無視して逃走を続けた工作船は、巡視船を自動小銃やロケットランチャーで攻撃し、巡視船の正当防衛射撃の後、自爆とみられる爆発を起こして沈没した。海上保安官3人が負傷した。
九州南西海域工作船事件を象徴する概念イラスト
※イメージ画像(生成AIによる概念イラストであり、実際の現場・関係者を写したものではありません)
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事件の経過

2001年12月22日午前1時10分、海上保安庁は防衛庁から九州南西海域の不審船情報を入手し、午前6時20分、航空機が奄美大島の北西約240キロメートルの海上で同船を確認して追尾を始めた。現場に到着した巡視船が繰り返し停船を命じたが、同船は蛇行しながら逃走を続けたため、巡視船は20ミリ機関砲による上空・海面への威嚇射撃に続き、威嚇のための船体射撃を行った。同船は停船と逃走を繰り返したが、午後10時、巡視船2隻が挟み込むように接舷を試みたところ、午後10時9分、同船の乗組員が自動小銃やロケットランチャーで巡視船を攻撃した。巡視船は正当防衛のための射撃で応じ、同船は午後10時13分、自爆用とみられる爆発物の爆発を起こして沈没した。追跡開始から約16時間後のことだった。
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被害と船体の引き揚げ

銃撃により、巡視船「あまみ」に乗船していた海上保安官3人が、7〜10日間の入院・加療を要するけがを負った。沈没した船は、日本が事実上中国の排他的経済水域として扱っている海域の水深約90メートルの海底で見つかり、中国政府との協議を経て、2002年9月11日に引き揚げられた。船体は鹿児島港に運ばれ、10月6日に岸壁に陸揚げされて詳しい捜査が行われた。

北朝鮮工作船と断定されるまで

海上保安庁は、船体の構造や回収した武器(北朝鮮製と推定される自動小銃やロケットランチャー、ロシア製の携行型地対空ミサイルなど)、携帯電話の通話記録などを捜査した結果、工作船と乗組員は北朝鮮国籍であると特定した。乗組員は10人とされ、見つかった遺体と人骨は8人分だった。2003年3月14日、海上保安庁は乗組員10人を漁業法違反(立入検査忌避)と海上保安官に対する殺人未遂の容疑で鹿児島地方検察庁に送致した。本事件は、1999年の能登半島沖不審船事件に続き、北朝鮮による工作活動の実態を日本社会に突きつけるものとなった。

海上保安庁の武器使用をめぐる経緯

1999年の能登半島沖不審船事件で、逃走する不審船を停船させる手段が乏しいことが明らかになったことを受け、事件の直前の2001年11月に海上保安庁法が改正され、第20条第2項が新設されていた。これにより、停船命令に応じず抵抗・逃走する船舶に対し、一定の要件の下で乗員に危害を与えうる射撃を行っても違法性が阻却されることが明文化された。

不審船問題の経緯

日本近海での北朝鮮工作船の目撃・追跡事案は、1999年の能登半島沖不審船事件など、本事件以前にも発生していた。九州南西海域工作船事件は、実際に工作船を沈没させ、船体を引き揚げて分析するに至った初めての事例であり、北朝鮮による工作活動の実態を証拠とともに明らかにした点で、外交・安全保障上大きな意味を持つ事件となった。

経過

  1. 2001年12月22日
    平成13年

    事件・事故 不審船が海上保安庁の巡視船と銃撃戦の末に自爆・沈没

    海上保安官3人が負傷した。

  2. 2002年9月11日
    平成14年

    その他 沈没した船体が海底から引き揚げられる

  3. 2003年3月14日
    平成15年

    捜査 海上保安庁が工作船乗組員10人を書類送致

    漁業法違反(立入検査忌避)と殺人未遂の容疑で鹿児島地方検察庁に送致した。

出典・公的資料

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「九州南西海域工作船事件」事件JP、2026年11月2日閲覧。https://jiken.jp/cases/2001-kyushu-spy-ship-incident/
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更新履歴

  • 2026年9月28日 海上保安レポートに基づき、追跡・交戦の経過(約6時間の銃撃戦→16時間の追跡と4分間の交戦)、乗組員数と送致、沈没海域を訂正・補記し、海上保安庁法改正の時系列の誤りを訂正

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